みんないい人たちだな〜(^O^) by手遅れな者
まあ、人生でめちゃ久しぶりに叫んでしまったわけなんだが、僕はそのことについてめっちゃ後悔している。何故かって?周りからの視線がめっちゃすごいんだよ。「ママ―あれな―に?」「しっ。見ちゃだめよ。」なんて言われてしまった。僕はそこまでの不審者だっただろうか・・・・だったんだろうな・・・・・・
「大丈夫?バラ色がなんとかとか言っていたけれど、本当に頭が悪くなったんじゃ・・・・」
あ!さっきの髪が赤い人!(※前話参照)なんかめっちゃ失礼なこと言ったな。この人。顔はめっちゃきれいなのに。
「僕の頭はいつもオールウェイズパーフェクトですよ。」
じゃないと名門大学に合格したり、常に一位を取り続けるなんてことはできないからな。.....いつもとオールウェイズって一緒じゃんって突っ込んでよ。辛い......
「それならいいけれど・・・。あ、名前言っていなかったわね。私は、クリスティナ・フェイン。クリスって呼んでね。」
「じゃあ、クリスさんで。僕の名前は、臥龍岡礼央です。気軽にレオって呼んでください。」
クリスさんとのファーストコンタクトは、変な感じになってしまったが、今のでなんとかなっているだろう・・・たぶん。
それは別にいい。もっと重大な問題が今の僕にはある。それは『どうやってここで生活していこう?』だ。
これは由々しき問題であ〜る。だって僕には衣・食・住すべてがない。服は着ているけど・・・・そんなことはどうだっていい。いやマジでどうしよう。ヤバイヤバイ・・・
「ふふ。レオ、今とても困っているわね?主に衣食住で。」
!?嘘だろ?クリスさん人の心読んだのか?僕なんか人の顔見ても、ずっと『何考えてるんだろ?この人』ぐらいの感想しか抱いてこなかったんだが?エスパーなのか?いや、異世界だから魔法で心の中を読んでいるのか?ってか、いまこの気持ちも知られてるってこと!?
「そんな便利な魔法はないわよ。じゃあ、まずは住から見ていきましょうか。このクリスさんに任せなさ〜い。」
クリスお姉さんに任せておけば大丈夫だ〜。魔法使わないで心を読んでいるんだからな。なぜそうわかるのかって?いいかい、美人のお姉さんの言うことは正しいんだよ。
◆
嘘だったわ、美人のお姉さんでも、間違うことはあるんだ。
まずはっきりと申したい。僕は住まいについて、最高級のふかふかベットがついているところとかを望んでいたわけではない。まあ寝れればそれでいいかなとか思っていた。別に欲張ってはいなかった、はずだったんだが・・・・・・・
「廃墟!?」
「廃墟じゃないわよ。ただ自然にできた通気口だったり、時間が入って年季がたった色をしている壁とか、自然が作り出したガラスがない天窓とかがあるけど。これらは直せるでしょ。だから廃墟じゃなくて普通の家よ。」
直せるかどうかで廃墟、廃墟じゃないを決めたら、すべての廃墟が廃墟じゃなくなっちゃうじゃないですか・・・・
「贅沢は言わないけど、もう少しマシなところはないですかね・・・・?」
「まあ、別の方が良かった?他だと、家主が全く掃除をしないから虫とかがめっちゃ湧くゴミ屋敷。住んでいた人が、間違えてモンスターに餌をあげちゃって、めっちゃ大量のモンスターが来るモンスター屋敷があるわよ。あとは、誰の趣味なのか、すべてガラス張りで、プライバシーも何も無い家とかあるけど、そっちのほうが良かったのね!じゃあそっちにしm」
「いえ、この家が良いです。修理すれば住めるなんてものすごい家じゃないですか!」
修理すれば住める家!なんと素晴らしいんだ。ゴミ屋敷ならまだ掃除すれば・・・。いや虫は嫌いだ。なんであいつら、足が六本あるんだよ、それがうじゃうじゃ動くんだよ、虫は。
◆
「じゃあ次は衣。つまり服ね。この家から少し歩けばあるわよ。」
確かにあの廃墟、じゃなかったすごい家は町並みを見てもすごくひどいというわけではなさそうだ。そう、すごい酷いではなく、ただの酷いレベルだろう。町並みに建っている家も色はカラフルだが、それで少し傷とかを誤魔化しているような感じだな。
赤、紫、緑、黒、白、黃、ピンク・・・・・・・・・・・・
だめだ、ずっと見てたら目がチカチカしてきた。
「ふふ。すごくカラフルでしょ。
ボロいのを隠すために色を付け始めたけど、これのお陰か、この街は≪ムルティコル≫って呼ばれるようになったのよ。」
へぇ〜この街にもそんな歴史があるんだな〜。
あれなんか子どもが見てきてるぞ。
「あ!お兄ちゃん、衣食住に困っていて、今服屋に行こうとしてるだろ。」
なんでここの人たちはこんなにも心が読めるんだ?もしや、人の心を勝手に読み取ることができる魔法とかがあるんじゃ・・・・
「そして、魔法使いだろ!変な服着ているやつはみんな魔法使いだからな!」
いきなりヒデェなこの子ども。
「兄ちゃん!俺の肉食っていかねぇかい。美味しく出来てるよ〜。」
ほんのり良いにお〜い。これ絶対うまいやつ〜
「おやじ、一本ください!ちなみに何の肉使っているんですか?」
「肉はエターナルミートで、タレはシャドーソースを使っているよ」
なんかかっけー名前。厨二心がくすぐられるぜ。けっこーうまいな。あえて表現するなら?永遠と影が舌の上でブレイクダンスをしているような味だね。
「あ、服屋についたわよ。おばさん、こんにちは~。」
「あら、クリスちゃんじゃない。悪いけど今日のドラゴンの卵は売り切れちゃったのよ〜」
「ほんとに!?あれ好きなのに〜」
ドラゴン!?いまドラゴンの卵って言わなかったか?なんで服屋にドラゴンの卵があるんだよ。
「あら、お兄ちゃん、今服に困っているだろ。」
服屋にいるんだから当然そうだろ!
「何の服がおすすめなんですか?」
「もうすぐ捨てようと思っている服。」
.......え?
何おすすめされたんだ?もうすぐ捨てる服!?そんなもん売る!?客に!?
「すごいわよ。おばさんの捨てる服はまだいいやつも1%ぐらいでいいやつが入っているから。そして無料でくれるの。じゃあ、私は今日の夕飯の買い物をこの店で買うわね。」
ちょっと待てーい!なんで服屋で食べ物が買えるんだよ。ほんとだ。めっちゃ普通に食べ物おいてある。
「おばちゃん、服屋の前は、八百屋で、八百屋の前は肉屋で、その前は魚屋ってめっちゃいろんなことやってたから品ぞろえが良いのよ!」
普通扱う商品変えるだろ・・・めっちゃお手頃価格〜。コンビニよりコンビニエンスしてんじゃん。
◆
「じゃあ次は食、食べ物ね。」
そうして、僕はクリスさんと一緒にご飯を食べるのであった。
言い訳をさせてほしい。服屋?で「そういやご飯を買うお金ないなー」と言ったら「私と一緒に食べればいいわよ」と言われるがままにこうなってしまったのだ。
この変な色のしたスープ、色に反してめっちゃうまい。虹色ってなんだよ虹色って。
「いや〜、今日はすごく変なことが起きた日だったわね。レオくんがいきなり現れたかと思うと、奇声を発したりした一日だったわよね〜」
奇声は言いすぎだろ・・・・
「そういえば、レオ君。このスープ、おいしい?なんか変な色になったときは、焦っちゃったけれど味は良くなってよかったわよね〜。」
「・・・・」
「どうしたの、急に黙り込んで?」
「どうして、クリスさんは、いきなり現れた僕にこんなにも優しくしてくれるんですか?」
だってこう思うのは当然だ。僕は不審者扱いされてもおかしくないはずなのに・・・・
「なんだ。そんなくだらないことで悩んでいたの?」
くだらないってなんだ!?くだらないって!?
「いい?レオ君は、あの時、発狂したけど、困っていたわよね?
困っている人を助けるのは人として当然の行動。
ましてや、そういう人を助けたいと思うことも自然に湧き出てくる感情よね?
じゃあ、その感情に素直に従って行動しちゃいけない理由なんてどこにあるの?」
「でも、僕が、クリスさんからお金を取ったり、殺してしまうようなやつだったりとか理由は色々あるでしょ!?」
「私が、そんなことも見抜けないような人だと思ったの?」
「っ!!」
今日一日で、クリスさんにはとてもたくさんお世話になった。
出会った人にすぐ衣食住を提供することができる人なんてほんの一握りしかいない。
そんなすごいことができるクリスさんと僕には共通点がある。それは、自信家ということだ。
けれど、明確に違う。僕は今まで勉強というレース、運動というレース、そういうレースがある中で、先頭を走り、後ろを振り返っては、あとから付いてくる人たちをバカにして、その行動の中で自信をつけていっていた。
けれどもクリスさんは、レースの中で後ろの人を常に見て、遅れている人がいたら寄り添って、速く走る方法を教え、一緒に速く走る。その途中で、自信をつけていけるような人だ。
「なんで・・・・・そういう行動ができるんですか?」
「ここ、ムルティコルにいるだけで、その瞬間からみんな家族みたいなものだから!」
「「「「「そうさ俺達みんな家族〜!!」」」」」
なんだ!?町の人達全員いないか!?
「そうそう、レオくんが、何の苦悩を抱えて、何について悩んでいるのかはわからないけれど、レオ君がどんなことをしようと私達は君の味方よ!」
なんか泣きそうだな。本当に温かい、街の人みんないい人達だな・・・・
「あら、レオ君寝ちゃったね。」
「じゃあ皆さん解散でーす。今日はご苦労さまでした〜」
「「「「おつかれっしたー」」」」
説明しよう!
ここムルティコルには奇妙な祭りがあるのだ。その名も「新しく来た人に恩を売り絶対に移住させない祭り」略して、「恩を売りな祭」。まず街の人の一人が、転入者と仲良くなって、夜に感動的な話をする。その後に街の人みんなで、入ってきて、とにかく街の人を感動させようという祭りだ。ちなみに成功率は半分いくかいかないかぐらい。今回はうまく言ったから良かったね!
「へ?そんな成功率がめっちゃ低い祭りで僕の好感度があげられたの?」
この祭り考えたバカは、どこのどいつだぁぁぁーーーー!!!
「ええ。でもね、レオくんに話したことは本当に私が思っていたことで、嘘偽りはないのよ。」
「な・・・・へ・・・・は・・・そ、ういう問題じゃないんだよな〜〜〜」
祭りで、好感度が瀑上がりした人は、強制的に祭りに参加させられるときに真相に気づきます。
哀れな被害者A氏
「いやね。あの祭りでこの街いいじゃん。ってなった自分にも責任はあるかもしれないけど、あの裏切られた感はめっちゃすごかった。けど、怒ろうにも町の人達がいい人たち過ぎて、怒る気が失せちゃうんだよ。次第にこの人たちの良さを伝えたいって思いがどんどん湧き上がっていくんだよね。そうすると、次の祭りはいつかなって気になって気になって、夜しか眠れないんだよ!」
こうしてまた一人また一人とこの街に洗nげふんげふん、適応していくんですよ。