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戦争代理人 神の使者で異世界へ  作者: ドラロー
1章 幼少期〜少年期
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クリシュの成長記3

 

 なぜこんなにもステータスの上昇率が高いのか。

 簡単に言うと、加護のおかげだ。

 ステータスの異常発展や限界突破がレベルが上がるたびに良い仕事をしていたようだ。


 運だけはいくら加護があってもどうしようもなかったがな。


 レインの10分の1しか運がない。

 俺ぐらい運のないやつは今まで周りの人達のステータスを見続けても発見できなかった。


 この運の無さはきっとクリティカルが入らないだけだ。……そう思いたい。



 さて、レインとの闘いだが、ステータスだけで言えば魔法も使いこなせる俺のが有利だと思う。


 しかしこの世界での戦闘経験はレインのが上だ。


 だから本気でやらねばこっちがやられるし、防御特化のレインに対して剣が通ると考えてはいけないだろう。


 こちらはスピードを生かして手数で押しつつ、高レベルの魔法を使っていくべきだな。

 ここでレインに勝てば魔物を狩れるのだ。他の使者に貢献ポイントで追いつくためにも魔物狩りは優先していきたい。


「クリシュ様、ご準備はよろしいでしょうか?」


 軽く運動して身体を温めていた俺にマルティナが話しかけてきた。


「うん、身体の調子もだいぶいいし、これならなんとか父上に勝てそうだよ」


「えぇ! クリシュ様が魔法を使えるのなら負ける要素が見当たらないですね! ここで勝てばクリシュ様はまた少し英雄に近づけてますし、頑張ってくださいね!」


「俺が英雄なんて大げさだよ、でもそうだね。魔物を狩るのが強くなるための近道なのは間違いないんだ。父上をコテンパンにしてやろう」


 2人でそう話しながら屋敷の裏にある、小さい訓練場に来た。


 そこには家族のみんなが揃っていて、真ん中には銀色のフルプレートを身に纏ってるレインが立っていた。


「お、来たか。クリシュよ、俺は本気でいくからな? お前には魔物狩りはまだ早いから絶対に止めてくれってエルとトールに言われてるんだ。悪いな」



「いや、ちょっと待って父さん。そのフルプレートと盾ってレア度6のやつじゃん! 武器は木剣だよ!? 攻撃が通るわけないじゃんか!」


 そう、あの防具はレア度6の防具だ。

 レア度は1〜10まであり、木剣はレア度1なのだ。


 攻撃なんて通るわけない。

 基本的にレア度5までは王都にあるような武器屋においてあるが、6から上はダンジョンドロップだったり、相当ランクの高い魔物の素材を使って作られたものしかない。


 レア度7とかは国宝レベルだ。


 ちなみに貢献ポイントで交換できる神剣はレア度10だ。

 そう簡単に人前には出せないな。


「だから言ったろう? 本気でいくんだよ。エルが本気で治してくれるから悪いけどボコボコにするぞ。3歳児を虐待する親でごめんな」


「ほんとだよ……まったく、じゃあ俺も本気で魔法撃つからちゃんと防御してよ? まぁその防具を抜けられるとは思ってないけどね」


「では、お2人ともよろしいですか? 始めますね。ルールは何でもあり。基本的には降参したら終了で、こちらが続行不可能と判断した場合も終了します。じゃあいきますね、試合……開始!」


 トールの開始の声で俺は自分の周りに10の火球を作り出しながら走り出した。


「なっ!? 無詠唱で並列に魔法を繰り出すだと!? 」


 と驚いてるレインに自分の身体を目一杯使った突きを繰り出すが


「おっとっと、盾装備に突きは悪手だぞ?」


 レインの盾に簡単に止められてしまった。

 まぁ計画通りだ。


「何のために火球を作り出したと思ってるの? 俺が囮だよ!」


 とりあえず、少しでもダメージを与えるか、ダメージが入らなくても目くらましになるはずなので10個も火球を作ったのだ。


「なるほどな、よく考えてる。けど、火球程度じゃダメージにならないんだよ! わりぃな!」


 すげー、全部盾で弾き飛ばしたよ。

 まぁ準備できたしそれでいいんだけどな。


「へへっ、どうだ。少しは父親を尊敬した……はぁ!? 何じゃそりゃ!」


 レインが驚くのも仕方ないだろう。


 俺の周りには火球と水球が合計50個ずつ浮いてるのだから。


「尊敬は毎日してるさ。けど俺は魔物を狩りたいんだよ。後父上、死なないでね」


「く、いいさ! 全部防ぎきってやる!」


 俺は火球と水球を四方八方から撃ちまくった。

 これ、全部防ぎきるとか人間じゃないよな。


「これっ、何発あるんだよ!? 全然終わんねーぞ!」


「いや、当たり前だよ。どんどん数増やしてるんだから。父上が降参しないと終わらないよー」


 そう、弾切れをしないために俺は追加でどんどん撃ち続けているのだ。

 今は大体400発はいったかな?


「いや、お前にも限界は来るはずだ! MP切れになればお前は動けなくなる! そうなりゃ俺の勝ちだ!」


 まぁ確かにそれは合っている。しかし―


「俺がMP切れするのと父上のスタミナ切れを起こすののどっちが早いかだけど、確かにこれじゃ芸がないよね。じゃあちょっと大きいのいこうかな」


「え?大きいのって、お前火球や水球が限界じゃないのか!? 」


「何言ってんの? 俺のスキルって火魔法と水魔法じゃないよ? 『全属性魔法』だよ?しかもレベルⅤ。火球や水球だけじゃないのさ」


 俺はそう言い放ち、水魔法と風魔法を使って、水の矢と不可視の矢を作り出した。


「まさか、全属性魔法とは知らなかった。けど大きいのって水矢(ウォーターアロー)か。それぐらいなら全然耐えられるぜ?」


 そう言ってレインは水矢をバンバン弾き出した。まぁ俺が作り出したのを水矢だけだと思ってる時点で甘々だな。


「いてっ! 何だ今の!? 水矢じゃなかったぞ!? そうか、お前!風魔法も使いやがったな!?」


「 お、よく分かったね。俺は全属性使えるんだって言ったからね? これぐらいはできるよ」


「いや、言ったけどさ、これはズルいだろ! 前から水が来ると思って身構えてたら、後ろから風の刃だぞ!? ふつうにいてぇわ!」


「いや、文句言うなら降参して欲しいんだけど。まだ余裕そうだし、火と土と光と闇も追加するねー」


「なっ!?お前そんなことすればすぐMP切れ起こすぞ! やめておけって!」


「いや、なんで父上が心配してくれるのか分かんないけど、これぐらいじゃまだまだ余裕だから。じゃあいくよー」


「くそっ!やってやらぁぁぁ!!……?……!? ……おい! クリシュお前これは卑怯すぎるぞ!!」


「んー? 何のことかわかんないなー」


「いや、お前なぁ!! 父親の足地面に埋め込みつつ、全属性攻撃とか!! だーー!! もう無理だ!! 降参する! だからそれ止めてくれ!」


「え、ごめん。急にこれ止まんない」


「なっ! お前ばか! やめ……」


 そう言い残しレインは爆発の中に消えていった……

 いや、実際は何十発か弾き飛ばしてたし、マジですげーよ父上。


「えーーっと、勝負あり? 勝者クリシュ様?」


「トール、はっきり言いなさいよ! クリシュ様ぁ! やりましたね! 勝ちましたよ!」


「クリシュ様流石です! やりましたね!」


「ありがとう2人とも。これで悪は去ったよ! 魔物狩れるね!」


「えぇそうです! もうクリシュ様を阻むものはありません! 私も付いていくのでさっそく行きましょう!」


「いや、今日は悪を滅するのに疲れたから明日からのがいいかなー」


「そうですね! では今日は平和をもたらした日として記念パーティーにしましょう!」


「おいこら! 勝手に悪者扱いするな! ちょっとばかし息子と戯れてただけじゃねーか!」


 おぉ! もう復活したのか。流石だな父上。


「子供相手に装備まで完璧にして、流石に大人気ないですし、その上で負けたとなると、逆にクリシュ様に遊ばれてたのでは?」


「ぐはっ!?」


 マルティナのクリーンヒットが入り、今度こそ悪は去ったようだ。


「レインが負けた……? クリシュが魔物に襲われちゃう……私が守らないと……そうだ、ロウに戦わせましょう……流石にSランクには勝てないはずよ……」


 いやいやいや! 母上!? それはマジで冗談にならないよ!? Sランクの魔物なんて絶対勝てないよ!?


「エル、もう諦めろ。村の周辺ならクリシュでも安全に戦えるはずだ。あれだけ魔法も使えることだし、今回は剣技を使わなかったけどマルティナやトールと同等なんだろ? 2人も護衛につけるし、危なくなったら2人が助けてくれるさ」


「レイン……そうね、クリシュはあなたに余裕で勝てたようだし、あなたがこの村の周辺で戦えてるのならクリシュはもっと余裕で戦えるわね」


 おぉう、母上随分と辛口なコメントだな。


「なぁクリシュ……俺なんか悪いことしたかな?」


「いや、子供相手にマジでぼこぼこにしようとしたよね? ぼこぼこにされる側だったけど」


「……妻と息子が俺のことをいじめる……なぜだ、威厳ある父親を目指してきたのに」


「あなたのせいでクリシュが死んじゃうじゃない! ダメダメオヤジ!」


「いや! 母上! 俺まだ死ぬって決まってないし! 悪口言いすぎだよ! 父上のHPのが先に尽きちゃうよ!」


「私も早くクリシュ様に追いつかないと! お母様! 私も連れてって下さい! 」


「ダメよ。アリスはもう少し基礎訓練してからじゃないと」


「えぇー、そんなぁーー」


 そんなことを話しながら俺たち家族は俺の勝利記念のパーティーの準備をするべく、家の中に入ってくのであった。



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