理由
まゆの前の男が会社に乗り込んで来た、「お前にはまゆは無理だ」と言われ動揺する直人。そしてとうとうその訳がわかることに。
まゆとしばらくギクシャクした関係が続いた、まゆから笑顔が消えた。
「前の男の事考えてるのかな・・」
直人は一定の距離を保ったまままゆと関わりを続けていたがずっと男が言った「お前には無理だ」の言葉が引っかかっていた。
「どういう意味なんだろ?」「まゆに何かあるのか?」気になって仕事が手につかない、なんでもないようなミスを繰り返す、夜も眠れない・・・「男に会ってみるか・・」
直人は男に会う決意をする。
男の居所は以前まゆが男に貸していた金を返してもらうのについて行った事があるのでわかっていた
休みの日意を決して男の家に行った、玄関の前で足が止まる鼓動が聞こえるくらいバクバクしている
この家にはチャイムがないので聞き耳を立てて男がいるか確かめている、かすかにテレビの音が聞こえてる「いる!」と思うが早くドアを開けていた。
「誰だ!」
野太い声が体に響く。
「ドスドス」明らかに不機嫌そうな足音だ。
「お、お前は・・」
こちらの顔をみるなり男は動揺する。
それを見逃さず間髪いれず直人は言う。
「まゆの事なんだけど・・」
「まゆがなんだ?まゆに付きまとわないでくれとでも言いにきたか?」
「それじゃーない、この前行ったお前には無理だと言うのはどういう意味なのか聞きに来た」
「・・・」男はしばらく沈黙した後ポツリと言った、まゆから何も聞いてないのか。
その時前にまゆに言われた「私と付き合ったら後悔する」と言う言葉を思い出していた。
「何も聞いてない、だから教えてくれ」
「言っても理解できないし知ったらお前はまゆに問うだろ?そしたらお互い混乱する事になる・・」
少し僕はイラついて言った。
「だから何って聞いてるだろ」
「ふー・・」男は深いため息をついて語りだした。
「まゆはクレプトマニアなんだ」
「・・・???」はじめて聴く言葉に動揺する自分がいる。
「何それ?」
「窃盗症・・万引き常習者」
「ハッ?」
正直何こいつと思った一体この男は何をいってるんだと。
「フー・・」男がまた深いため息をついて語りだした。