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戦争代理人 神の使者で異世界へ  作者: ドラロー
1章 幼少期〜少年期
13/54

魔女との出会い

 

 初の魔物狩りから半年の月日が流れた。


 俺は『気配察知』を習得し、魔物に対して油断なく戦闘を繰り返したおかげでBランクの魔物は討伐できるようになった。


 この村はどう見てもゲームで言えば旅立ちの村だ。

 冒険者としてやっていくには心許なさすぎる施設の不充実さ、村人は基本農民で自給自足。

 商店や宿は1つずつしかないし、武器屋も道具屋もない。

 なのにBランクの魔物も森の奥に生息する。


 どう考えても不自然だ。


 この不自然の原因は、俺の父レインがここの領主だという事実だ。


 この村は国の辺境にある。

 辺境は強力な魔物が生存し、その近くには防波堤の役割を持つ街がある。


 その街には王都に集まるような実力者が駐在し日々魔物を狩りつつ、街を守っているのだ。

 平均的なランクはCでその街の実力の高さが伺える。


 さて、この村だが、辺境にある村だからある程度は実力のある冒険者が集まって、村が発展していなければおかしい。


 そこでレインの登場だ。レインはAランクで元騎士団長だった功績から、騎士団長の解任とともにここの領主を命じられた。


 レインの赴任とともにレインを尊敬している騎士団数名やマルティナ、トールも付いてきてこの村を守っているというわけだ。


 また、少ない人数でこの村を守りきれているのは森から出てくる魔物のランクが総じて低いということも関係している。


 森の奥にはSランクの魔物が存在しているという目撃証言もあるが高ランクの魔物はナワバリ意識が高く、森から出てくることはないという判断で国はここの領主をレインに任命したらしい。


 ただ、絶対に出てこないわけではないので、村人で1番高ランクのレインを始め、マルティナやトールは村から離れられないし、Sランクの魔物を従えているエルも戦力には数えられていて、レインがこの村に来てから村への襲撃が0だったことから、村から街へ発展するかもしれないと言われている。


 とまぁ、こういったことから俺は最近アリスと共に森の半ばほどまでよく来ている。

 森はかなり大きくて、子供の足で森の半ばまで来るには2日ほど掛かってしまうが、俺は空間魔法の中距離転移を使ってここまで来てるわけだ。


 中距離転移は自分から半径100キロほどのところまでは一瞬で移動できるかなり便利なスキルだ。しかも俺が持つメニュースキルのマップ機能を使えばピンポイントでそこに跳べる。


 普通だったら、自分で跳ぶ距離を指定して、その情景を思い浮かべながら跳ぶので正確な場所に跳ぶのはかなり大変だが、俺はマップの位置を指定して、スキルを使うだけ。


 ーーほんとチート様々だな。


「クリシュ様、今日もオークジェネラル狩りをするんですか?」


 アリスはここ最近パワーレベリングしまくったおかげでかなりのステータスになっている。


 アリス

 lv 48

 ランク B

 称号 『クリシュの専属メイド』

  『レベリングの鬼』


 HP 4000

 MP 4500

 筋力 1800

 体力 2000

 敏捷力 1850

 魔力 4080

 魔法防御 3600

 知力 800

 運 100


 スキル 『敏捷上昇Ⅴ』『短剣スキルⅧ』『投擲Ⅴ』『礼儀作法Ⅵ』『身体強化Ⅵ』『治癒魔法Ⅷ』『付与魔法Ⅷ』『MP増加Ⅷ』『魔力増加Ⅷ』『無詠唱』『消費魔力軽減Ⅴ』『魔力制御Ⅸ』『聖女の加護』『鍛治Ⅶ』『調合Ⅶ』『気配察知Ⅴ』『危機察知Ⅵ』


 ユニークスキル 『猫耳聖女』


 ステータスはご覧の通りとんでもなく高いし、称号やスキルも増えている。


 まぁステータスが高いのはスキルのステータス上昇効果があるものとレベルの高さだろう。


 称号にある『レベリングの鬼』はパワーレベリングしまくってたら付いた。

『レベリングの鬼』

 ・得られる経験値を10%上昇


 だとさ、これの効果と倒してる魔物のランクの高さ、俺のマップで効率よく魔物を狩ってるので半年という短期間でここまで強くなった。


 新たに付いているスキルは『鍛治』と『調合』だけ俺が付与した。

 装備品を自分達で作らないとこの村にある物では満足いく品がなかったからだ。


 鍛治や調合はスキルの高さと運の高さが作用するらしいので、アリスに作ってもらっている。


 生前は刀を使っていたのでアリスに刀の説明をして作ってもらった時は嬉しすぎてオークジェネラルを調子に乗って5体も狩ってしまった。


「そうだなぁ、今日あたりはAランク狩りをしてもいいかもな。マルティナとトールも付いてきてないし」


 マルティナとトールは最初の方は毎日付いてきていたが、俺とアリスが冒険者としての心得をマスターしてから、時々護衛の仕事ではなく、本来の仕事である村の守護をするようになった。


 そして昨日には


「もう私たちは2人に付いていく実力もないですし、逆に2人を危険な状況にしてしまう可能性があるので明日からは2人で森に行っても大丈夫でしょう」


「えぇ、役に立てなくて申し訳ないのですが……」


 悲しそうに伝えてきたので、俺たちは今日からずっと2人で魔物狩りを出来る。


「Aランクというとここら辺で出るのはオークキングやサイクロプスですかね?」


「うん、今日はオークキングと戦ってみよう。ヤバそうだったら転移ですぐに逃げるとして、アリスは自分の身を最大限に守りながら付与と治癒、遠くから投擲で攻撃してくれ」


「分かりました。オークジェネラルのお肉も絶品でしたが、オークキングはどんな味なんでしょうね……」


「おいアリス、ヨダレがやばいぞ」


「……ハッ! いけないいけない、妄想でお腹いっぱいになるところでした。オークキングのお肉が食べられなくなってしまうのはいけませんね」


 アリスはかなり大食いでグルメな女の子なので、美味しい魔物(経験値効率とかではなく食事として)を好んで討伐したがる。


「ん? ちょっと止まってくれ」


「どうしたんですか?」


「マップに魔物の群れを発見した、ちょっと遠いけどこれは……オークの群れ? いや違う、これは……!?」


「私にも見せてください! ……え! これ100体はいますよ!? オークがこんなに群れているなんて初めてみました」


「いや、それもそうなんだが驚くべきところが他にもあるんだよ。こいつらほとんどオークナイト、アーチャー、メイジで、ジェネラルが5体にキングが1体いるんだ」


「それは……ちょっと手に余るんじゃないですか? それにこれは異常事態です。オークは群れても10体ほどですし、帰ってレイン様にご報告するべきでは?」


「いや、俺たちがここで帰ったらこいつらを見逃してしまうし、父上がこんな森の半ばまで来て村が襲われでもしたら目も当てられないからな。ちょっと試したい魔法もあるからやれるだけやってみよう」


「分かりました」


 少し森を歩くと目の前に大きめのの木が生えてない空間が広がっていた。

 そこにはオーク達が座りながら、何かの実のような物を食べていてこちらには全く気付いてない様子だった。


「じゃあアリス頼む」


「分かりました。『魔力上昇』『水魔法強化』」


 アリスの付与魔法はパーティメンバーのステータスを変化させたり、スキルの威力を上昇することができる。


 また、俺たちは無詠唱で魔法を使えるが、詠唱をした方が威力が上がることが判明している。


 ただ、この村に魔法書がなくて、エルなら持ってるかと思ったが、初級魔法用のしかなく、仕方なく詠唱省略している。

 いつかは上級の物も手に入れたい。


 ーー貢献ポイントで手に入るけどな。


「ありがとう、いくぞ。『絶対零度(エターナルブリザード)』!!」


 そう言い放つと目に見える全ての物が凍った。

 木も草も、もちろんオークも全てだ。


「すごいです! クリシュ様! ちょっと寒いですけど!」


「あ、ごめんな。すぐ終わらせるから待っててくれ。『台風(タイフーン)』」


 風の刃が凍っているオーク達を全て切り裂き、トドメを刺した。


「あとはちょっとそこら辺の木を燃やして暖をとろうかファイアーボー……」


『その必要はないぞ小僧』


 その言葉が聞こえた瞬間俺が作った氷の世界は時を巻き戻したかのように溶けていった。


 危機察知スキルは発動しなかったので攻撃の意思はなかったのだろうが、突然の現象に俺とアリスは戸惑った。


『ふむ、このような小僧と小娘がオークの群れを一撃で葬るとはな……』


 マップには何も写ってないし、どこにもこの声の主は見つからない。


「お前は一体誰だ? 俺たちの敵か?」


『なるほど、敵か。まぁこの状況では敵と認識されるのも仕方のないことだが、そうだな姿を表そうか』


 目の前に紫髪の美女が現れた。かなりの長身でグラマラスなお姉さんって感じだ。


「転移魔法か……厄介だな」


「ほう、転移魔法が分かるのか。もしや小僧、お前が時々森に転移してくるやつだな?」


「それはどうだろうな。で、俺たちに何か用か?」



「ふむ、用があるわけではないが好奇心が疼いてな、クリシュ=レンメールとアリスか。神の使者にご挨拶をと思って参ったのだ。私はデイス=アイデン。この森で暮らしている魔女だ。」

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