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魔の森争奪戦2

 

「向こうの軍にはSSSランクがいるってのが本当かどうかは分からないが、あいつ自身は嘘をついてなかったな」


 俺たちは2週間後に戦争を開始することを決め、今はパーティメンバー、ミオ、ガーラで話し合っていた。


「クリシュ様はどのようにお考えですか?」


「んー、俺はいないと思ってるよ」


「あら、どうしてかしら?」


「あいつらは俺たちがここの領主だって知らなかっただろ? そのまま知らないで帰ったけど……情報を取り入れる能力が低いんだよな。だから情報が漏洩しても、それを知る術がないんだ」


「うん、それで?」


「漏洩してることに気付けないんじゃ、普通なら秘匿するよな?」


「私だったらしますわね」


「でもあいつは俺たちに自慢するように言った。ってことは少なからずあいつ自身はSSSランクの存在を知っている。又は居ると知らされているんだ。恐らく、俺たちを萎縮させるのが目的だろうな」


「ん? それでは存在しているのではないか?」


「いや、俺たちを萎縮させることができれば降伏勧告ができるだろ? そうなれば戦う必要がないんだ。向こうも無駄に戦費を出したくないだろうから、SSSランクが存在するって言ってきたんじゃないかって考えてる」


「なるほどね、けどそれは楽観視しすぎじゃないかしら?」


「本当にSSSランクが存在した場合のことを考える必要はありますわよね?」


「それはそうだな、本当にいるなら俺が相手をするよ」


「危険です! 私がやります! レベルは1番高いですし!」


 スキル『アリスの過保護』が発動!

 こうなったアリスは何を言っても無駄だ!

 諦めてアリスに任せよう!


「私がやるわよ。私が1番危険が少ないのだし」


 おっと、零華が対抗したぞ! これはどうなるか分からない白熱のバトル開始だ!


「そういうことなら私がSSSランクを担当してもいいか? ステータスはこの中でも2番目に高いしな」


 むむむ、シーナも参加か。そうなると……


「では、私が……」


「「「ダメ」」」


「なぜですか!?」


「あんたはSSランクじゃない」


「危険です」


「SSSランクになってからでないとな」


「うっ……クリシュ様! 今すぐ迷宮に行きましょう!! 2週間後までにSSSランクにならなくては!」


「待て待て、2週間でSSSランクは無理だ。それに今から誰がどうやって戦うかを話し合わなきゃいけないんだから」


「うぅっ……そうでした」


「今回軍隊はどの部隊を出す予定なのかしら? 今はえーと、何部隊あるんだっけ?」


「現在フリーデンには10部隊ありますわ。それぞれ約100名ずつで、1都市としては破格の戦力とも言えますわね」


「しかもその部隊の隊長はみんな軒並みBランクですからね、普通の軍隊とはレベルが違います」


「そんなにあったのね……この前クリシュが兵舎を増やした理由が分かったわ」


「なんでこんな辺境にここまでの人が集まったのか不思議でしょうがないよ」


「何も不思議ではありませんわ。ここは王都よりもずっと生活がしやすいですもの。スラム街が存在せず、職に困らず、モンスターにも襲われず、公衆トイレという破格の建物が存在する都市なんて考えられませんわ」


「待て、公衆トイレが破格の建物って何?」


「トイレが無料で使えるなんてありえないってことよ」


「いや、一応管理人には税金から給料が支払われてるぞ? だからここの街に住んでる人は無料って言えるのかちょっと分かんないんだけど……」


「そもそもアンタね、税金を公共事業に使いすぎなのよ」


「それが普通だろ? 他に何に使えと?」


「フリーデンは税金の総額と使い道を発表してますからね、領民の暴動など一度もありませんし……」


「他の領主からしたら面白くないでしょうね」


「一応貢献ポイントのために1回は俺のものってことにしてから、色んなことに使ってるけど、他の領主が面白くないってどういうこと?」


「他の領主は税金を公共事業なんかに、ほぼ使いませんわ。贅沢な暮らしをするために全て自分に投資するのですわ」


「そんなことしたら暴動が起きるんじゃないのか?」


「それが許されるのが貴族なのよ。レインやアンタは特殊な例よ。さらに言えばあの国王も結構特殊だと思うわ」


「たしかに、お父様は貴族の悪政を心良く思っていませんわね」


「だからね、フリーデンには他の領地や他国からの移民が多いのよ。その量はちょっと考えられないくらいよ」


「正直、このまま独立して国家になってしまってもおかしくありませんわ」


「それは言いすぎだろ」


「国王からの承認さえあれば可能ですわ」


「あの王様が許すとは思えないけどなぁ」


「クリシュや私たちのこと大好きだもんね」


「英雄が好きってことなら、フリーデンには4人も居ますからね」


「本当のところを言えば、フリーデンが独立を求めてきたら、バンベスとしては認めざるを得ないくらいの戦力があるので、認めるとは思いますわ」


「たしかにな、今回の戦争も軍隊出さずに俺たちのパーティだけで対処しようと考えてるしな」


「「「「え?」」」」


「ん? 変なこと言ったか?」


「言ったわよ?」


「変なことしか言ってないですが……」


「とち狂ったのか?」


「5人で1国家とやり合う気ですか?」


 みんな冷たすぎるだろ……言葉じゃないぞ? 目がとんでもなく冷めきってるんだ……

 頭の弱い子を見るような目で俺のことを見つめるのはよしてくれ……


「ほ、ほら! 良い機会だからみんな人と戦ってみようよ! 使者がどんな手を使ってくるかわかんないだろ!? 王神と戦うことになったら、相手は絶対に1国家だぞ!?」


「それは分かってるわ。けど私たち5人で戦う理由はないわよね?」


「私は全面的にクリシュ様の味方であるつもりですが、流石に……」


 それはそうなんだけどさ!!


「待て、クリシュ殿、何か隠しごとはしてないだろうな?」


「ギクッ」


「隠しごとがバレた時にその言葉を発する人を初めて見ましたわ」


「何を隠してるのよ」


「か、隠してるわけじゃないぞ!」


「……クリシュ様、私たちを信用してないのですか?」


 あ、涙目+上目遣いのスキルを使うんですねアリスさんや。その攻撃はクリシュに精神的なクリティカルダメージを与えるんですよ? 知ってました? 知っててやってるんだろうなアリスは……


「分かった、話すよ。けどしょうもない理由だぞ?」


「どうでもいいからさっさと言いなさい」


「零華殿冷たすぎるだろ……」


「コイツの扱いなんてどうだっていいのよ」


「ヒドイよ零華……俺が5人で戦いたかったのは俺の現在の実力を知りたかったからだ」


「案外まともな理由ね。けど国相手にやることかしら?」


「確実に国相手に実力を確かめる人はいませんわね」


「使者が2人もいて、その使者よりもレベルが高いのが2人もいて、SSランクが1人いるパーティなら勝てる気もするな」


「私はその理由なら賛成です」


 うーん、賛成2票に反対1票、どちらでもなしが1票ってところかな。


「もちろん、俺たちがやばくなったら軍隊にも出てもらうつもりだが、彼らはあくまでもフリーデンの防衛のために結成した軍隊だからな。戦争のための軍隊じゃないんだよ」


「戦争のための軍隊ではない? それは軍隊と呼べないのでは?」


「そうだけど、フリーデンはあんまり戦争とかに巻き込みたくないんだよな。1から作ったわけではない街だけど、それなりに愛着は沸いてるからな。できれば戦争とは無縁の街にしたいんだ」


「そういう思いもあって平和の街『フリーデン』って名前にしたんですもんね」


「なら仕方ないわね、私たちだけでやりましょ」


「いいのか?」


「領主のアンタが決めたことなんだから、反対なんてしないわよ」


「私も異論はない」


「ちょっと不安ですが、クリシュ様が守ってくださいますよね?」


「もちろんだ。ありがとうみんな」


「ふふ、良かったですねクリシュ様」


「あぁ、良い仲間を持ったよ」


「私は婚約者ですわ」


「そ、そうだったな」


「いい加減覚悟を決めて欲しいところですわね」


 俺の国では18歳からじゃないと結婚できないんだよ! せめて18歳まで返事は待って欲しいな!


「「ヘタレ」」


 くそっ、ヘタレじゃないし! アリスと零華にはリリーのことを知られてるから、強く出れないところがあるから好き放題言われてるんだよな。


「と、ともかく! (仮)魔の森争奪戦の会議を始めるぞ!」


「お茶を濁したわね」


「ほんとですね」


 その言葉どっから仕入れてきたんだよ!




 今日はなぜかツッコミの多いクリシュであったーー

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