74話 作戦開始
流歌とリレイズの準備が整ってから大体1時間が経過しただろうか。
「それにしても相変わらずあいつは遅いな・・・。」
そんな事をリレイズは思いつつ、流歌と二人でお茶を飲みアランを待っていた。
すると、アランの部屋の扉が開く音がした。
「待たせたな。こっちも準備完了だ。」
「いつもより少し遅かったな、何か特別な準備をしていたのか?」
リレイズの問いにアランは小さく笑うと
「なに、こんな時くらい使いたい道具もあるからな。それにこの作戦は確実に戦闘が起こる・・・このくらい準備しといた方が良いって事だ。」
しかし、流歌だけはこのアランの身なりに疑問を抱いていた。
(これだけ時間を使って、さっきまでと変わった点は少ないな。)
そう、流歌と会った時とほぼ変わりのない服だ。
荷物も少ないように見える。
「お、なんだか腑に落ちない顔をしてるな。」
そんな流歌の表情にアランは気付いた。
「いや、あまり変わった箇所が見当たらなかったからな。」
「あーそうか。これだ、これ。」
アランは流歌に首につけているネックレスを見せた。
「それは?」
「これは"業師の首輪"って道具だ。荷物の収納ができる。まぁ重量は100キロまでだがな。」
「まさか"神器"か?」
「その一つ位は下がる。名称は"帝器"って言うんだが、それでも喉から手が出るほど欲しがる奴は大勢いる。」
(なるほど・・・俺が持っている物の一つ下って感じか。)
流歌が身に付けているのは"女神の指輪"である。
重量制限は無く、間違い無く最高の一品だろう。
そしてもう一つの神器・・・リルンとギルから受け取った"精霊の灯火"
これについては流歌もまだ分かっていない部分があった。
いつでも、どこでも火が着くという事は知っているのだが・・・それだけで神器と言われないのではないか、何か他にも使い方があるのではないか。と流歌は考えている。
「まぁ、俺が持っていく道具はほぼこの首輪に入ってるってことだ。」
「なるほどな。納得した。」
「それと、リレイズとルカに渡しておく物がある。これを必ず持っていてくれ。」
アランは二人に小さな指輪を投げ渡した。
「その指輪をどっかにはめておくか、無くさないように持っておけ。これで各自居場所が大体感じれる様になれる。」
「これも"帝器"ってやつか?」
「その通り。ついでに3つしか無かったから大事にしろよ。」
一体このアランという男はいくつ"帝器"を持っているのかという疑問が出てくるが、あえて流歌はそれを口にしなかった。
「よし、準備はいいか?大体の流れはさっき話した通りだ。それと無茶な戦闘は避けるようにしていくぞ。」
「「ああ。」」
リレイズと流歌、そしてアランの作戦が決行される。




