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かたるにおちる、とりとめなし  作者: 大水戸りる
3/3

踏切

「開かずの踏切があるんだよ!」

ほぅ、と珍しく反応をする。

こういう少しホラーというか、オカルトな話は好きだ。

「学校のすぐ近くだよ!」

場所をスマホのマップで教えてくるあみあ。


「……いや、ここ普通に開いてるぞ?」

「えー?」

この踏切は何度か通ったことがあるがそんなに長時間待った覚えはない。


「せんぱぁぁぁい!」

「あみあ」

「ぷろてくしょーん」

後輩の蒼葉……蒼葉帆奈美のタックルをあみあに受け止めてもらう。


「くっ、さすがくま先輩……私の愛を肩代わりなされるとは」

「私は誰からの愛でも受け止めるぞ!」

「私の愛は先輩だけなーんーでーすー!」

「はいはい、嬉しい嬉しい」

「ああっ、そんな冷たい先輩も素敵ですっ!」


話を聞かない、謎の好意を寄せられている分、

蒼葉はあみあよりも面倒なタイプの後輩だ。

真面目にやるときはやる子なんだけどなぁ……。


「……これ、この間の踏切じゃないですか」

蒼葉はいつの間にかスマホを見ていたらしい。

いつものことだが勝手に見るな。

「この間?」

この間、と言われても咄嗟に出てこないので問い返す。

「もう忘れたんですか……」

蒼葉は自分のスマホを出して私たちに見せてくる。

「ここですよ、先輩がぼんやり踏切の前に立ってたところ」

「あぁ……」

そういえばそんなこともあったっけ、ってくらいの認識だった。

と同時に、言われて何か心の中に引っかかるものが……。

そう、何か思い出してはいけないことがあるような……開けてはいけない、記憶。

こういうのは大抵思い出さない方がいい。気にしないことにする。


「……で、あみあ先輩、なんでこれが開かずの踏切なんだ?」

「私が通るときはいつもあの棒が降りているからだ!」

「遮断機か」

「いえ、あれは遮断桿っていうんですよ」

「なんで知ってるの!?」

「ふふん、私、雑学には詳しいので」

事実、蒼葉は頭がいい。無駄な知識から勉強までいろいろと。

後輩なのにすでに私たちよりも学力があると思う、私感。


「でも、遮断桿が降りててもそのうち開くでしょう?」

「私は開いてるの見たことない!」

そこでふと気づく。いやまさか、いくらこいつでもそこまでは……。


「……なあ、あみあ」

「なーに、みなちゃ?」

「その遮断……かん?だっけ、それいつ見てるんだ?」

「電車に乗ってるとき!」

別作品、踏切の、その向こう側(https://ncode.syosetu.com/n8479go/)と微妙に関係しています。

登場人物は基本的に同じなのでこちらを未読の方はこちらも読んでいただけると嬉しいです。

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