48話 襲撃
この獣族の大陸・・・ジニアス大陸に来てからはや一ヶ月。
その間にも流歌は自身の力の強化、そしてこの世界の情報などに時間を費やしていた。
この大陸には、種類は少ないが本もありその種族の力の使い方や魔物の事などわかってきていた。
「ルカ様、お食事の用意ができました。」
リルンとの関係にも慣れてきて、最初のように緊張する事もなくなってきていた。
主に緊張しているのはリルンの方だが。
「・・・ここにきてから大体一ヶ月ってとこか、そろそろ頃合だな。」
「ルカ様は出て行かれるんですか?」
「ああ。また少し旅をしていくつもりだ。」
「・・・そうですか・・・寂しくなりますね・・・。」
この一ヶ月、色々な事があった。
街を見ているとあのコロシアムの観戦者が追いかけてきたり、なぜか獣王の娘のアリシアがチラチラと偵察に来たり・・・
何かと騒がしい期間だった。
(一人で"白器"の練習をしている時間が一番落ち着いていたな・・・。)
「ル、ルカ様。」
「何だ?」
「ここを出たら、次はどちらまで行かれるのでしょうか?」
「・・・人族の大陸、リグス大陸へと向かうつもりだ。」
「リグス大陸ですか!?しかも戦争がもうすぐ始まるというお話も聞きますし・・・。」
「そうだな・・・確かに危ないとは思うが、俺も力をつけてきた。自分の身くらいは守れるだろう。」
(それに・・・もし人族や魔族の大陸に元の世界に戻るヒントがあるとしたら、無くなる前に探し出しておきたしな。)
流歌は思っているのは人族・魔族の大陸に何かしらのヒントがあるのではないか、という事だ。
もし戦争が始まってしまえばそのヒントが戦いによって無くなったり、物だったら壊れたりしてしまうのだろうか、という心配があった。
長耳族、獣族の大陸には特にこれといった物も見つからなかったのだ。
あの白い部屋の少女・・・シロの言葉の真意もまだ分からないままだ。
"大陸を1つにすること"この意味が不明だ。
(大陸・・・世界・・・この"白器"という力・・・よく分からない事ばかりだ。)
その時、流歌達のいる小屋に慌ただしくギルが入ってきた。
「ハァハァ・・・ル、ルカ!大変なんだ、すぐ来てくれ!!」
ギルの様子が普段と違っていた。
「何かあったのか?」
「コロシアムに・・・黒い変な奴らが現れたんだ!!このままだとケルベロスみたいな化物が檻から開放されてばいや事になる!!」
その言葉を聞いて、すぐさま流歌は小屋を出て行った。
・・・"黒い変な奴ら"
(まさか・・・黒の種族のやつらか?)
大急ぎで流歌・ギル・リルンはコロシアムへと向かっていった。




