その後
この部分に関しましては、作者のこの作品に関する感想のようなものが書かれているので、そんなものに興味がないという方は読まなくてもいいかもしれません。
話としては一つ前のパートで終了しておりますので、あくまでおまけのようなものと思って頂ければと思います。
なので、おまけに興味がない方はスルーしてしまって構いません。
悪い領主でも役割はある。
いや、あった。
それがどんなに悪質な人物であったとしても、秩序を担っていた人物が突然消えればその下にいた人々は混乱し、道を失う。
領主の小さな恩恵、おこぼれでギリギリ生きてきた村人。
そして、その人々は領主に搾取され切ってしまっていたため、村人は自分たちで生きて行く術を失い、生きていけなくなる。
村人たちが自分たちの変わらない日々に甘えずに、もっと早くに自分たちだけで生きて行く術を見つけ、それを実行していたなら。
あるいは、搾取され続けていることに抗い、その大本を自分たちの手で排除できていたのなら……今ではもう既になかった未来もあり得たのかもしれない。
村人たちはただ他のみんなと同じことをしていただけだった。
自分で何かを考え、何かに抗うこともなく、一番楽な方法を選んでいただけだった。
それは、自分たちのために事を成してくれようとする男を殺してでも守りたいものだったのかもしれない。
領主もそうだ。
自分が生きたいように生きていただけだった。
だが、それに疑問を持ち、その在り方を間違っていると考えた男がいただけだった。
その結果が偶然命を落とす結果になっただけだった。
静視に関してはもっと単純だ。
ただ見ていただけだったのだから。
少しでもなにかを伝えようとでもしていたのなら違う未来もあったのかもしれない。
だが、大事だったのは自分が少しでも辛い思いをしないことで、一番大事だったのは自分の命であったというだけの話だった。
ほんの少しでも何かが違えば違う未来もあり得たのかもしれない。
だが、その一人一人が自分が一番楽だと思う選択をしただけ。
ただ、それだけの話だ。
この作品は複数人の視点で書いてみたかっただけの作品です。
また、基本的には誰かがくすりとでも笑ってくれるようなものの方が好きなので
この手のものはもう書かないと思います。
なので、感想など頂けると嬉しいです。
よろしくお願いします。
短いお話でしたが、読んで頂きありがとうございます。