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 村長さんのお家の近くまで戻ると知らない人たちの匂いが?お客様でしょうか?

「うぇっ、大隠居様!?」

「…どうして東の魔女様が?」

 おぉう!すんごくかっちょいいおじーちゃんと可愛いおばあちゃんだ!でも、チョー強そう!なんか呼ばれてるみたいなんでリエちゃん達に一緒についていきます。

 あーあ、三人とも挙動不審になってるよ。美魔女なお姉さんはぐったりしてるし。とりあえずリエちゃんの横で待てしとこ。かっちょいいおじーちゃんの後ろの強面おじちゃんと線の細いおじちゃんはリエちゃんを見て苦笑してるし。

「ウム。久しぶりじゃの、相変わらずリエはおもしろいことを見つけておるようじゃの」

 おお、なんか眼光鋭いよ、このかっちょいいおじーちゃん、なかなかやる感じ?なんか皆さん、おっかない先生の前に出た学生さんみたいになってるよ。大丈夫?

「温泉じゃったか?詳しく聞きたいのぅ」

 なんかみなさんがワタワタしているうちに、かっちょいいおじーちゃんの鶴の一声で温泉に行くことになりました。もちろん私めもついて参りまする。えへん。

 温泉に着いたらかっちょいいおじーちゃんと可愛いおばあちゃんは温泉に入っちゃいました。リエちゃんは入らなそうなので一緒に待つことに。でも、でっかいおっちゃんにおいでをされたので突撃しまーす!

 ヒャッホイ、おじちゃん騎士が何やら悲鳴を上げてますが、でっかいおっちゃんと遊ぶのに夢中です!わーい。

 おおぅ、ぎゅされました。でっかいおっちゃんのお膝の間でしばし休憩です。あ、リエちゃん、強面のおじちゃんになんかお説教されてるっぽい〜。あ〜あ、おじちゃん騎士、口から魂魄でちゃってる?大丈夫かな?

「……ノール殿は大変そうだな」

『ですよね〜』

 でっかいおっちゃんのつぶやきに同意しちゃいます。お説教から開放されたリエちゃんは、湯上がり用に冷たい飲み物を用意し始めてます。しばらくしたら、かっちょいいおじいちゃんと可愛いおばあちゃんが温泉から上がってきました。なんか更にパワーアップしてる気がするんですが?キノセイ?一緒に入った四人は……湯あたりもしたのかしら?

 リエちゃんがお風呂上がりの一杯を渡してます。

「おお、たすかる。他の者もせっかくだから交代で入ってきなさい」

 やった〜温泉〜。え、今度は男湯の方ですか?あ、私一応雄でしたね。わーい筋肉祭りじゃ〜。オー、さすが皆さん鍛えてらっしゃるぅ!ゴリマッチョから細マッチョまでいろいろだぁ!

「……それセクハラっていうんじゃなかったの?中身おっさんよりになってない?」

『ぬ、その声はヒマジン!狼ですから、今!』

「いや、なんていうか今生を楽しんでるよね」

『楽しまなきゃ、他に何するんです?』

「あ、うん。……選択ミスったかな?」

『何か?』

「あー何でもない。邪魔したね。またね」

『なんですか?ほんとに。ヒマジンめ』

 いきなり声かけないでほしいです!合図ください合図!

「シルヴァンどうした?気持ち悪くなったのか?」

 あ、でっかいおっちゃんにお湯から引き上げられちゃった。

『大丈夫よ〜』

「大丈夫そうか?気持ち悪くなったら言うんだぞ?」

『ハ〜イ』

 でっかいおっちゃん優しい〜。

「そろそろ交代〜」

『ハ〜イ』

 お湯から上がるとリエちゃんが冷たいミルクをくれました。ウン、牛乳瓶からぐいっと出来ないのが残念。


 村に戻ってきました。優男のおにーさんとリエちゃんはお馬さんのお世話に。かっちょいいおじーちゃん達は村長さんのお家に寝泊まりするそうです。やっぱりエライんだ、おじいちゃんとおばあちゃん。

「シルヴァン、毛皮がフカフカになったな。温泉の効果か?」

「そうですよね。初日よりさわり心地が良い気がします?」

 え、そう?浄化魔法も覚えたし、そのせいもあるんじゃない?お、お、ちっちゃ可愛い女の子、耳は許して〜。

「こら、ファル。耳はダメだ」

 あ、虎耳のお姉さん、助けて!

「えへへ、ついこのもふもふした感じが」

「ファルも馴染みのないやつにいきなり耳を触られたらいやだろ?」

「あ、そうですね。はい。シルヴァンごめんなさい」

 具体的な虎耳のお姉さんの言葉に納得した、ちっちゃ可愛い女の子が謝ってきたので、一応一回目なので許してあげましょう。

『ウム』

 べろりと顔を舐めて差し上げましてよ。

「はわわわゎ」

「うはは、ファル、よだれまみれになってるぞ」

「シルヴァン〜」

『ぬへへ、浄化魔法!』

「!」

「いつの間に覚えたのかしら?」

「温泉のときには使ってたぞ」

「見よう見まねでしょうか?リエさんの使うのと同じですけど」

「……器用なことする子ね」

『練習大事ですから!』

 えっへんと胸を張ると虎耳のお姉さんに頭を撫でられちゃった!

「すぐ夕飯の支度しますね〜」

 あ、リエちゃんと優男のおにーさん帰って来た。ご〜は〜ん。とっとこリエちゃんにくっついて村の共同炊事場に。毛ガニが出てきた!どこで買ったの?ローレンの港町?海あるの?昆布も!おお、お米だ!わくわく。

『ふぅ』

 茹で蟹にカニ雑炊、美味しゅうございました。まさか、今生でカニ雑炊がいただけるとは!幸せ!一生リエちゃんについていきます!美味しいご飯を毎日食べたいんだ!

「シルヴァン、すごく満足そうねぇ」

『ええ』

「カニ美味しかったですもんね」

『ええ、とっても』

「で、今日は誰がシルヴァンと寝るんだ?」

 シブメンおじちゃんの一言に何故か一部の方のお目々がギラリとなりました。あ、美魔女のおねえさんとリエちゃんは苦笑してる。

「よっしゃ〜!勝ったぞぅ」

 ということで、リエちゃん伝授によるじゃんけん大会は凄まじい勢いを見せ、最後に勝ち残ったのは優男のおにーさんでした。優勝賞品(わたし)はリエちゃんから授与されます。

「さ、シルヴァン。今日は俺と一緒に寝ような」

『ういっす!細マッチョ!』

 朝起きたら、優男のおにーさんを押しつぶしてました。おほほ、御免遊ばせ。

「シルヴァン、どいてー」

「アハハ、グレゴール大丈夫か?」

 ありゃ、でっかいおっちゃんに抱き上げられちゃいました。おお!でっかいおっちゃんの肩越しの世界は地べたよりの視界とは一味違うねー。あ、リエちゃんのつむじが見えた。おお!鳥居つむじだ。大物の証!

 抱っこ楽し〜。

「あれ、シルヴァン。ダリウスさんに抱っこしてもらってんの?」

『ハ〜イ』

「ダリウスさんは背が高いから、いつもと視界が違うでしょ」

『とっても!』

「なにげに会話が成り立ってるように聞こえるのは俺だけか?」

 シブメンおじちゃん、ちゃんとリエちゃんと会話してますから!

「多分、通じてると思います」

「……そうか。朝飯食ったら、リエはゲオルグ様と村を回るんだろ?」

「はい」

「シルヴァンはどうするんだ?」

「お留守番でしょうか?」

「よし、じゃあ俺と今日はすごそうな」

『ハ〜イ、でっかいおっちゃん、よろしくね』

「ダリウス、一応シルヴァンはリエの従魔だからな?」

「わかってるよ!いいだろ、旅の間ぐらい。めったにないんだから」

「村に着いてからも遠慮なく遊びに来てくださいよ。シルヴァンも喜ぶでしょうし」

『でっかいおっちゃん、遊んでねー』

「クゥ、苦節三十余年!やっと動物になつかれた!」

「いや、それ魔狼だからな?」

 なんやかんや抱っこされたまま、炊事場に着くと、リエちゃんは朝ごはんの支度に。私は虎耳のお姉さんと鬼ごっこです!なんか村の子も混ざり始めちゃいましたがもう何でもありです!

「朝ごはんできたよ〜」

 おお!ご飯〜。村の子もそれぞれお母さんに呼ばれてお家に戻るようです。あ〜楽しかった。さ、お腹もガッツリ空いたし、朝ごは〜ん。



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