最高から最悪へ~俺の輝かしい未来を返せよ!~
連載は初挑戦です。
よろしくお願いします。m(_ _)m
肌を擦る風がちょー寒い中、この瞬間を今か今かと待ち望んでいる。
僕は、臥龍岡礼央。僕は今まで生きてきた人生の中で一番重要な瞬間にいる。
僕が受験した名門大学の合格掲示だ。
大学の合格の発表なんて、今どきはweb上で出されていたりするけど、そんなのつまらない。家で見て、「合格したぞ―!」なんて叫んでみろ。確実にお隣さんから「うるせー、クソが。」という罵声がとんでくるだけだ。
「っ!」
紙が運ばれてきたぞ。俺の番号は5147番だから・・・・・
5069、5084、5096、50101、5126、5133、50142、5147、5158・・・・・・・
「あった!合っ格したーーーーーー!」
なんて、ラノベの主人公みたいな青春っぽく振る舞っていたが、僕は最初っから自分は合格していると確信していた。発表される前に緊張するのはテストの出来に自信のないものだけだからね。僕はあんなものよゆーのよっちゃん飴だったよ。ん?その自信はどこから来るのかって?
「僕は最初っから選ばれた人間だからね!」
まぁ、僕みたいな人間はな~んでもできるんですよ。嘘だと思う?はい残念!今し方合格した大学にも受かった僕にできないことなんてあるとおもいますかぁ〜?お!お前ガリ勉タイプで、運動できないだろとか思ってるんだろ!残念残念!おれは、勉強もできる超!優秀!なヤツだったでね!
だからこんな一人語りして歩いて、街行く人に変な人を見る目で見られても、なんともおもわないんですよ。ホントだからな!
「ちょっと辛いから、人目のつかない路地裏行こ・・・・・」
くぅ別にいいじゃんか、合格発表の日くらい浮かれても・・・・
なぜだか知らないけど、こんな風に振る舞ってたら、周りから人がどんどん消えていくんだよな。そして、臥龍岡って変な名前だなって言われるんだよな。昔から。なんでなんだろ?僕は自分の思うことをただ正直に話しているだけなのにな・・・・名字は俺が決めたもんじゃないし・・・・・
だが!勉強もスポーツもできた僕ってすごくない。すべて学年トップ。学年二位のやつなんかよりテストは50点位、差をつけていたからな。それも小学生から今日までずっと。そして今日!名門大学受かったから人生勝ち組だー!
「あれ?どこだここ?まさか迷った?この僕が?いや〜ナイナイ。絶対ないはずだ。本当にないはずだ!ないよね!」
※実際に迷っています
だが!この僕にはスマホというとても素晴らしいものがあるのだー!
あれ?ポッケにない。鞄の中にもない・・・・
このご時世、命より重要なスマホ様をなくす人がいるとは・・・・・・俺はその仲間になってしまったのか。今までずっと一位だったのに!?
あ、人がいるぞ!人に聞こう。
「すみません、道に迷ってしまって・・・。ここってどこですかね?」
「◎△$♪×¥○&%#?」
は?何を言って・・・・・・・
「ぐぅううううっっっ!」
情報が直接脳へ叩き込まれるような感じがする。象が頭の上に乗っかってきた痛さといえばわかるだろうか。俺も乗っかられたことはないけれど・・・。あ、痛みが引いてきた。
「何が起きて・・・!?」
空が広い。そして空気がきれいだ。あれ?なんでビルがないんだ?地面もコンクリじゃない!?
代わりと言っては何だが、ラノベに出てくるようなすっごいカラフルな建物が並んでいるんだが!?
「大丈夫?すごく苦しそうにしてたけれど。」
あれ?髪が赤い。染めている感じじゃなくて地毛って感じがめっちゃする。じゃなくて!!
「ここどこですか!!」
「どこって、ファルセイン帝国だけど。」
「ファルセイン帝国?日本じゃなくて?」
「日本ってどこ?ここはファルセイン帝国で間違いないけれど?さっき苦しそうにしてたからそれの影響で頭がおかしくなったんじゃ・・・・」
思わず走り出してしまっていた。
嘘だろ嘘だろ?僕はこれから一流大学に行って一流企業入って、勝ち組人生送るはずだろ?
頬をつねる。痛い。
「これってあれか?異世界転移ってやつ?魔法陣もなにもないから転移ではないから・・・・・
迷って異世界に来たってこと・・・・?」
「返せよーーーーーーーーーー!勝ち組でバラ色の人生ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
短編で「オタク趣味は最強の武器?〜テスト中に推しの絵を描いたら鬼先生が覚醒しだした件〜」も書いてます。もしよかったら、そちらも読んでみてください。