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いっしょに  作者: 力丸
3/4

苦痛

まゆとの交際をはじめた直人だがこの後まゆとの元彼との争いなどで心身ともに疲れ果てる二人

まゆとのデートはいつも楽しかった。なんにもない場所に何時間いても楽しかった・・だが楽しい日々は長くは続かなかった。


ある日の夜、会社でまゆとの夜勤をしていた。外にある監視カメラに人影が写った。

「誰あれ?」まゆが言った「近所の人じゃないの?」僕はそう答えた。


そうこうしているとまたカメラに人影が映った、心配になって外に覗きに行った。


あたりを見回すが誰もいない「なんだよいたずらか?」


ぶつぶつ文句をいいながら事務所に戻ろうとしたとき「ガサ」風もないのに草むらが一瞬揺れたような気がした。じっと草むらの方を見るが何もない、事務所向いて歩き出そうとした瞬間また「ガサガサ」


「誰だ!!」大声で草むらのほうを向いて怒鳴った。その時!


草むらから人が飛び出してきた!そしてこっちのほう突進してくる。突然のことでこっちは体が硬直して動かない。


「おまえが直人か!」男は言った、その瞬間この男が誰なのかわかった「こいつがまゆの元かれか」


実はまゆは完全には男と別れてなかったのだ。


「どういうつもりだ」男はすごい形相で胸倉をつかんで問い詰める。「ここで引いたらまゆと別れさせられる」僕は逆に男に問いただしてみた


「まゆの事をなんだと思ってるんだ、まゆに借金もしてるだろ早く返してやれよ」


「うるさい!お前に関係ない」


「関係あるぞ、俺はまゆと付き合う事になったんだ」


「なんだとー」


男は叫び声を上げた後急に静かになってポツリと言った


「お前にはまゆは無理だ・・」


「?」


「まゆの事を理解できないしまゆの本当の事を知ったらきっとまゆのことを支えられない」


僕は急にこの男にすごい嫉妬心を抱いてしまった


「俺の知らないまゆの何かを知ってる」


そう思ったら急に胃のあたりがキリキリ痛み出した。


「本当の事ってなんだ!」僕は聞いた


「それは言えないし言いたくもない」


男は続けて言う


「どんなことがあってもお前にまゆは渡さないしおれがいなけりゃまゆは駄目だ」


はらわたが煮えくり返るような感じがした、たぶんこの時の感情は今まで経験したことないような嫉妬なのだろうと後からわかった。


「どうしたの?」まゆがきた、まゆは男がいることをしるやいなや顔が引きつった


「何してるの!帰って」まゆは男に怒りのような口調で言った


「・・・」男は何も言わず後ろを向きそのまま帰っていった、その時僕はまゆの顔を見てショックを受けた。


好きな男が去っていく様を眺めているような顔だ、そんな顔がどんなのかはわからないが直感でそう感じた。


その晩ほとんどまゆとは口を利かなかった・・


「まゆはまだあの男の事が好きなんだ、仕事してなくて貸した金も返さないような男がなんでわすれられないんだ」


僕の胃はますます痛みだした


「僕では無理なのかな・・」



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