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悪友3人組の誕生


「その言葉をそのまま受け取ると、あんまり良い趣味じゃないように聞こえるわよ。」


 ナギちゃんがジト目でレン君を見ると、当の本人は気にしないまま続ける。


「そもそも今回のバレンタインの一件の調査はタツミから頼まれたんだ。だから別にこのままタツミに報告しても良いんだが。」


「ちょっと待って! 先生にも口止めしてたんだから、お願いだから言わないで!」


「だから、先程も言ったけど教えるつもりは無いって。そこは火神さんの方針に合わせてあげるから。」


 レン君は慌てた様子でこちらの意向に沿うと約束してくれた。気が付いたら私はレン君の腕を掴んでいた。急いで離すと彼が慌てていたのはこれが理由かと気が付いた。


「あ、ご、ごご、ごめんなさい。」


「いや、俺の方も意地悪な言い方してゴメン。」


「ハイハイ、ここで意中でも無い男の腕を掴んで照れないの。」


 私が顔を真っ赤にしているとナギちゃんが助け舟を出してくれたのだ。


「で、本当に理由はそれだけなの? 本音で言われない方がモヤっとするわ。」


 ナギちゃんが再度問い詰めると、レン君も少し悩んだ様子で言葉を紡ぎ出した。


「まぁ、タツミとは小学のスポ少からの付き合いなんだが。あいつは兄貴のせいで、恋愛に関して鈍感になったと言うか、先読みし過ぎて自らフラグをへし折っているんだが、そこまでは良いか?」


 私とナギちゃんはそこまでは頷く。


「それなのにモテたいとか言ってるのが腹立つんだ。いやいや、少なくとも俺が知ってる限りでは5~6回は自分からフラグをへし折ってる。」


 あ~、そのうち3回以上は私も目撃しているなぁ……。でもそれを言ったらストーカー扱いが悪化しそうだから辞めておこう。


「ヒジリちゃん。多分その現場見てるわよね?」


「え? えええ!? ナギちゃん何で知ってるの!?」


 そう言ってナギちゃんの方を見るとニヤリとした顔をしていた。やられた、これは誘導尋問だ。


「まぁ、こっそり覗いてる分には罪にはならないから大丈夫よ。多分。」


 そう言ってナギちゃんが笑顔で私の肩に手を乗せる。ちょっと待ってぇぇぇぇ! 目の前にはレン君も居るんですが!? 学校に変な噂が流れたらどうするの!


「まぁ、見てるだけは自由だしな。しかも学校と言う公的な場所なら見られる方が悪いと言う事だな。」


 レン君も何か勝手に納得している! 


「じ、実は二人は知り合いなの? 随分と息が合ってるように感じるんだけど。」


「「いや、全く。」」


 本当かしら……。と言うか先程から会話が脱線しまくって先に進みません!


「で、話を戻して。そんなアイツが初めてフラグをへし折る事無く、自分への好意に気が付くプレゼントを出したと言う人が気になったと言うのが一つ。」


「ほほう、初の成功例だった様ね。良かったわねヒジリちゃん。」


「不気味がってませんでした? そ、そそ、その……、ストーカーみたいに思ってたりとかしてませんでした?」


「いや、むしろ普通に喜んでいたぞ。そのまま告っちゃえば?」


 取りあえず不安していた事は起きてない様で一安心した。でもサラッと告っちゃえばと言われてもそんな度胸有りません!


「ムリムリムリムリ! 私の心臓が色んな意味で持ちません! そそそ、それにいきなり告白したって、フラグをへし折られる方が可能性高いでしょう?」


「ん~、大丈夫そうな気もするが、取りあえず火神さんは知り合って友達になるステップから行きたい訳なのか?」


 じれったそうにレン君が問いかけて来ますが、実際はその通りです。失敗は許されません。三上さんの様に一度勘違いされたら誤解を解くのは困難でしょうから。


「まぁ、俺としてはその過程を楽しんで見てみたいと言うのがもう一つの理由かな? 趣味が悪いとか言うのはナシだぜ? 俺は情報を渡す、火神さんは進捗を教える。これはギブ&テイクだ。」


 レン君が意地悪そうなガキ大将の様な顔で言って来ました。


「もし、断ったら?」


 私はツバを飲み込んで聞いて見た。


「今すぐタツミを呼んで来て火神さんの事をバラす。」


「それって拒否権無いわよね。ある意味サイテー。」


 ナギちゃんがジト目でレン君にツッコむが、当の本人はどこ吹く風だ。


「解りました。交渉成立にしましょう……、恥ずかしいですが失敗するよりはマシです。」


 私は諦めてレン君の提案を受け入れた。まぁ別に悪い事だけでは無いのだろうから、確かにギブ&テイクなのだ。


「よし、それじゃ、お互いに連絡先を交換しようか。」


 そう言って連絡先を交換すると、レン君はナギちゃんの方を向いて連絡先を交換しようとした。


「何で私も? ヒジリちゃんだけで良くない?」


「え? これって3人の秘密の共有じゃ無いのか? 友達なんだろ? もちろん協力するんだよな?」


 レン君が不思議そうな顔でナギちゃんを見てる。友達と言っても今なったばかりなんだけど……ってそれは流石に今は言いづらい。


「ヒジリちゃんに協力するのは良いけど、何でアンタとも協力しなくちゃならないのよ?」


「一応? 何か作戦を練るなら2人より3人だろ? 3人寄らば文殊の知恵って言うだろ?」


 いつの間にか情報共有だけから、共同作戦のレベルまで協力体制のレベルが上がっているのはどういう事でしょうか?


「はぁ~、構わないけど変な文章とか送って来たら速攻でブロックするわよ?」


 ナギちゃんは警戒の眼差しでレン君を睨みつけながら連絡先を交換しました。う~ん、もしかしてレン君はナギちゃんを狙ってたりしないよね? 


 実は私を探している最中に好みの子を見つけて話を聞いてたら……という流れじゃ無いよね? 流石にそれは話が出来過ぎだよね……?


 念の為に後でレン君に聞いておこう。もしそうだとすると情報提供やら、共同作戦とやらの話の辻褄が合う様な気がします。


「取りあえず、先に火神さんが聞いておきたい事は有る?」


 まずは最初の情報提供としてレン君が質問を受け付けてくれた。


「彼女は居ないのは解ってるけど、誰か気になっている子とか居るのかしら?」


「ああ、それは無いな。あいつは理想は語るけど、具体的な女子の名前は上がった事が無い。むしろ今はバレンタインの子が気になっていると言った方が正しいだろう。」


 ナルホド、取りあえず効果は有った様なので一安心だが油断はできない。どんなに気になっていても好みの子じゃ無かったら流石に断るだろう。


「じゃあ、タツミ君の好みのタイプは? 友達だもん、知ってるわよね?」


 私が悩んでいるとナギちゃんが質問をしてくれた。


「ん~、あいつが具体的に言ってたのはキレイな髪のロングヘア―の子が良いと言ってたのは覚えているが……、男なんて大体そんなモノじゃ無いか?」


「抽象的過ぎる! もっと具体的に! 例えば活発な子とか、大人しい子が良いとか言って無いの?」


 ナギちゃんにそう言われてレン君も必死に考えこむ。そして思い出した様な顔をして喋り出した。


「後は、一緒に居て落ち着く子が良いとは言ってたな。」


「うん、ゴメン。そこら辺は全部知ってたよ……。既に情報収集済みです。」


 私は真新しい情報が無くてガックリして呟く。


「「え?」」


 二人がこちらを不審者を見る目で見ている。いや、もうこの流れは要らないから。


「では、新しい情報をお待ちしております。もしくわ作戦の立案を。ではお帰りはあちらです。」


 そう言って私は会場の入り口の方を指差す。そろそろ食べ終わらないと補助員の集合に間に合わない時間になっていた。


「わ、分かった。今度は新情報を入手して来る。」


 そう言ってそそくさとレン君は会場へと戻って行った。残ったナギちゃんは面白そうなものを見る目半分、ストーカーの本領を見たような目半分でこちらを見ていた。


「ヒジリちゃん。やっぱりアナタって最高に面白いわ。」


「そ、それって誉め言葉?」


「もちろんよ! これからも仲良くしましょ!」


 そう言ってナギちゃんは楽しそうにクスクス笑いながら答えて来たのでした。



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