24話 信頼と決意
まだ混乱している頭で流歌は考えていた。
わざわざ神が流歌を呼び出し、この力を受け継がせた。
あのシロは言っていた。
"この大陸を一つにすることが願い"と。
(確かあいつの願いを叶えてやれば俺は帰れると思う、って言ってたが・・・何をしていいかさっぱり分からないな・・・。)
そうして、流歌はもう一度紙を読む事にしたが
「なっ、紙が・・!」
その紙は一瞬にして灰になり消えてしまった。
「はぁ・・・せっかく何かヒントがあると思ったんだけどな・・・。」
「そうですね・・・しかしあの紙はもしかしたら私の目のような物だったかもしれませんね。」
「ニーユウスの目?」
「ええ、真実をみる目です。あの紙はそれに似た類の物で、その者の魔力を通せば知りたい事を映し出してくれる紙だったのかもしれませんね。」
「そんな物があるのか?」
「私のこの目があるから、他に似たような物があっても不思議ではないかと・・・。」
「それもそうだな・・・。そういえばその目ってのは生まれつきなのか?」
「私は生まれつきです。エルフの頂点に君臨する者が受け継いでいっていると伝説にありました。だから私が死ねば誰かが代わりにこの目を扱えるようになります。それは生まれてくる者なのか、それとも既に生きている者の誰かなのか・・・それはその時になってみないと分かりませんね。」
「伝説か・・・だが実際その目を受け継いだ者がこの大陸の王になるんだろ?」
「ええ、そうですよ。これに関しては大昔からの事なので・・・掟みたいなものですよ。・・・不思議な現象ですが、未だかつてこの目を受け継がれなかった事はありませんでしたし。」
「そうか。」
そんな話をしていると、リンが部屋に入ってきた。
「姉さん、ルカ。ご飯ができたわよ。」
「よし、食べるか。」
「ふふっ、そうですね。リンも張り切っていましたし、暖かいうちに早速召し上がりましょう。」
「べ、別に張り切ってなんか・・・ないし・・・。」
流歌は二人よりも早く食事が用意されている部屋に移動していた。
「はやっ!」
「ここ最近訓練や本を読むばかりで中々お相手してくれませんでしたからね・・・それにルカ様自身も少し疲れていたのでしょう。」
「まぁ、あの成長ぶりには正直驚いたけどね・・・。」
「リン。」
「なに?」
「あと少しでルカ様は旅に出ます。・・・こっちには戻ってこれないかもしれません。いえ・・・この世界にです。」
「・・・・。」
「だからせめて、この里を出る最後までルカ様には充分におもてなしをしてあげてください。あの方に好意を抱いてるのはもう分かりますよ?」
「姉さん・・・。」
リンは続けて・・・そしてはっきりとした口調で話した。
「ルカは、戻ってくるって言ったわ。だから私はそれを信じる。きっと帰ってくるわ。」
それを聞いたニーユウスは頬を緩め、優しい目でリンに言った。
「リンのその言葉を聞いて安心しました。あの人は帰ってくると言った。ならば私たちはそれを信じて待ってましょう。」
「うん!」
隣の部屋にいる流歌も、フッと少し頬を緩めていた。
(まったく・・・あいつは声が大きい。だが・・・これは絶対に帰ってこないといけなくなったな。)
流歌はもう一つ決心をした。
絶対にこの里に帰ってくると。




