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それぞれの朝の、終わり
重くて…あたたかい…
これは…自分が現れたときの…感覚に…似ている。
シュウは意識がふっと浮上していくのがわかった。
ああ、寝てしまっていたんだ。それもかなり深く、久しぶりに。
うっすらと目を開けると、そこには朝の空と舞い散る花びら。
頭はすっきりしている。そして身体が軽い。
なのに足だけが重くて、暖かい。
足下に目を落として、
「‥」
思わず苦笑する。
シュウの足を枕にして、夏樹と由利香が惰眠をむさぼっていた。
由利香などは、ご丁寧にキャンプで使うようなシートまで敷いている。
2人とも極上の夢をみているらしく、とても良い寝顔だ。
「ほんとうに、あなたたちは…」
シュウは久しぶりに感じた生命の重みに、心まで温かくなりながら、さて、どうやってこの2人を起こそうかと思案にふけっていくのだった。