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見習い勇者と落第魔王の大冒険  作者: 話太郎
第五章 情報
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ギルド

 目当ての場所、ギルドはほどなく、見つかった。

 ケインが言う。

「さすが王都だ、賑やかさが違う、ギルドも立派だ」

 目の前の建物は石造りの堅牢な物で二階建て。大きな敷地に広がる施設はどこかの貴族のちょっとした屋敷のようでもある。

 セルジさんは言う。

「着きましたな、私は所用がありますのでこれで」

 ケインが礼を言う。

「ありがとな、商売の繁盛を願ってるよ」

「では」

 セルジさんは笑顔で手を振ってくれた。

 みんなで軽く会釈し、彼を見送った後、改めてギルドへ向き合う。

 目の前の建物の両開きの扉を開け、中へ。

 構造自体はよくあるギルドだけど、広さが違う。

 ゆったりとした椅子には打合せする冒険者、掲示板の前も広いスペースで混雑もしない。

 窓口も石か石膏のようなカウンターで清潔感がある。

 適当なトコに陣取りをしてケインが言う。

「隊長、どうします?」

「各自情報収集しろ。ケイン、ラルスとローナと窓口へ行け。登録を済ませておけ。セリアは掲示板のチェック、私は聞き込みをする」

「了解」

 みんなで分担する。

 言われた通り、ローナとケインと一緒に窓口へ。

 ケインが言う。

「じゃ、さっそく話を聞くか」

「何かクエスト関連の話しを聞くのかな、勇者さんがやってそうなクエストとか」

「まあそれもいいが、冒険者に関わる全般的な話をしに行くぞ」

 その言葉にローナが聞く。

「雑談みたいな感じ? なんか適当じゃない?」

 だけどケインは反論する。

「そうじゃない、さっき隊長に登録を済ませろって言われただろ、まあ見てろ」

 言いながらカウンターで声を掛ける。

「どーも。少しいいか?」

「はい、なんでしょう?」

 カウンターの女性は笑顔で答えてくれる。

「入国登録と情報収集がしたい」

「では、冒険者登録証を」

 ケインは僕らに言う。

「だってよ、登録証だぞ、見習いども」

「え、あ、うん」

 僕とローナは登録証をカウンターの上へ。すると受け付けの人は言う。

「では確認しますので少々お待ちを」

 受付の人は奥へと消えていく。それを見ながら僕はケインに聞いてみる。

「ケイン、今のは? 入国登録って何かな?」

 するとケインは得意顔で返してくる。

「よく聞いたな見習い。今のはこの国で冒険者やる為の申請だ。昔は各国でギルドで登録しなきゃならなかったが今はギルド同士で繋がりがある。冒険者登録の情報は取得した国から出てて番号の照会するだけでこの国でも冒険者として活動できる」

「それは助かるね」

「でないと、取得した国で高ランクの冒険者なのに、他の国へ行ったら低ランクとかになるだろ」

 ローナも「それは面倒よね」と言うとケインは説明を続けてくれる。

「受けられるクエストとかも変わってくるしな」

 僕は「便利になって嬉しいし、必要な手続きだね」と言うとケインは付け加える。

「窓口への顔見せも出来るしな」

「名を売りたい、って事かな」

「野盗を片付けた王様御墨付きの冒険者だぞ。顔が利けば情報も多く手に入る」

「そういう利点もあるんだ」

「教えてもらえる情報は多いに越した事はないだろ?」

 そう言うケインにローナが言う。

「内緒の秘密情報とかも教えてもらえるかしら」

「仲が良くなれば教えてもらえるかもな 裏クエストとか」

 気になる言葉に僕は聞いてみる。

「裏クエスト?」

「まあ半分冗談だ。一部の冒険者に対して、懇意にしてる商会や魔導士組合とかからギルドを通じて出回る事があるって類の話しさ。普通はそんなの無い」

「だよね」

「大体有っても俺たちは新参だからな」

 でもローナは反論する。

「でも私達は王様が褒めてくれた冒険者なんでしょ? なんだか期待できるわ」

「ははは、まあ期待するだけならタダだからな」

 僕はまとめる。

「どういう事が聞けるかは分からないけど、一生懸命情報を集める努力をしないと駄目だよね」

 そんなやりとりをしてると受付の人が戻ってきた。

「お待たせしました。入国登録は受けました。クエストも出来ますのでどうぞご利用ください」

 その言葉にケインが答える。

「ありがとな。あと、つかぬ事を伺うが、勇者の情報とかあるか?」

「勇者、ですか?」

「ああ、この国に居るんだろ?」

「その事でしたら、メイトさんの事かと」

「メイトって言うのか、出来たらその勇者がどこに居るか知りたいんだ」

「確か少し前は王都に居ましたね、ただ、最近は見てないです」

 僕は先が気になって聞いてしまう。

「その人に会いたくて来たんです。何か情報はありませんか?」

「こちらには見えてないので何かのクエストで出かけてるかもしれませんが…」

「何のクエストを受けてるか分かりませんか?」

「あいにく、挑戦中のクエストなどの個人情報は…」

「あ、そうか…そうですよね」

 ケインは援護してくれる。

「勇者が受けてそうなクエストだけでも知る事ができると助かるんだが、それも駄目か?」

「う~ん…最近王都で禁止されてる商売をしていた野盗壊滅のクエストの情報収集などはありましたが、参加されてもしないようでしたし、野盗は壊滅しましたので、思い当たるクエストは無いですね」

「そうか」

「申し訳ありません」

「いいんだ、気にしないでくれ、あと情報屋が居ると聞いたんだが、聞いた事あるか?

「はい、色々な情報を集めて謝礼と引き換えに有用な事柄をやりとりする方ですね」

「どこに居るか分かるか?」

「酒場の方だと思います、いつも居るかは分かりませんが」

「サンキュ、ありがとな」

 こうしたやりとりをして、僕らはカウンターを離れた。


 席に戻り、みんなと合流する。

 ケインは隊長に言う。

「入国登録は出しました。勇者の情報は収穫なしです。少し前にはここには居たらしんですが」

 セリアが答える。

「クエスト関連の掲示を確認したけどそれらしい物も無いわね~。大きなクエストが出たみたいだけど、勇者が関わるような種族間の争いや魔王軍討伐、みたいなクエストは無いわ~」

 最後に隊長が。

「一部の冒険者が言うには王都を離れたという話だ」

 ケインは言う。

「受付嬢のこの王都では見かけない、という話と一致しますね、勇者が行きそうな場所を探しますか?」

「外へ出るぞ、何か話が聞けるかもしれん。それに」

 僕らを見る。

 ケインが代わりに言う。

「いいかげん仕事ばかりも何ですしね」

「少しぐらいはいいだろう」と言う隊長。

 セリアは笑顔で言う。

「散策ね」

 僕とローナもお互い笑顔で顔を見合わせたあと、心の中で「やったー!」

 と叫んでいるような気分になった。


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