表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/6

1

 俺の名前は蘇威そい 巳園みその、19歳だ。

 実家は味噌屋で両親は有名な味噌職人だ。

 俺は幼少の頃から両親の味噌作りを手伝っていた。

 そのおかげか、小学生の時には味噌作りのスキルは職人の域に達し、周りからその学習の速さに「神童」と呼ばれ、日本一の味噌職人になることを有望視されていた。

 しかし、16歳の時、体育の授業で右手を痛め、味噌作りが出来なくなった。

 それから何もやる気が起きなくなり、毎日が惰性で過ぎていく。

 なんとなく入った大学も、食堂の味噌汁が不味くてどうでもよくなり、中退して引きこもりになってしまった。


 夢も希望もなく、ただ来世に期待するだけ。


 その日も、ただ無気力に、街のネオンとうっすらと見える星を見ながら、親に頼まれた味噌造りの材料を買って帰路を歩いていた。


 突如、ドンっと街中に大きな音が響く。

 同時に体に大きな衝撃が走った。


 赤に染まる道路。

 散らばる大豆。

 遠のく意識。


 俺は歩道に乗り上げたトラックに轢かれ、19歳という短い人生を終えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ