69話 到着
洞窟に着いた二人は早速食事を始めた。
「ほう、これは美味しいな。」
流歌が食べたのはリレイズが持っていた小ぶりな肉だ。
潜入するという際に美味しい食事を取れると思っていなかった流歌は正直感心していた。
「その肉はフレッシュバードと言う鳥の肉だ。さっぱりとした味わいで、塩をまぶして焼くだけで済むからな簡単だ。それとこれは人族が好んで食べる白豆を潰して練り、小さくしていった"豆米"という物だ。」
(米だと!)
流歌がこの世界に来て、密かに待ち望んでいた米である。
たまには故郷の料理を食べたいと思っていたのだ。
その米を流歌は口に運んでいく。
「ん・・・美味しいが・・・。」
「何か変だったか?」
「いや、なんでもない。」
流歌は元の世界にいた頃の米と味も感触もどこか違っていて、残念がっていた。
それでも美味しいとは思っているのだが。
「それで、これからどうするんだ?」
「ああ、まずはあの警備隊がどこかに行くまで少し待つ。多分向かっている最中にこのような事が起きるだろうが、こういった場所で身を隠してやり過ごしていく・・それを繰り返していくつもりだ。」
「結構時間はかかりそうだな。」
「まぁ厄介事になって、さらに警備を強化させるよりかはマシだと思うんだがな。」
「たしかにな・・・。」
食事が終わり、二人はこれからの行動を見直していく。
「だが、ここまできたからには少しくらいの攻撃は大丈夫だろう。目的地まであと少しだしな。」
そして、リレイズは刀を手入れしていく。
「・・・やる気なのか?」
「・・・ああ。」
(こいつは同族と戦う気だな。)
「っふ、同じ種族の者を切る事になるかもしれないとは・・・国を思っての事だが、少し気が重いな。」
「だろうな。」
「ルカ、お前には悪いが血を見る事になるかもしれない。しかし、お前が無理に戦う必要は無い・・・いざとなったら逃げてくれ。」
「ここまで来たんだ、それに俺も人族の国には興味があるしな。」
「変わった奴だな・・・戦う事になっても逃げたりしない。お前がこの国にいてくれたらな。」
「俺にもやる事がある、ここだけに留まる訳には行かないんだ。」
「そうだな、悪い。」
流歌は逃げたりしない。
それを改めて確認できてリレイズは満足気な表情になった。
「さて、そろそろ行くか。」
「ああ。」
二人は洞窟から出て、さらに国の方向へ向かっていった。
道中、やはり警備隊を何度も見かけるがうまくやり過ごしていく。
そしてとうとう・・・二人は目的地にたどり着いた。




