しってる?
無性に怖くなって液晶にずっと向き合ってしまった。
目が痛い。
トイレも行けていない。
トイレに行くと、すでに手紙が投函されていることに気が付いた。
思わずゾッとした。
今度は何が書かれているのか、正直気が気でない。
怖い。
『口が裂けた人』
曖昧だがこれは、おそらく、口裂け女のことを、言っているのだろう、たぶん。
いや、そうであってほしい。
口裂け女はこれ以上なく有名な都市伝説だ。
少し調べるだけですぐにたくさんの情報が出てくる。
調べなくても大体のことはわかっているが、今はパソコンに向かっていないと体が震えてしまいそうだった。
口裂け女は1979年に大きく広まった都市伝説で、一時的に社会問題にもなった。
口元を完全に隠すほどのマスクをした若い女性が、学校帰りの子供に「私、綺麗?」と尋ねてくる。「きれい」と答えると、「……これでも……?」と言いながらマスクを外す。するとその口は耳元まで大きく裂けていた、というもの。「きれいじゃない」と答えると包丁や鋏で斬り殺される。
らしい。
文字を打つのも億劫だ。
しかし、これは本当に、いや。
こわい。
こわい。
こわい。
感想がついている。
投稿した作品に。
感想が。
みたくないみたくないみたくない。
吐きそうだ。
でも、見なければ、
はは
はははは
嗤えてしまう。
感想は、ただのおうえんだった。
そう、応援だ。
なんなんだ、くそ。
おかしいことが続いているせいか、自分もおかしくなってしまったみたいだ。
なんでおれがこんなめに
だれのせいだ
あ、そうか
パソコンの電源が切れた。
同時に、とてもゾッとした。
黒い液晶に映る顔が、わらっていたから。
口が、裂けるほどに。