異世界人と出会った アイリス・カメリアside
フヒー・・・、本の山っていいですね。なんかだらだらしちゃいます・・・。
ここは私のフリー図書室。結界も張って誰も来ることはないのです!どうせ友達なんていませんし・・・。
ぴょこぴょこ
おや?耳が反応しているです。どうやらウサミミにかけた《魔力探知》に何かかかったようですね。
魔力量は・・・、これは!?
「な、なんですかこの魔力量!?私と同等・・・いや、それ以上・・・!でもないですね私よりちょこっと少ないくらいですね」
ガチャリ
「すげえ・・・、空間を捻じ曲げたりする魔法ってやつか?」
嘘でしょう!?私の《空間魔法が》破られたのですか!?
・・・・・・入ってきたのは、背の高い男装をした女性でした。この国では見ることのない艶やかな長い漆黒の髪、その髪と同じ色の黒い切れ目、肌は病的に白くむしろ青白いかと思いました。
綺麗な人形のようです。昔もってた人形のリルちゃんに似ています。
・・・あれ?青白い?
これはあくまで聞いた話ですが、魔王軍のネクロマンサーは人間をも食べるそうですよ!人間なのにふっしぎ!
と言うことはつまり・・・
綺麗な人! → でも青白い → ネクロマンサー → もんすたー? → オレサマオマエマルカジリ!
やばいですぅぅぅぅぅぅ!!!ここに来たということは、城にはもう人がいない、皆さんモンスターに?
・・・そういえば突然頭の中に国家滅亡規模の空間末梢魔法を思いつきました!モンスターならいけますよね!合法合法!
ぴょこん
しまった!耳が!!
み、見られたでしょうか・・・。
・・・ってめっちゃ見てるぅぅぅぅ!
ぴーん!
しまったぁぁぁああ。死にましたぁああ!!!ゾンビ軍団に食われる前に術式を完成させなければアアアアぁぁ!!
「これは・・・、まさかうわさに聞く・・・!」
な、何か言っています・・・。死者の復活ですね!そんな呪文ですね!分かりました徹底抗戦です!
「えーっと、誰かいますか?」
ぴょこん!ぴょこん!
あれ?話しかけられましたか?
魔物だからそんな知能あるはずが・・・。もしかして普通の人?
「人に名前を尋ねるなら自分から、がマナーだと思うのですが?」
一応頑張って話しかけてみます。人と話すのってどれくらい振りでしょう・・・。あ、ギルドで受付のお姉さんと話したような・・・。
「く、黒田正平だ。黒田が性で正平が名だ」
「そうですか。私はアイリス・カメリアです」
おいおい!頑張りましたね、私!会話続いてますよ!
これは・・・、名前も聞いたし・・・友達ゲットのチャンスですか!?ヤッフウウウ!!
私は彼女を見ていると彼女は顔を赤くしました。どうしたのでしょうか?
「え、えっと!な、なにしてるんだ?ここで」
「本を、読んでいます」
「そ、そりゃそうか!まあ、そうだよな!」
おお!こんなに話したのって家族くらいしかないですよ!やりました・・・、お父さん、お母さん・・・。
「そ、それにしても!ここは本が多いな!本の海に沈んじゃってブックブックってな!」
本が沈んで・・・ブックブック・・・、なんて、高いセンスなんですかこの人!ちょっと・・・お腹が・・・痛い・・・・・・!
「ふふふ・・・、変な人ですね」
だが、だがあえて!ここはクールに!くーるびゅーてーです!
「ふふふ・・・、ここに本が多いのは私が集めて改造したんです。図書室を」
「図書室って・・・全部かよ!?」
驚いてる、驚いてる・・・。なかなか頑張ったんですよねぇ~!
彼女は私のとっておきの秘密に体全体を使い驚いてくれます。
「はい、もとは小さな本棚が一つしかなかったのですが空間魔法でいじったり、召喚魔法で家から本を持って来たり、本棚と階段も手作りですよ」
「手作りって・・・!どんだけかかったんだよ・・・」
えーと、けっこうかかったような・・・
「そうですね・・・、一か月ちょいです」
「はぁ!?一か月ぅう!?」
やっぱり、他の人と比べたら長かったんですかねぇ~・・・。
「いやあ・・・、階段に使う素材がなかなか狩れなくて・・・」
「素材を狩るって?」
「クリスタルドラゴンを討伐したんですよ」
いや、討伐は簡単なんですが、あのドラゴンあと一歩で倒せるところで迷宮系のダンジョンに逃げ込んだから見つけるの大変だったんです。
「なあ!初めて会ってこんなこと頼むのは、おかしいと思うんだが、俺に戦い方を教えてくれ!」
「戦い方、ですか?」
彼女は、かなり真剣な表情で私に頼みます。何か理由があるのでしょうか?
「ああ、俺はここに来るのは初めてなんだが、てか異世界から来たんだけど・・・。戦い方とかもなにもわからないんだ」
異世界?ああ、そうか・・・、この人、頭が・・・、かわいそうな人、ですかね・・・。
いえいえ、そういえば昨日あたりでしたっけ?勇者召喚。それならこの人勇者?
うーん・・・、めんどくさい・・・、ですが友達候補の方・・・・・・。
よし!決めました!
「アイリス・カメリアです。いいですよ、私が教えてあげます」
思わず嬉しくて顔のにやにやが止まりません。気づかれたでしょうか?
私が手を出すと彼女も手を出してこたえてくれます。
そして、彼女はうっとりとするような笑みで私の手をつかみました。
「黒田正平だ。よろしく。」