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高2の夏休みの始まり

「あ~づ~い~。年々夏が熱く感じるんだけどどう言う事なわけ?」


「やかましい、温暖化の影響だろうが! それに女子が胸元開けてハンディファンで風を送ってるんじぇねぇ! そう言うのは女子しか居ない時にやれ!」


「別に見せてる訳じゃ無いわよ。それとも勝手にいやらしい想像でもしてたわけ?」


「な、何でお前にそんな事言われなきゃならんのだ! おい、火神! ヤメロ、そんな目で見るな!」


「レン、素直に言ってみな。どう思ったんだ?」


「肩を叩いて悟りを開いた奴の顔をするのを止めやがれ! お前はこそどうなんだよ!」


「ん? 俺はヒジリの視線が怖いから見ようともしないけど何か?」


「え? えええ?! 私そんな怖い顔してた!? ちょっと、ナギちゃん! はしたないからその行動辞めて頂戴! 私まで被害が飛んで来たんだけど!?」


「ハァ……ヤレヤレね。別に少し胸元が見えた位で興奮しちゃって……別にそんなにいやらしく見える訳無いと思うんだけど?」


 一連のやり取りが終わってナギちゃんは机の上にハンディファンを置いて顔に当たる様に位置を調整しました。別にナギちゃんの大きめの胸が羨ましいとか思ってませんからね!


 そこ! 哀れんだ視線は要りませんから!


 私達は夏休みに入り、タツミ君とレン君は午前中は部活なので午後からこうして集まって毎日の様に勉強会をしています。


「しかし……これだったら図書室の方が涼しいわよね? 何で各自の家で順番に勉強会に……。」


「いや、原因を作ったナギに言われたく無いんだが? お前がすぐに騒ぐから出禁になったんじゃねぇか!?」


「え? なんで私だけのせいになるのよ!? レンやタツミ君だって同罪でしょ!」


「いや、俺を巻き込むなよ! ほぼ7割はナギとレンが原因じゃねぇか!」


「いやいや、3割タツミが入ってる時点でお前も同罪だろうが……と言うか3人で3割ならほとんど均等だろうが? 相変わらずバカだな。」


「バカとは失礼な! あ、いや……微妙に言い返せないから止めておく……。」


「ふん、全く。そもそもお前ら二人が騒ぎ出して止めるのが俺だからこうなってるんだろ!? 俺は完璧なとばっちりだ!」


「う~ん、3人とも充分騒がしいだけどなぁ……完璧なとばっちりは私だと思うんだけど?」


 私が3人に冷ややかな視線を送ると一瞬で場が静まり返りました。いつもこの調子で中々勉強が進まないのです! もうちょっと真面目にやろうよ!


「何か……タツミ君が加わってから、勉強会の騒がしさが一気に増したように感じるんだけど?」


「いやいや、ちょっと待て。俺が悪いのか? 比較的真面目に勉強しようとしているぞ?」


「「え? それで?」」


「おい! そこ! 二人でハモってるんじゃない!」


 うん、ダメだ。何か言えばボケとツッコミが炸裂し始めます。 これはメンツを分けないと勉強が進まない気がしてきました。


「ねぇ、もう1週間経つけど……宿題すらまだ終わって無いよね? 試験に向けた勉強も始めるんだから真面目にやろうよ? 騒がしくなるなら別々でやるしかなくなるよ?」


「よし、そうしましょう! コレなら持ち回りじゃ無くなるからこのエアコンが壊れた私の家と言う事が無くなるわね! レンの家でやればエアコンも有るしお姉さんとも会えるし良いわね!」


「おい、待て! 何でそこで姉ちゃんが出て来るんだ!? と言うかお前は何でそんなに仲が良いんだ!? 俺はこの先が怖くて仕方ないんだが?!」


 うん、それって結婚を視野に入れている人のセリフだと思うんだけど? お姉さんと仲が良くなり過ぎて、家庭内の自分の立場が脅かされる事を不安視しているんだよね?


 と言うか、本当に早く付き合っちゃいなよこの二人……


「別に女友達として仲良くしてる分には良いだろうが? むしろその発言は結婚しても自分の居場所が無くなるみたいな言い方だぞ?」


 あ~、タツミ君が私が思っていても言わない事を言っちゃった……二人とも微妙に気まずそうな表情になって黙っちゃいました。


 そんな沈黙を勢いよく扉を開けて帰って来たナギちゃんの弟君が破ってくれました。


「なぁ姉ちゃん! レン兄ちゃんが来てるんなら教えてくれよ! ちょっと勉強で教えて欲しい所有るんだけどさ!」


「お、おぉ、良いぞ。何を見て欲しいんだ?」


「今宿題のやつ持ってくるから少し待ってて! 兄ちゃんの教え方分かり易いから助かるんだ! 姉ちゃんの教え方だと全然わかんなくてさ!」


 そう言ってリビングに居た私達を横目に自分の部屋へと入って行きました。と言うか兄ちゃんって呼んでましたよね?


「ちょ?! アンタ! 実の姉に向かって分かりずらいってどう言う事よ!」


「そのまんまの意味だよ。レン兄ちゃんの方が応用の仕方も含めて教えてくれるから良いんだ。姉ちゃんはただ解くだけだからな。」


「フッ、勝ったな。」


「調子に乗るな! 勉強はダメでも家事は私頼りなんだからね! この子は!」


「姉ちゃん……張り合うところ間違ってない?」




 随分と3人で仲良くやっている様です。と言うか……ナギちゃんもレン君のお姉さんと仲が良くなっているのは知ってましたが、レン君もナギちゃんの弟君と随分と仲が良いようですね。


 と言うかお互いに自分達で外堀を埋めてませんか? 少し弟君から話を聞いてみたい気がします。



「えっと……(そら)君だっけ? レン君には随分と勉強を教えてもらっているの?」


「ん? そうだね、ヒジリさんに比べて結構家に来るから、その度にちょくちょく教えてもらってます。後、俺に勉強を教えて遅くなった時とかは姉ちゃんが作った夕飯を食べていったりしてるしね。」


「なな、空! 余計な事は言わなくて良いわよ! アンタも高校受験近いからって教えてもらっているだけでしょ! それにウチは家庭教師代出せる訳じゃないからせめてって事でご飯を出してるだけでしょ!」


「そう言いながら、レン兄ちゃんとの時は気合入れて作ってるクセに。」


「あああ、アンタ! 余計な事ばっかり言うと毎日野菜サラダにするわよ!」


「別に今なら俺もある程度は料理できるから、そしたら自分で作るだけですよ~だ!」



 ほほう、そういう流れだったのですか。完璧に外堀埋まっているよね? と言うか隣に居たタツミ君が既に勉強道具をしまい始めているんですが!


「ヒジリ、なんかお邪魔みたいだから……俺らだけで地元の図書館に行こうか。 あそこなら俺達出禁食らって無いし。」


「あ、そ、そうだね。行こうか。」


 意図を察して私も道具をしまって立ち上がります。二人が何か言っていますが……もうね、本当は付き合ってるよね?! そうでないとしたら人間不信になりますよ!?


 何でこの二人は半端な状況が続いているのかしら! 今度ナギちゃんからこってりと事情徴収ですね。


 でもその前にタツミ君の成績をどうにかしないと……コレってどれ位で落ち着くのかなぁ……?




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