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いつの間にか年が明けて2月です

 さーて! 今日は2月13日! 明日はバレンタインデーです!


 ん? クリスマスはどうしたのかって? 


 アーアー、キコエマセン。


 新しい情報も特に無いのですが、クリスマスのイベントはまたお兄さん絡みと勘違いしてタツミ君が再度、三上さんにゴメンナサイしてました! 


 あの子もタイミングが悪い。だってその直前に5連続でお兄さんへのプレゼントを預かってるんだもん。流石にキレるタイミングだよね? 彼女には同情するけど、そのまま失敗してくれと思ってます。


 私も性格が悪いなぁ……でも教えてあげる義理は無いですからね。


 でも当たって砕けても立ち向かっていく三上さんとただ周りで眺めてチャンスを伺っている私とどちらが良いのでしょうか?


 三上さんのあの姿もある意味正しい様に思えて来ます。特定の相手が出来ないうちは、諦めなければ恋の試合は終わりませんからね。

 

 私の様にしていて、タツミ君に好きな人が出来たら、後悔するのは絶対に三上さんより私だと思う。


 何とか少しづつでも行動に移そうと決心しますが……取り敢えずは目の前の食材との格闘が始まります。


「あら、聖。今年はお父さんに手作りチョコを作ってあげるの?」


 台所でチョコを作ろうとしているとお母さんが声を掛けて来ました。何でお父さんに気合入れて手作りチョコを作るのよ? 


 いや、そう言う娘もいるかも知れないけど私は余ったならお父さんにもあげようかな位ですよ?


「まさか、お父さん以外の人に渡す様に作るに決まってるでしょ。」


「え!? 聖、ついに好きな男の子が出来たのね! どんな子? 同級生? いつから付き合ってるの!?」


 お母さんの食いつきが凄い。いや、流石に今まで一切言って無かったし、そんな素振りも無いから気になったのでしょうが、これはウザい。


「お母さん、ちょっと落ち着いて。流石にそれはウザったいよ。付き合っても無いし、私の片思いだから詮索不要よ。」


「あら、そうなの。上手く行くと良いわね。ちゃんと付き合いだしたら教えなさいよ? デート代とかお父さんに内緒で家計費から補助してあげるから!」


 うん、それは有難いんだけど、色々と詮索されそうで嫌だなぁ……。


「まぁ、付き合えたらね? 上手く行くかなんて解らないんだし。」


「あらあら、弱気になってどうするの! 恋は押してなんぼよ! お父さん見たいにヘタレてるとチャンスを逃すわよ?」


 あー、そう言えばお母さんの猛アタックでお父さんを落としたと言っていたが……、私のこのヘタレっぷりはお父さん譲りか。


「むしろ下手に押したら逃げられるような相手なんだけどね……。」


「それってどんな男なのよ……。」


 タツミ君の複雑な事情が有るので、下手なタイミングで行くと三上さんの二の舞になる可能性の方が高い。本当に厄介な状況だと思う。


 お母さんは別の意味でのヘタレと勘違いしている様だが、お父さんのとは全く違う気がする。お父さんは本当の意味で押しが弱すぎたと聞いている。


 ……いや、待て。もしかしたらタツミ君もお父さんタイプか? もしそうだったとしたらお母さんとは血は争えないと言う事か? 何かそれもそれで考えものだなぁ……。


「それは置いておいて、とりあえず私も手作りチョコは初めてだから毒見をお願いしても良い?」


 私は会話を打ち切ってチョコを作り出すと、お母さんが後ろの方を指差してニヤリと笑っている。


「毒見役はそこに居るわよ。」


「え?」


 そう言って奥を見ると、キッチンから絶妙に見づらい位置の廊下に居たお父さんが体育座りでいじけて居るのが見えた。


「聖もついにそんな歳になったのか……。」


 うん、両親揃って面倒臭いな……、お父さんも娘の成長を素直に喜んで欲しい物です。お母さんの反応と足して2で割って欲しい。


「お父さん、要るの? 要らないの?」


 ちょっと意地悪く、不機嫌そうに言ってみるとお父さんは慌てて欲しいですと言ってリビングの椅子に座ってこちらを見て来た。


 いくら何でも娘に弱すぎるだろう……。まぁそれなりに子煩悩で愛妻家の父なので別に嫌いではないし、将来結婚するなら父の様な人が良いなと思うのは月並みだろうが、敢えて言わせてもらおう。


「では、初の手作りチョコを食べる権利はお父さんね。良かったわね。」


 母が横で茶化して来るが、まぁこう言う家庭の日常も嫌いでは無い。むしろ好ましいと思っているので、つい私も笑みがこぼれてしまった。


 父と母の嬉しそうな顔を見て自分も将来はこんな家庭を持ちたいと思ってしまう。当たり前の様だからこそ、かけがえの無い日常が楽しい家庭を。


 そして試作品が完成し、一日早いバレンタインチョコを父にプレゼントしたのだった。味の評価はお母さんには適わないけど美味いと言われた。


 この愛妻家め! そこは普通は娘に気を使ってお前の方が美味しいよとか言う所でしょうに!


「ふふふ……、聖。お父さんの一番はお母さんなんだから、そこは素直に諦めなさい。」


 このバカップル夫婦! 仲が良いのは別に構わないのだが、娘に対して対抗心を燃やすなと言いたい!


「お母さん、大人気無くない?」


「何を言ってるのよ、それこそ聖もチョコを渡す男の子にそう言って貰えれば良いじゃ無いの?」


 うわぁ……正論言って来ましたよこの人は。と言うかコッソリ置きに行くのにどうやって言って貰うのよ! ってこれは言ったら別の意味で怒られそうだから辞めておこう。


「解りましたよ。お母さんには適いません。」


 そう言って完成品を冷蔵庫に入れて明日を待つのだった。


 問題は渡し方だが、多分お兄さん関係で家の前は酷い事になってそうな気がするので、昼前に一度様子を見に行ってみる事にした。


 それで家の状況を見て、ポストに入れるタイミングを考えよう。そしてポストに入れる前提だからそこまで大きくない箱を選んでいる、それに入るサイズのチョコなので、トリュフチョコを作ったのだ。


 後はメッセージカードをどうするか。多分、月並みな文言だとそのままお兄さんの物と勘違いされる可能性が高い。なのでシンプルに解りやすいカードを添える事にしよう。そして中にもちょっとしたメッセージカードを入れれば完璧ではないだろうか?


 色々な事を考えながら、メッセージカードを作成する。問題は中に入れる方のカードだが、何と書けばいいのやら……、変な事書くと怖がられそうだしな。


 色々と考えているうちに、夜は更けていったのでした。

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