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紀里谷のハーレム

「あ、正」


 アイリスと異世界交流が終わり部屋に帰る途中にキリに会った。ちなみにキリの部屋はすでに用意されている。


「よう、キリ。お前そんな恰好で、何してたんだ?」


 キリの格好はなんというかボロボロ。茶色の髪には砂がかかり来ている服もところどころ破れている。そして擦りむいたような傷や切り傷もかなりある。

 

「ははは・・・、修行でこっぴどくやられちゃった」


「くくっ、お前がそんなになるなんてな」


 思わず笑いがこぼれる。イケメンがボロボロになるのは楽しいなァ!!なんて思いから来ているわけではない。決してそんな黒い笑いではない。


「仕方ないよ。この国の騎士団の副団長さんらしいし。めちゃくちゃ強いんだよ・・・」


 キリはどよーんと肩を落とす。ついでに涙目になる。


「ついさっきだけど、鉄の鎧を剣で簡単に斬ったんだよ!やばいよあの人!」


「一体どんな大男だよ・・・」


 これには、思わず苦笑いになる。きっと、坊主頭でムッキムキで、剣なんて10M位の長さあるんだろうな・・・。


「え?可愛い女の子だよ?」


「フラグは既に立っていただと!?」


「え?フラグ?」


「いや、こっちの話だ」


 さすがキリ・・・。怪力の女の子にフラグを建てていたとは。多分キリのパーティには副団長が剣士として入るな。


「あの人、見た目幼女なのに僕より年上だし・・・、笑いながら『紀里谷君!すぱすぱタイムだ!』なんて言いながら大きな剣を振り回すし・・・」


 うおぉ・・・、年上のロリ怪力とか・・・、向こうの世界でもいなかったぞ。

 

「まあ、なんというか大変だな」


「うん・・・、まあ楽しいけどね!」


「ロリにいじめられるのが!?」


 大変です。キリの親父さんとお袋さん・・・。あなた達の息子はドMのロリコンになったようです。


「ち、違うよ!!強くなるのが!楽しいの!戦っているうちにコツとか掴んだり、うまく戦えるのが楽しいんだよ」


 そ、それは・・・。バトルジャンキーの症状が出てるじゃねえか!

 それはそれで、ドン引きだ・・・。


「まあお前がそれでいいならいいんだが・・・」


 こういう症状は、温かく、見守ろう・・・。


「ちょっと待って!何か誤解をs「紀里谷!あんたそんなところに居たのね!」


 キリ、もといロリコン戦闘狂の名前が誰かに呼ばれた。その方向を見ると黄色い髪(金髪ではない)で狐耳のメイドが腕を組んでいた。


「あ、マリア」


 やはりキリの知り合いらしい。


「誰だ?」


「はあ?あんたに名乗る名なんてないわよ。あんたこそ誰よ?それと紀里谷の何なのよあんた!さっさと答えなさいよ!!」


 狐耳少女は耳をぴくぴくさせながら怒鳴る。

 何だろう、イラッとくる。イラッと。しかも、なんかこの少女は勘違いしているようだ。


 だから、


「や・だ・ね」


 ベえっと舌を出していってやった。


「はあ?あんた、なに?ウザいんですケド。焼かれたいの?」


 少女はポケットから何枚か紙を取り出し宙に投げる。

 すると、髪はボウっと燃えて紙と同じ数の金色に炎が生まれる。炎は空中でゆらゆら動き回り今にも飛んでこようとしているように思える。

 

「へぇ・・・、魔法か」


 ただし普通の魔法陣を使った魔法だ。


「ふふん、ビビったでしょう。この炎で焼かれたくないならそのふざけた態度を改めて私に謝罪しなさい!そうすればその長い髪を軽く焼くくらいで許してやるわ!」

  

 怖い怖い・・・、恋は盲目と言うがやりすぎじゃないか?


「ビビるっていわれても・・・、しょぼいな・・・」


 アイリス師匠の魔法見た後だとどうしてもな。


「カチン。ああ、ウザいわ。ウザい。どーんと逝くわよ。もう」


「ぷぷっ、自分でカチンなんて言ってる人初めて見た!」


 吹き出してしまった。


 すると狐耳の少女の周りの炎はさらに燃え上がり激しさを増す。大きさで言うとバスケットボール三個分くらい。


「人の恋路を邪魔する奴は・・・、『狐火』に焼かれてェェェェ・・・・、顔面崩壊しろォォォォ!!!!」


「うわぁ・・・、短気・・・」


 少女が叫ぶと魔法の炎は轟々と燃えながらこちらに飛んでくる。


(うはぁ・・・、なにこれ、速すぎ・・・。避ける間もないわ)


 そして、炎は俺を包み込んだ。






 目の前には泣き叫ぶ少年少女がいる。どうも少女は誰かを殺してしまったらしく、そしてその隣で泣いている少年は死んでしまった誰かの幼馴染だったようだ。


「違う、違うの・・・ひっく、ちょっと、冗談だったのに、ひっく、ごめんなさい、ごめんなさい、うう」


「そんな、正・・・、う、嘘だよね・・・、し、し、死んだなんて・・・」


 俺はとりあえず声をかけてみた。


「なあ?大丈夫か?キリ」


「大丈夫じゃない!」


 肩をたたくとふり払われてしまった。キリは焼け焦げた地面を何度も何度も触り続けている。


「幼馴染だったのに、ずっと、ずっと・・・って・・・え?」


「うむ、そうだな、幼馴染だったな」


 俺もニヤニヤしながら床を撫でる。


「強火でじっくり焼けてるな!地面が!」


「「え?」」


 キリと狐耳少女は俺の方をみてきょとんとした表情になる。


「だから、強火でじっくり焼けてるな!地面が!」


「「え?」」


 先ほどと同じ反応だ。


「強火でじっくり「そうじゃなくて!な、何で生きてるのよ!」


 そう聞いたのは、狐耳少女。もう、ありえないと言う表情。ちなみにキリも似たような表情。


「まあ、魔法かな!」


 狐耳少女に仕返しとピースとウインクをしてやる。


「ぶんなぐられたいの?」


「分かった、分かった言いますから。魔法陣収めて。俺死ぬよ?」


 何とか収めてもらった。いやー助かった。


「え、正?生きてるの?ほんとに?」


「大丈夫だっつーの」


 涙目のキリの頭をなでながら答える。


「んっ・・・、ホントだ・・・、触れる・・・って、子ども扱いしないでよ!」


 と言いつつもキリは振り払おうとしない。昔からこいつは撫でられると気持ちよさそうに目を細める。


「ねえ・・・、早く質問に答えて?焼かれたいの?」


 青筋を浮かべる狐耳はまた魔法陣を取り出す。


「分かったから、収めて!」


「どうやったのよ?瞬間移動なんて簡単に使われるもんじゃないわよ!?」


「いやー、瞬間移動じゃないんだよね。これが」


 もう一度パチッとウインクしてやる。


 狐耳の青筋がびきっと音をたてたような気がした。そろそろまずい・・・。


「実はな・・・、あ、プライバシーもあるから回想に出てきた師匠の名前は言わないぞ」


「どうでもいいわよ!」





~今から少し前~



「なあ、●●●●」


「なんですか?」


「魔法でさ、分身とかできないの?」


「できると思いますが・・・、考えるのめんどくさいですね・・・」


「いいじゃんかー」


「えー・・・、あ、そうだ」


「え、思いついたの!?早くね!?」


「えへへへ・・・、鏡みたいな感じにしたらどうですか?」


「ほう・・・、面白そうだな。それで?ふむふむ・・・、光の屈折をいじって?反射させて?」




「できた!!」


「いいですね!!!」


「おお!同じ動きしてる!」


「サンキュ!●●●●!ってもうこんな時間かそろそろ帰るかなー」


「そうですねー」


「ぐっばーい、●●●●!」


「ぐっば?ぐっばーい?また明日、黒田君!」





 


「あ、正」


「よう、キリ。お前そんな恰好で、何してたんだ?」

(魔法かかったままだし、脅かしたろ)





~今に至る~


「と言う訳だ」


「え?つまり私は、魔法の分身を攻撃したの?よかった~・・・」


「今いる俺が分身だったりしてな」


「怖いこと言わないでよ!」


魔法に関してはいつか詳しい説明します。・・・たぶん。

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