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お久しぶりです。

キーボードがアホになり(さながらクラリネットの歌の様です)現在、音声入力で筆記してます。

ノートpc、買わなきゃなぁ。

「……シルヴァン、昨日の夜のことは内緒ね。だれにもいっちゃ駄目よ?」

「クゥ(ですよねー)」 

 あわわ、リエちゃん、人相が凶悪なことになってるー。

 お髭の偉い人!お願いだから、次来るときは連絡して、お土産も持って来てよね!

「さ、このパンを地下のアイテムボックスまで運んだら、ちょっと寝ようか?朝市までまだ時間あるだろうし」

「……オン(ういっす)」

 うん、流石にちょっとだけでも眠たい。いつもは起きる時間だけどさ。うっし、これ運んだら、リエちゃんと寝るぞー。

 ふぅ、リエちゃん、甘い香り。あ、今度パウンドケーキ食べたいって言わなきや、zzzzzz……。

 



 ん?鐘の音?この音は最初の鐘の音かな?

「……起きようか?それとも寝てる?」

「……クァァウ」

 起きますー。

「着替えるからシルヴァンは居間で待ってて」

「オン(はーい)」

 朝ごはん、なんだろ?今日は朝市もあるし、控えめがいいかなぁ。

「さて。何食べる?お肉食べたい?」

「ウ~?(お肉は違うなぁ?)」

 うー、まだ寝足りないのかな?まぶたがしょぼしょぼするよ。

「お肉は気分じゃないか。簡単リゾットにしようか?まだクラムチャウダーが余ってたから。どう?」

「オン!(賛成!)」

 わーい!リゾット好き!下から、いい匂いしてきたー。

 リエちゃんご飯は、ハズレがないから幸せー。

「手抜きでごめんよ~。シルヴァン専用のお皿も用意しないとダメだね。それで、椅子に座ってテーブルで食べる?それとも椅子に鉢を置いて食べる?それとも直置き?食べやすいやり方でいいよ」

 手抜きなんて滅相もない!朝からあったかいもの食べられるって幸せだよ。

 お気遣い、感謝!

 椅子に上手に座るのは難しそう。椅子の座面においてもらうほうが、食べやすそうだから、椅子の上に置いてもらっていい?

「……オン」

「オッケー、ベンチのほうが高さ的にはいい?」

「オン!」

「んじゃ置くね」

 ありがとう!リエちゃん。

「いただきます」

「オン(いただきます)」

 はぁ、この塩っけとミルクとバター、お米のそれぞれのほの甘さ、お出汁もしみていい感じやぁ。幸せー。



「さて。それじゃ、シルヴァン。朝市に行こうか」

「オン!(行く!)」

 うふふ。また、あれこれ味見させてもらうぞー!今日は何があるかなぁ。

 あ!この間、役場でお話ししたお婆ちゃんだ!

「オン!(おはよう!)」

「おやおや、パン屋さん、シルヴァン、おはようさん」

「おはようございます」

「パン屋の準備はどうさね?」

「ほぼ、ほぼ、何とか。どれぐらい初日に売れるのか、よくわからないので想定でパンを焼いてるところです。アイテムボックス便利ですよね!」

「はははは!アイテムボックスを在庫箱にしてるのかね?豪気だねぇ!」

「あれ?」

 へー、倉庫がわりにしてないんだ。

「この村じゃぁ、アイテムボックスは何かあった時の、持ち出し袋のようなもんさね」

「あ、避難袋でしたか」

 ここじゃ、緊急避難袋みたいに使うんだ、アイテムボックスって。

 えー、じゃあやっぱり、魔物のスタンピードって結構危険なんじゃ?

 どっか避難するのかな?

「まあ、パン屋さんとこのアイテムボックスも一緒に持ち出せば、食うに困らないのはよーくわかったさね」

 任せて!いっぱい、焼きたてのパンが入ってるからね!

「あははは。逃げるときはよろしくお願いします?」

「村の若い衆に、聞かせとくさ。じゃあ、次はパン屋で!」

「はい。ぜひいらして下さいね」

 お婆ちゃん、バイバーイ。

「さて、シルヴァン、今日は、私たちの一週間分のご飯用の買い物だからね」

「オン」

「食べたいものがあったら、リクエストしてね」

「オン!(やった!)」

 フッフーン、何がいいかな?

 あ!コロッケ!コロッケ食べたいぞ!念話!

「コロッケね。じゃあ、ジャガイモだね。こっちもいろんな品種あるんだよ」

「ワーフ(そうなんだ)オン!(ジャガイモ発見!)」

「お、新ジャガかな?育ちきってないのもあるね。素揚げにして食べようか。小父さーん……」

 ちょっ!?リエちゃん、ジャガイモどれだけ買う気?

 それ、全然一週間分じゃない。一ケ月は保つんじゃ?

「ほい、玉ねぎおまけね!」

「ありがとう!」

 わあ、おじさん、それおまけの量じゃ無いよ。

 リエちゃん、オニオンフライとフライドポテトのおやつがいいな!

「いいよ。その代わり、お肉は基本塊肉だから、コロッケの挽肉作るの手伝ってね」

「オン!」

 風魔法で、多分できるはず!

「今度ヨハンソンさんに、ミンサーでも作ってもらおうかな。いや、でもその前に、精米機も欲しいしなぁ?どうしよう?」

 魔道具屋のお兄さん!仕事いっぱいよ!頑張れー。

 あ!お肉!リエちゃん!

「あ、ハイハイ。小母さん、すいません……」

 おお!ソーセージ味見していいの!?わーい!おじさん、良い人ー!

「ありがとうございます。シルヴァんおいしい?」

「オン!(絶品!)」

「その腸詰も追加で……」

 ホットドッグやアメリカンドッグも食べたいなぁ。

「まあ、いずれ。お店にたまに出してみようか」

「オン!(いいね!)」

 挽肉作るのなら、ハンバーグも!

「いいよ」

 ハンバーガーも!

「そうだね。あ、トマト。わあ、村の規模の割に、ここの朝市は、ほんといろんなのがあるな」

「いらっしゃい!うちはいろんなトマトを作ってるよ。生で食べておいしいものから、火を通しておいしいものまで」

「ほうほう。それじゃあ……」

 あれー?この香り?薬草園の娘さんじゃないかな?どこだろ?

「シルヴァン?どうしたの?」

「アマーリエさん!おはよう」

「あ、おはよう!ブリギッテさん」

 わあ!村のお嬢さん達、いろんなタイプの美人がいっぱい!

 いずれ、完璧に人化して、モテモテキャッキャウフフな人狼生活を……。

「皆紹介するわね、こちらが新しいパン屋さんのアマーリエ・モルシェンさん」

「皆さん、おはようございます。パン屋のアマーリエ・モルシェンです。よろしくお願いします。これうちの看板魔狼のシルヴァンです」

 あわわ。はじめましてー、シルヴァンです!仲良くしてね。

「おはよう、アマーリエさん!私はブリギッテの幼馴染のアリッサ・ラングフォードよ。家は槍専門の鍛冶屋をやってるわ。シルヴァンもよろしくね」

「オン!」

 アリッサちゃんは、鍛冶屋さんの娘さんなんだ。しかも、鍛冶屋さんて、専門あるんだねー。

「おはようございます、モルシェンさん、シルヴァン。アナスタシア・オレニコフと言います」

「アマーリエと呼んでください」

「では、わたしのことはナターシャと。夫は建具職人なのよ。家の建具のことで問題があったら、遠慮なく相談してくださいね」

「助かります。よろしくお願いしますね」

 おう!旦那さん羨ましい!こんな美人が奥さんなのか!ナターシャさん、よろしくね!

「初めまして。ヨハンソンの妻のソニア・ヨハンソンよ。あなたのことはハリーから色々聞いてるわよ」

「え!?ヨハンソンさんの奥さん!?美人じゃん!色々って!?」

 魔道具屋のお兄さん、爆発するがいい!リア中かっ!?

 今度ふざけて、軽くガブってしてやんだからー!甘噛みだからオッケーよね!?

 ん?小父さん、呼んだ?何?

 骨くれんの?

 わーい!なでていいよ!じゃあね!

「……なるほどー。信憑性の問題もあるのか」

「そういうこと」

「ただ、夜歩きは、控えたほうが良いんじゃないかって話になってるの」

「わかりました。うちも夜歩きはしないようにします」

「オン!」

 え?夜歩きダメななのね、了解!全然話聞いてなかったよ。

「じゃあ、また午後にね」

 えっと、午後からブリギッテさんがくるのかな?

 皆さんまたねー。

「さて、帰ろうか、シルヴァン」

「ワーフ」

 ん?あれ?プリン?今、プリンの香りがしたような?気のせい?

「シルヴァーン?」

「オンオン!(はい、ただいま!)」

「さて、帰ったら、またパン焼くからね」

「ワーフ」

 今日はどんなパン焼くのかなー?楽しみ〜。


 

「シルヴァン、お昼何食べようか?ブリギッテさん達が午後来るから、お菓子も用意しないとだしねぇ」

 お昼かー?コロッケは時間かかるもんね。じゃあ、生姜焼き!

「あんたさ、玉ねぎ大丈夫なの?一応元狼でしょ?カレーも食べてて大丈夫みたいだったけど」

 んー?問題ないんだよねー。

「特になんにも感じなかったのね?貧血っぽいとかさ」

「オン(ない)」

「個体差があるからなんともだけど……どうなんだろ?」

「魔狼だから、何食べても平気だよ」

 あ、ヒマジン!そうなの?

「体の作りが変わってるからね」

 まじか!リエちゃん何食べても大丈夫だってさー!無問題(モーマンタイ)

「さよか。なら気にしないことにするよ」

「オン(そゆことで)」

「あ、ちなみに味噌と醤油はまだないからね。米も見つかったばっかりでみりんも清酒もない。ナイナイ尽くしだから和食っぽいものは、あるものでお試しになるよ?」

 え。

 我らのソウルフードが無いですと?

 米だけ?

 リエちゃんなら、根性で味噌も醤油も作ってると思ってたのに。

 わわわわわ。

 おぅふ、リエちゃん、揺さぶるのストップ!

「シルヴァン、ニラと生姜と大蒜はあるから、豚つながりでニラ豚丼にしない?」

「オン!(いいとも!)」

「じゃ、お昼は味噌汁抜きのニラ豚丼で」

 はーい!ニラ豚も美味しいから問題なし!うふふ、塩と豚の脂のうまみにニラの風味、じゅるり。うへへ。

「シルヴァン、よだれよだれ」

 おう、失礼しました。うーん?こういうところは狼のまんまなんだけどなぁ?

「さて、お昼の前に明日のサンドイッチを作るよ。ライ麦パンと食パンを使ったタマゴサンドとハムサンドを出すから、まずはゆで卵ね」

 サンドイッチですね!了解!

「っとその前に店の冷蔵ケースを冷やし始めとかなきゃ」

 冷蔵ケース、どうやって使うんだろう?気になるー。見せて見せてー。

 魔法陣が彫り込んである?あれ?指で一部分だけ触ればいいの?んで、自分の魔力はちょっぴりだけ?起動のための刺激みたいなもの?

 暇になったら、リエちゃんに聞いてみよー。

 おう、お待ちくだされ。

 ウハー、でっかい鍋。リエちゃん力持ちねぇ。うわ、卵いっぱいだぁ。こんなにいっぱい卵を茹でるの初めて見たよ。

 今度はキュウリ?いや、そのリュック、そんなにキュウリ入ってたの?河童が喜びそうだね。

「ダニーロさんが南の魔女さまから風魔法を使ったパンのスライスを教えてもらってたけど、私もできるかな?」

 え、なになに?魔法でキュウリのスライスやるの?

「オン!オン!(やる!やらせて!)」

「え、何?シルヴァンやってみるの?」

 あれ、やってみたい!

「んじゃまず1本。ここに置くよ」

 わーい!んしょ!えーっと、リエちゃん、キュウリ斜め輪切りにしてたよね。うっし、小さい風の丸鋸がいっぱいある感じでー、対象はキュウリのみ!えい!

 できた!

「凄い!シルヴァン凄いよ!流石風属性持ち!」

 えっへん!任せて!切るものどんどん持ってきていいよ!

 ハムね!任せて!

 あれ?リエちゃん、ボウルに魔法かけてる?

「オン?(何?)」

「あ、この冷蔵魔法?」

「オン!(そう!)」

「空気を冷やすイメージだね。なんとなく肌感覚で10度ぐらいにしてるよ。お、ハム切れたんだね、ありがとう。こっちはバットに入れて冷蔵っと。お、ゆで玉子できたかな」

 へー。温風も冷風も可能ってことか!

 いろいろ出来そう。

 夢が広がリング!

「卵の殻むきは流石にシルヴァンには無理か……。パンを持ってくるから、スライス頼んでいい?」

「オンオン!(切るのは任せて!)」

 卵の殻むきは、要研究ですね!ライフハックがんばらねば!

 お次はパンね、どんとこい!切ったパンは、二枚セットにして崩れない程度の山にしてっと。

 ふおー、リエちゃん玉子の殻むき早や!しかも綺麗!

 ジーッ。

 あれ?ちょっとだけ魔法使ってる?

 卵の中身と殻の間に風流し込んで、剥離してるんだ!

 どんだけー!

 マリ姉が、リエちゃんのこと変て言うの、わかるわー。

 しかも本人、あんまり魔法を使ってる意識なさそうだよね。

 見ている私も意識してみなきゃ、魔法を使ってるかどうか、よくわかんないんだもん。

「シルヴァンも風魔法上手に使いこなしてるよね」

「オン!(うん!)」

 リエちゃんを見習って私も上達しなきゃ!

「さて、卵のペースト作って」

 しかし、すごい量の玉子ペーストだな。

 一般家庭じゃ見ない量だわ。

 リエちゃんの玉子ペーストサンドは甘くないんだよね。

 パセリの風味に、胡椒がちょっとピリッとする大人向けの味なの。

「シルヴァン、このチーズもスライスお願い。ハムサンドの中に入れるから」

「オンオン!(了解!)」

「後はレタスちぎって」

 食物繊維大事!快便には、食物繊維と少しの良質な油!滑りが良くないとね!

「いや、君、関係ないからね?何を食べても」

 きーこーえーなーいー!

「よし!具は出来た。後はパンに挟んで、成形して、紙に包む作業っと。まずバターをクリーム状に撹拌するかな」

 なるほど、塗りやすくするのね。

 リエちゃん、さすがプロ!綺麗に手早くキュウリ並べてる。

「シルヴァン、パンの耳、カットして!」

 ハイハイ、お任せあれ。

 切り落とした耳はどうするんだろう?

「オン?(耳は?)」

「あ、ごめんごめん。このボウルにパンの耳を集めてくれる?これぐらいの長さに切っといていてくれたら、さらに嬉しい」

「オンオン(ホイホイ)」

 耳は、三等分位ね。

 耳切って、三等分して、ボウルにイン!

 サンドを半分にして、こっちに並べて。

 次、耳切って、三等分して、ボウルにイン!

 サンドを半分にして、こっちに並べて……。

 あれ?

 鐘の音?

 もう切るのない?

 終わり?

「やったよ。やったよ!シルヴァン!なんとか出来たよ!お前のおかげだよ〜」

「オンオン!(終了!バンザーイ!)」

 やった。

 やりぬいた。

 ふ、パン屋の小僧なら任せろ!

「何そのドヤ顔?君、魔狼だからね?パン屋の小僧はナイワー」

 うっせ!ヒマジン!

「あー、シルヴァンがダンジョン行ってる間は一人かぁ。大丈夫かなぁ?」

 あ、しまうの手伝います。

 確かにこの量を作るの一人はきつくない?

「キュゥ〜(大丈夫?)」

「ま、最初を乗り切ればなんとかなるでしょ」

 うーん、お客さんが、どれだけ来るか、わかんないもんね。

 でも、アイテムボックスがあるから、廃棄処分はないのが救い?

「さて!一旦片付けてご飯にしますか」

「オン!(ご飯!)」

 わーい!ニラ豚!いっぱい食べるぞー!





今日は重陽の節句ですね。

小学生のころ、学校で大菊の三本仕立てを育てたことがあります。

大人の今こそやる趣味かなぁ?

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