72話 思い切った作戦
「悪かった、アラン。」
「別に気にしていない。だがさっきの案は何も解決しないだろう・・・むしろ統一出来る者がいなくなるという事は国民にも悪影響だ。」
落ち着きを取り戻したリレイズは真剣な表情でアランの話しを聞いていく。
流歌も同じくだ。
「それともう一つ・・・それは"黒の種族"を倒す事だ。そうすればもしかしたら王の意思を取り戻せるかもしれない。ただ、本当に操られているのかどうか、それの確証が得られない今、確かめて行くしかないだろうな。」
「アラン、"黒の種族"について何か知っているのか?」
「ああ、お前がいない間に俺も国王の城へ何度か潜入していたんだが・・以前とは違い警備が厳しいな。それと、城の中で黒の種族と思わしき奴らを3人程見た。」
「城の中にだと?」
「ああ、黒のフードを被っていて表情は見えなかったが・・・。話の内容を途切れ途切れだ。」
「何て言っていた?」
「ふむ・・・聞こえた単語は少ないぞ。"マインド"、"闇魔法"、"戦争"これくらいだな、途中で俺もバレそうになったから引き返したが。」
「そうか・・・ただ、城の中にいるという事は王に何かをしたという事だな。本来だったら有り得ない話だ。」
「一つ聞くが・・・お前の言う案ってのはその2つか?」
ここで流歌が割ってはいる。
「いや、3つ目がある。これで最後だが・・・。」
「聞かせてくれ。」
「力のある者達で城へ潜入する。その場合"神使"や"黒の種族"との戦闘が考えられるからだ。だが、王さえ捕らえられれば何か話を聞けるかもしれない。」
「ふむ・・・一番戦闘の危険性はあるが、それが手っ取り早いな。」
「だがせいぜい潜入の際に連れていけるのは5人までだ、それ以上の行動は目立つ。」
「俺達三人だとどうなる?」
「城には"神使"が何人もいる、それをたったの三人で破るのは難しいだろうな。せめて、囮がいればラクになるのだが・・・。数分も持たないだろう。」
「他に仲間はいないのか?」
この流歌の質問にリレイズとアランは苦い顔をする。
その表情に何かを察した流歌は納得した。
「その牢獄に捕まっているって訳か・・。」
「その通りだ・・・。」
「ならば話は早いな。」
「何かいい方法があるのか?」
リレイズの問いに、流歌は一つの作戦を立てた。
この作戦を聞いた二人は驚いたが、それでもこのまま三人で城へ潜入するよりかは良いかもしれない、と思うのであった。
無茶な作戦であるが、流歌が出した答えは・・・・
「まずは城へ行かずに、牢獄にいるお前らの仲間達を救出だ。騒ぎに応じてそのまま仲間を引き連れて城へ乗り込めば良い。」
流歌はニヤリとしながらそう言い放った。




