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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

愛川と愛宕の学級日誌

作者: 七千代

「花瓶洗ってくるから、その間に書いといて。」

「わかりました、急いで書き上げますね。」

西日の差す教室で花瓶を持って出ていく愛川を見送りながら、一人残った愛宕は日誌を書いていく。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


日誌にはすでに今日の授業内容は記載済みで、後は一日の感想を書くだけで終わります。

私は今日の天気を書き出しにしながら一日を思い出して書いていく。

二限目の授業の体育で愛川さんと一緒にストレッチしてバトミントンを行いました。

私は運動が苦手でなかなかラリーが続けられなかったけれど二人での体育は楽しかっです。


初夏とはいえ更衣室はすごく暑くて着替え用にも汗だくで落ち込んでいたら、

愛川さんが汗拭きシートを貸してくれました。

普段使わないスッキリとした匂いになんだかうれしくなりました。


数学の時間も匂いがするたびに愛川さんの方を見てしまいました。

愛川さんは集中するとシャーペンの頭で唇をぷにぷに触る癖があります。

唇は桃色のリップが似合っていていつも目が行ってしまいます。

見つめていると気が付いた愛川さんが手を振ってくれました。


お昼御飯の時間に愛川さんに見ていたのをからかわれてしまいました。

理由を聞かれ思わずリップのことを言ってしまったのです。

そしたら、御飯の後に塗り直すついでに私にも塗ってくれました。

午後の授業ではうれしくてついつい小指で唇を触ってしまいました。

愛川さんと同じ匂い、色に包まれてうれしくなります。


愛川さんはクラス替えで友達のいなかった私に、最初に話しかけてくださいました。

それから何かにつけて話しかけてくださって、お昼御飯も一緒にいただくようになりました。

時折バイト先に誘われておすすめのフラペチーノを頂きます。

カップにはいつも可愛らしいウサギの絵と一言コメントがが書かれています。

嬉しくて全て写真におってあります。

エプロンをして働く愛川さんはいつもキラキラしていらっしゃって眩しいです。


楽しそうにしていらっしゃる愛川さんにいつも眼を奪われています。

もっと愛川さんのことを知りたい。

お出かけして手を繋いだり、パジャマパーティーで夜までお話したり。

もっともっと一緒にいたい、独り占めしたい。

愛川さんが好き、好きです、愛しています。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


そこで愛宕は自分が学級日誌に愛の告白をしていることに気が付く。

慌てて消しゴムを取ろうして前の席に座っている人間が目に入る。

愛川は真剣に学級日誌を読んでいる。

その眼が文をなぞるたびに顔が赤くなっていく。

最後まで読み切った愛川が顔を上げるまで沈黙が続く。

こちらを見る愛川に愛宕は必死に言い訳を考えるが焦って何も出てこない。

愛川はそんな愛宕を見ながら消しゴムを手に取る。


そして最後の一文『愛川さんが好き、好きです、愛しています。』を消していく。


愛宕はそれをただ茫然と見つめる事しかなかった。

溢れてくる涙をぬぐうこともできずただ見つめるしかない。

愛川が消し終わり書き直している間もただ黙ることしかできなかった。


「はい、書き直したよ。」


そう言って愛川が日誌を愛宕に見せてくる。

そこに書き直された一文が愛宕の眼に入ってくる。


『私たちは愛し合っています。』

「えっ?」


驚きの声と共に顔を上げた愛宕の唇は唇でふさがれる。

あまりのことに目を白黒させていると、愛川は学級日誌とカバンを持って扉まで行ってしまう。


「ほら!早く日誌出して初デート行こ!」

「えっ!ま、待ってください愛川さん!」


愛宕は急いでカバンを持って愛川を追いかけていった。

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