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クリスマスはどこ行った? 2度目のバレンタイン

 外には雪がうっすらと積もり、縁起的にも滑らないで欲しい時期がやってきました。もうすぐ受験の日が近い1月も半ばです。


 あの後、週末の度に私達は勉強会を開いてはナギちゃんの成績向上に努めてました。とは言ってもほとんどレン君が教えていたので、私もどちらかと言うと教わる側になっていました。 

 

 タツミ君は推薦の為に高校との合同練習に参加したりと忙しかったようです。レン君も推薦の話が来てたようですが、入部はするけど一般で入るから大丈夫と言ったそうです。


 何だかんだでレン君も結構なハイスペックの様な気がするのですが?


 そしてタツミ君は勉強の方が問題だったので、先生に最低限のラインまでは成績を上げる様に高校からの依頼が有った様で補講ラッシュもオマケで付いて来たとの事でした。


 なので、平日は補講で週末は合同練習と忙し過ぎる日々を送っていたようで、魂が抜けている様だったとの事でした。


 え? クリスマスはどうしたかですか? いきなりそこにハードルを合わせるのは無理と言うものです。順番を追っていってからですよ? 


 むしろレン君の家で3人で勉強会でした。ナギちゃんがクリスマス位パーティして騒ごうと言いました。


 当然の事ながらレン君に一蹴されてしばらくの間暴れていましたが、うるさいと乱入してきたお姉さんにビビったナギちゃんが涙目になってお姉さんに慰められていましたね。


 その後、ナギちゃんを気に入ったお姉さんが差し入れのジュースやらお菓子を持ち込んで少しだけ楽しんでから勉強が始まったのはまた別のお話です。


 まぁ、その翌日の26日が私の誕生日だったのですが、これ以上騒ぎになると大変なので黙っておきました!


 ちなみにタツミ君は5日後の元旦が誕生日なので、もし付き合えたら怒涛のイベントラッシュの1週間になる事は明白ですが。それはそれで楽しそうなので将来の楽しみにしておきます。



「ヒジリちゃん、妄想にふけってないで勉強しましょう。手が止まってるわよ。」


「ナギ、火神の成績なら余裕だから問題無い。問題はお前だ。」


 ナギちゃんの声で妄想から帰ってきましたよ。今は図書館で3人で勉強会中です。ここにタツミ君が居たらなぁ……。


「火神、タツミは勉強サボり過ぎて補講と言う強制勉強会に召喚されてるから勉強会企画での出会いは諦めろ。むしろあいつは勉強会と言う名目では絶対に首を縦に振らない。」


「レン君、人の心を読むのを止めてもらって良いかしら?」


「ストーカーさんがボーっとしてると言う事は、タツミの事しか考えて無いとすぐに分かるから読むなと言う方が難しいだろ?」


 レン君がそう言うと隣でナギちゃんも頷いていました。そんなに私の考えって読みやすいのかしら?


「みんな揃って同じ高校を目指すんだ、全員で行かないと意味が無いからな。」


「そうね、しかし何でそんな中堅どころ進学校からお誘いが掛かったのかしら?」


 タツミ君の成績をレン君から聞いて不服そうな表情で呟いています。


「あ~、多分お兄さん関係でだと思うわ。確かお兄さんが通ってた大学の指定校枠が有った筈だから、それ関係じゃ無いかしら?」


 私はタツミ君がお兄さんと大学で部活の合宿をしていた事を思い出した。確かあの大学は私達が行こうとしている学校に指定校枠が少し多めに設定している筈だ。


「そうなの? ヒジリちゃんのその情報網がたまに怖くなるけど……それって全部自分で調べているのよね?」


 ナギちゃんが引き気味で質問してきたが、私はもう慣れて来たので平然と答える。


「当り前じゃないの。むしろ私にナギちゃんとレン君以外の友達居ないんだけど?」


「火神、それは自慢する内容じゃない……。」


 レン君も呆れてますが、むしろ何でタツミ君の幼馴染のあなたが知らないのかと聞きたいのですが?


 そう言えば、夏の一件以来、レン君はナギちゃんとお互いを名前呼びになりましたが、私に対しては苗字呼びなのは変わりませんね。


 まぁさん付けが無くなったので友達っぽくなりましたが。


 って、むしろこの流れをタツミ君で出来たら良かったのに……物事は上手く行かないものです。


「そう言えば、ストーカーさんは今年もバレンタインにチョコを渡すのか?」


「当り前だよ、不快に思って無いなら存在はアピールしておきたいじゃない。でも逆に2年目は怖いと思うかな?」


 ふと、チョコを渡す気満々だったが2年連続で差出不明者からのは怖いだろうか?


「いや、タツミの奴もそこはむしろ期待している様だから渡して問題無いと思うぞ。むしろ存在アピールしておけ。」


 珍しくレン君が有用な情報を渡してきたと思って感心してしまった。


「あら、2次元オタク君にしては珍しく有用な情報の提供ね。普段からそう言う情報を仕入れなさいよ。そんな事だからチョコが貰えないのよ。」


 私が思ったけど言わないでいた事を、ナギちゃんはストレートにレン君にぶつけて来た。やっぱりナギちゃんはレン君に対してはドSだと思う。


「ニオイフェチさんには言われたくないんですが? と言うか相変わらずドS発言ありがとう。ニックネームをドSニオイフェチに変えるぞ?」


「無駄に長い。ダサい、センス0点。出直して来なさい。」


「ぐ……このドSが、もう女王様で良いんじゃないか?」


「あら、自ら下僕と認める発言でいいのかしら?」


「ク、クソ……ああ言えばこう言う。」


 うん、レン君の負け。と言うか段々とこれってあれだよね。


「最近の二人を見てると夫婦漫才に見えて来るわね。」


「「誰が夫婦漫才か!」」


 息ピッタリのツッコミが同時に飛んで来た。うん、そう言う所だと思うよ?


「そう言う所だと思うんだけど。」


「「…………。」」


 だから同時に黙ると余計にも夫婦漫才だよ? まぁ言わないでおくけど。


「レン君にも余りをあげるね。()()()()()。」


 話題を変えるついでに、情報を一応頑張って集めてくれているお礼を兼ねて義理チョコを渡す宣言はしておく。


「おお、ありがとう。義理なら貰っておく。本命チョコは重くて受け取る気にはなれないからな。」


「本命なら要らないって何よ? 普通は逆じゃ無いの? レンって本当に変わり者ね……って2次元オタクだからか。」


 ナギちゃんが呆れたように言っていたが、最後は自分の言葉で納得していた。


「おい、ナギ。勝手に文句言って、勝手に納得するの辞めてもらえますか?」


「あら、ごめんなさいね。では私もお詫びに()()()()()チョコをあげる事にするわね。()()()()()! 大事だから2回言ったわよ。」


「義理は分かったから、あんまり何度も強調しないでくれるか? 何故か地道にダメージを受けるんだが?」


 ナギちゃんの義理連呼でレン君が微妙そうな顔をしている。まぁ確かに義理チョコと連呼されると、それはそれで地道にダメージを受けるのだろうな……。


「あら、DOTを与える目的だもの。当然じゃない。」


「何のゲームだよ! と言うかDOTなんて火神とか解らないだろ? みんなに伝わる用語使えよ!」


「えっとね、DOTと言うのはDダメージOオンTタイムの略称で、時間経過でダメージを与えると言う……」


「説明しろと言ってない! 分かる言葉を使えと言ってるんだ!」


 ナギちゃんの説明が始まるとレン君がツッコミ出した。本当に終わらない夫婦漫才だなぁと思って私は目を細めてナギちゃんの白いノートに目を向けたのだった。


 ナギちゃん、受験大丈夫かなぁ……?





 後日のバレンタインデー、私は去年と同じ方法でタツミ君にチョコを届けました。


 警戒されると思ってましたが、流石に冬空の下でずっと警戒は無理の様でしたからチャンスはすぐに来たのでラッキーでした。


 え? メッセージカードに何を書いたかって? 


『高校でも剣道頑張ってください。』


 これだけですよ。こう言うのはシンプルが一番だと思ったので。


 後日談ですが、私は余ったチョコをお父さんと、レン君にあげました。ナギちゃんもレン君に義理だと強調して渡してましたが、さり気無く手作りチョコだったのが気になる所です。


 レン君が本命なのか別の本命が居て、その余りを渡したのかは謎のままです。今度詳しく聞いて見ましょう。


 むしろここ最近の流れで別の本命が居たら驚きますが。


 さてさて、試験も終わり後は合格発表を待つばかりですが無事に合格して一緒の高校に通える事を祈ります。


 

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