5話 夢の中へ
ニーユウスと話し、この世界についてのことを知った。
まず聞いた話をまとめてみると、間違い無くここは異世界だということが理解でいた。
今俺がいるところ・・・それは【オールフラン】という世界。
長耳族、通称エルフが住む大陸と言われている【アルデイン大陸】
そして他に3つの大陸が存在し、人族が住む【リグス大陸】
魔族が住む【マグガディア大陸】
獣族が住む【ジニアス大陸】
主な大陸はこの4つである。
そして言語だが、統一されているとのことだった。
全く別の種族で同じ言語というのは不思議ではあるが、何百年も昔からそうだったらしい。
しかし、その言語を知らない流歌がエルフ族と会話し理解が出来た。
これについては原因は分からないそうだが、流歌の憶測では「異世界人という特殊な立場にあるからではないのか?」という結論に至った。
流歌の発する言葉は、この世界で使われている言語に自動的になっていると、ニーユウスは言っていた。
そして俺はこのアルデイン大陸・・・ニーユウスの配慮でエルフの里でしばらくの間、厄介になることになった。
里にある旅館に案内をしてもらい横になり、今日の出来事を思い出していた。
(・・・結局、なぜこの世界にきたっていうのは分からなかった。でも、どうすれば良い?)
どの種族にも力や能力があり、旅に出る者も多いとのことだった。
魔物からはぎ取れる皮や材料には高値で取引できる事もあるらしく、それで生計を立てている者もいる。
(たしかに、力や能力があれば俺も旅に出て元の世界に戻る方法を探すことができるんだけどな・・・。)
そう、流歌には何も無かった。
魔物と呼ばれるモンスターと戦う術を知らない。
「・・・普通の人間に魔法なんて使えるかよ・・・。」
そう呟いて、流歌は意識を落としていった。