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ファーストコンタクト?

 私は気が付いてしまいました。目の前にタツミ君が居ますが……そのさらに前にはレン君とナギちゃんがいつもの夫婦漫才を繰り広げてます。


 そしてタツミ君がストーカーの様に人混みに隠れながら2人を観察してます。まだまだストーカースキルは甘いですがこれは確実にあの2人を見てます。


 さて、困りましたね……このまま2人と一緒に行動しよう物なら私も関係者とバレます。


 そしてレン君に友達と紹介されたとしても色々と作為的に取られてしまわないでしょうか?


 そもそも自然に知り合いたいのにこの時点でハードルが上がってます! もういっそ知り合い同士と言う所から紹介してもらった方が良いのでしょうか?


 ちなみに始業式の日に屋上で話したレン君が考えた作戦はと言うと……


 ナギちゃんが気になってはいるけど、デートに誘うのは緊張して厳しいから、お互いの友達を誘って一緒に遊びに行くとい約束をしようと思っているのだが……と言う作戦でした。


 ベタな作戦ですが……タツミ君が今の2人の姿を見てたら疑問に持たないでしょうか?


 既に2人とも付き合っている様な物じゃ無いですか! 私だって思いますよ! 


 でもあの2人は頑なに否定しますし、ナギちゃんが押している様ですがレン君が微妙にかわしている様なのですよね……鈍感系ですか? いや、そんな気はしないのですが……何か別の理由でもあるのでしょうか?


 取り敢えずこの状況は2人に後でスマホで伝えておきますか。流石にこれで照れ臭いは通用しないと思います。





 そして私も後ろから隠れる様に観察しながら登校して教室に入ると、すぐに2人に伝えようとスマホを取り出しました。


 すると教室の外から視線を感じたのですが……何だろう、直感的に振り向いてはいけない気がします。


 でも視線は変わらず飛んできているのが分かります。レン君やナギちゃんならスマホに連絡を寄越す筈です。つまりこの視線の主は2人以外。


 でも私に2人以外の友達はいません!


 ちょっと、そこで同情的な視線を送らなくても良いですからね? 別に人付き合いが下手だから気にしてなんか……いないん……です……から……。


 言ってて悲しくなって来ましたが、そろそろ視線に耐えかねて恐る恐る教室の入り口の奥の方を見てみると、1人のよく知った男子がこちらを見ていました。


 そして目が合うと、手招きしてます……。


 どう言う事でしょうか? 何で急にタツミ君が私を呼んでいるのですか!? 勘違いかと思って周りを見渡しますがタツミ君が私だと言わんばかりに私を指差して来ました。


 コレは……どう言う状況ですか! 普通に知り合うと言う計画なのに、何で私は手招きされて呼ばれているのですか!?


 自分の顔が真っ赤になって行くのが分かります。このままでは変な子認定されてしまいます!


 しかしここで無視しては余計に後々気まずくなるのが想像できます。


 既にどう転んでも今は手招きに応じるしかないと判断した私は、諦めたようにゆっくりとタツミ君の方へと歩き出しました。


 タツミ君はついて来てと言った仕草で体育館への渡り廊下の方へと歩いて行きました。


 そして人通りの少ない所で足を止めるとこちらも振り返りました。私の顔は不自然に赤くなってないでしょうか? 不安で仕方ありません。


「えっと、急に呼び出してゴメン。俺は1組の工藤 辰巳って言うんだ。えっと、火神さんで合ってるよね? 間違ってたらごめん。」


 確認する様に私に自己紹介して来ますが、知ってます! 知ってますとも! と言うか私は何と返事を返せば正解なのでしょうか?


「え、えええっと、ははは、は、ハイ。火神は私です。か、火神 聖です。」


 ああああぁぁぁぁぁ! 相変わらず噛んでしまいます! 初対面の人も苦手ですけど、タツミ君の場合は別の意味でうまく喋れません! 誰か助けてください!


「えっと、何と言うか……急に呼び出したのは……」


 タツミ君がモジモジしながら何といたら良いか悩んでいる様に見えます。まさか急に告白が始まるのですか? チョコを渡した事実がレン君経由からバレたとかですか?


 私が緊張していると、タツミ君も何か察したのか慌てて手を振りながら話を進め始めました。


「あ、え、えええっと、変な雰囲気にしてゴメン。あの実はお願いが有ったんだが……鳴海 蓮の友達だと言えば何となく分かってくれるかな?」


 知ってます! とは言えませんが……上手く誤魔化しながら話を合わせて見ましょう。


「えええ、え、えっと、ど、どう言う事でしょうか?」


 言葉のチョイスを最大限に注意して選びます。今朝の時点で私達を知ったと言うなら、今の時点で私の名前を知っている訳がありません。


 と言う事は、既に私達の事をある程度調べていると考えて間違い有りません。


 もしくわはレン君が私達の事を喋ったかですが……あんな作戦を立てている位ですから、その線は薄いでしょう。


「あ、いきなり名前とか知ってたら怖いよな。スマン。えっと、時系列で話した方が良いと思うんだが… …今だと少し時間が足りない。昼休みに非常階段口に来て貰えないか?」


「え、えええ、えっと……」


 急に説明が始まりましたが、こう言う時は何と言うのが正解なのでしょうか?


 私が困惑しているとチャイムが鳴りました。


「すまない、相談が有るだけなんだ。変な事とかは無いからお願いします。じゃあまた後で!」


 そう言ってタツミ君は立ち去って行きましたが……残された私は返事も言葉も出せないまま、ただ立ち尽くすしか有りませんでした。


 え? これってどう言う事? これは行くべき? いや、行かないとダメですよね?


 と言うか相談と言ってましたがどう言う事でしょう?


 レン君の名前を出していたと言う事と、今朝の2人を見ていた事を考えるとあの2人の事でしょうか?


 それとも私に関する事? そうだとするとやはりレン君がしゃべった? でも確認すると、それはそれで何かダメな気がします。


 悶々としながら私はゆっくりと教室に戻って思考を巡らせますが……答えは昼休みまでお預けですね。


 あーーーーー! 気になります!!! 一体何が起きているのでしょうか!!! 勉強になりません!





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