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終演 その3

一人中に突入するヒロミ。それを追う隼人、美香、スレイター。血清弾を両手に次々と変死体を撃ち落とす。





[待て!ヒロミちゃん!一人では危ない。止まるんだ!][抑えろ!隼人さん!彼女に冷静な判断は出来ない!][2手に分かれましょう。一人は長官を探すの。私が行くわ。隼人さん。先生。後は頼むわ]




[待ちなさい!美香さん。まったくもー][どうした?スレイター][美香さんが長官を探しに………][ナンダト!安否もわからないんだぞ]





その頃、警視長官はロッカーに隠れていた。



[ヤレヤレ。勢いで出たは良いがコリャたまらん。血清弾の残りも少ない。ここが潮時か。しょうがない。来やがれ!バケモン!]更衣室のロッカーから勢い良く出る長官。





[来やがれ!俺はここだ!]変死体の群が長官に気づく。グロロロッ………





[あっちだ!1つ上の階で声が聞こえた!微かに]美香は階段をかけ上がり長官を捜す。




[チッ………弾切れか。ここまでだな]床に大の字になりどこからでも来いと、覚悟を決める。[すまんな。後の始末は頼んだぞ。その為に預けたんだ警察手帳を。わかっているな]変死体の群に囲まれる長官。





[危ない!伏せて!]



ズガガガガガッ!




変死体が飛び散る。[長官ですよね?お怪我は?][君は?……………バケモンか?][失礼ね!そう見える?ここの生徒です!助けに来ましたよ。補給です。弾切れですよね][そうか。君か?あの倉庫から来たんだな。連中の。田所君はどうした?][向こうで血清弾を量産してます][そうか。助かったんだな。良かった]





[美香さん。大丈夫か?][エエ。ヒロミちゃんは?][リタイアした。ガンナーズハイでな。銃器を取り上げて控えさせたさ][君達、三人か?救助は。民間人、三人か?][エエ。行きましょう。レドガー・クーネスの元に]隼人が手を差し出す。[今、ガンナーズハイと言ったな。一人リタイアしたと。…………すまない。私の身勝手なわがままで民間人を傷つけてしまった…………][初めて見る光景ですからね。まあ奴等の餌食になるよりマシですかね]スレイターがタバコを渡す。[一息つきませんか?隼人さんも。美香さんも]






一方、レドガー・クーネスは監視カメラのモニターを見ていた。[バッ………バカな!昨日の品川駅と同じ現象が!完成したのか?血清が。長年追い求めた私の理想が!][レドガー・クーネス様。次の一手を][ヘリだ!ウイルスをヘリのミサイルにセットしろ!狙うは永田町!日本の中核を我が下部で…………]





[そこまでだ!レドガー・クーネス!アメリカ。ミシガンでの地下生体実験。吉祥寺、品川での貴様らの企み!我々は多くの仲間を失った。貴様だけは許さん!]警視長官が扉を蹴破る。[見張りは何をしている!][アラ?不思議ね。以外と小心者じゃない?張り合いが無いなー]美香が柱に凭れながらレドガー・クーネスを睨む。[スクープなんでな。邪魔するぜ!新聞記者の特権って奴だ。マーしゃーねーわな]隼人がタバコをくわえながら睨む。[返してもらうぞ!大学を!お前がこんな世界を作ったんだ。充分だろもう]





[ギギギギッ………貴様ら!我が計画を!良いか?世の中がいけないのだ!私の理想を、実力を認めようともせん世の中が!][だから変死体を解き放った。ウイルスを!そうか!]スレイターは怒りに燃えていた。[君は確か先生だったね。どうかね?校長の席は。邪魔者は始末してやったぞ][この大学の買収問題。それがコレか!][その通りだとも。私が買収した。人体実験のサンプルが欲しくてな。大学を利用した。ただそれだけだ][許せない!それで何人の人が犠牲になったの!][クックックッ………知らん。理想に犠牲は付き物だ。何かを得る為に人は他人を犠牲にする。違うかね][なんですって!]美香が前に出る。長官が止める。[だいたい合っている。だが、そのやり方が犯罪だ。罪を犯してまで出世する。だから法が必要なのだ。お前らを裁く雷が][で、警視長官。こいつをどうするんだ]




ズバーン!後ろから銃声が聞こえた。四人が振り返るとヒロミがそこにいた。銃器からは煙が出ていた。[キッ…………貴様ー!………ガクッ]





レドガー・クーネスが倒れる。[ヒロミちゃん!何故?][友達が犠牲になりましたからコレぐらい。警視長官。私を確保してください][………隠蔽しよう。私が撃ったと言う事で。内密に。さあ、銃器を渡しなさい]崩れ落ちるヒロミ。[コレが結末か。はかないな。愚かな人間の末路か]隼人は屋上から空を見上げた。[先生。レドガー・クーネスは精神異常者だったの?][今となってはわからんな。例えば精神異常者と言えばヒロミちゃんも含まれる。違う系統だがな][彼女は私が保護するわ。可愛い後輩だもん。良いでしょ?][アー構わないんじゃないか?それにしても俺が校長か。考えた事も無い。平凡な教師らしく生きるさ。さて、再生が大変そうだな][スレイター先生!是非うちに独占取材を。立ち直るまで取材しますから][構わんよ。今回の一件で少し変わったのさ。マスコミも悪く無いなと。さあ、帰ろう]





警察車両がうごめく吉祥寺。四人は歓声に見送られた。




[総理。事態が収拾しました][良かった。だが多くの民間人が犠牲になった。コレで良かったのか?][必ずしも正解はありませんから。人間の行動に。反旗を掲げる生き方もあるでしょうし][………そうか。彼らを呼んでくれ。ここに][わかりました。すぐに連絡を。……………総理。大変です。一人も来ないそうです。しばらく休ませろと…………どうします?][………そうか。勲章はいらんか。…………カッカッカッ………民間の意地か。それも良い]





こうして美香とスレイターの長い四日間は終わった。






CAUTION 3 終演 完結




次回 CAUTION 4 エンドロール

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