勉強嫌いを勉強させる方法
私達は喫茶店を出て書店を目指して移動を開始しました。
レン君は参考書を買いに行くならいい場所を知って居ると言ったので先導をお願いして私とナギちゃんは後ろをついて行きます。
「レン君すごく真剣に勉強を教えるつもりの様だけど……どうしたのかな?」
「さ、さぁ? 解らないわよ。でも……助けてくれるって言うんなら、す、素直に助けてもらうわよ。」
何となく照れているナギちゃんの様子を楽しみながら後をついていくとちょっと大きめの書店に到着しました。
「ナギ、ここの2階のコーナーだ、お前の勉強の進捗を確認しながら買うから付いて来い。火神はどうする? 自分のを探すのも良いし、1階はマンガや小説のコーナーだからそっちに行くか?」
多分待ちぼうけになる事が確定の私に気を使って聞いて来たので、私は素直に2人の邪魔をしない様に1階を見て回る事にしました。
「折角だから何か面白そうな物がないか見てくるね。2人はじっくりと参考書を選んできて。」
「分かった。もし暇を持て余したら一度声をかけてくれ、待たせ過ぎるのも悪いからその時点で決めて、残りは後日またナギを連れてくるから。」
「え? そんなにかかるの!?」
ナギちゃんが素っ頓狂な声を上げていますが、レン君は問答無用と言った表情で2階へと連行して行きました。
私も本当は参考書とかを見に行きたいけど、今は行かない方が良い気がするので1階の書籍コーナーへと歩いて行きます。
しかし……レン君のセリフはちょっとカッコ良かったですね。特に否定するでも肯定するわけでも無く、ただ行動を促すとか中々出来る事では有りませんからね。
ん? 別にカッコいいとは思っても惚れませんよ? 私はそんな浮気性では有りませんからね!
「しかし……最近は色んな書籍が出てるのね、確かこの前レン君が面白いと言ってたマンガを探してみようかな?」
私は店内を巡って居ると、とあるマンガの表紙を見て足が止まりました。
「コレって……何か今日のナギちゃんの服装に似て居るような?」
つぶやきながら本を手に取って見ると、この前レン君がお勧めしていたマンガでした。
ふ〜ん、そう言う事ですか。
ストーカースキルを発動させて2人を観察に行きますか!
あ、ご安心を。そんなスキルは存在しませんから。あくまでイメージで楽しんでくださいね?
「コレはどこら辺までなら分かる?」
「関数は苦手だから2年生位のところから怪しいわね。」
「初期のやつじゃねぇか! 何が得意なんだよ!?」
「社会と国語は平均点以上は取れてるわよ。英語はほぼ平均点で、数学と理科が壊滅的に……。」
レン君がその言葉を聞いて頭を抱えていましたが、すぐに気持ちを切り替えたように表情を変えました。
「よし、重点的にやるのは数学と理科だな! 全部をやらなくて良いと思えば気が楽だ。理科はどこが苦手だ? 化学式か生物か?」
「き、切り替えが早いわね……生物は分かるけど化学式が全く分からないわ。」
「苦手分野を理解させて、後は得意科目を伸ばすか……後はテスト答案を後で見せろ、どう言う間違い方をしてるか確認して認識を正して行くからな。」
「え、ええ……何と言うか、頼もしいわね。」
うん、一方的にレン君のペースですね。普段のナギちゃんもあれ位大人しければモテそうなんですけどね。
何度も会っているうちに理解しましたが、基本直情型のナギちゃんはツッコミが攻撃的すぎるとは思いましたが、先程の話で周りに引かれているのが何となく理解できちゃいました。
まぁ私との場合は私にツッコミが出る事がほぼ無いので相性が良いのでしょう。
しかし……あの服装がそう言う事だとしたら、いつからなのでしょうか? それともただの気まぐれなのか、本当の偶然なのでしょうか?
でも私の勘ではそうじゃ無い気がするんですよねぇ。
え? 当てになるのかって? 信じる信じないは自由です! ストーカーの勘です!
「よし、じゃあ買うのはコレとコレだな。問題集は基礎的な物からやって自信を付けて苦手意識を消すところからだ。」
そう言って数冊の参考書と問題集を持ってレジへと行きました。ナギちゃんも慌てて後を追いかけますが、何と言うか絵になってますね。
「ね、ねぇ。私そんなに手持ち持ってないわよ!」
「大丈夫だ、足りない分は俺が出す。」
そう言って財布を取り出しましたが……何とスマートな立ち回りなのでしょうか。何でコレで彼女居ないの?
あ、2次元専門だったね……。
「ちょっと、それは流石に悪いわよ。」
「もう9月だぞ? 時間が無いんだから、買い直しに来る間に出来る勉強をするぞ。」
レン君が正論を言うとナギちゃんは負けたと言った表情でで2人で会計を済ませました。
「ご、ごめんね。来週勉強会やる時に必ず返すわね。」
「良いよ、今日のその服で手持ちが少ないんだろ? 良いもの見せてもらった分だ。気にするな。返すなら合格と言う形で返せ。」
そう言ってレン君は照れるようにそっぽを向いて階段のほうへと進んで行きました。
「え? 気付いてたの?」
「オタクを舐めんな。流石に気がつく。」
そして無言のまま2人は店の外へと出て行きました。良い雰囲気を出しちゃってますね。
う〜ん、いつからなんだろう? 後で少し問い詰めてみましょう。
……って私忘れられてるよね!? 2人共先に外出ちゃったよ! でもこの空気の中で出て行くのは流石に無理があります!
ねぇ? 私どうするのが正解!? 誰か教えてください!




