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見習い勇者と落第魔王の大冒険  作者: 話太郎
第四章 嘘吐き少年
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今回のエピローグ

 キーク以外のみんなでオオカミの里を訪れる。

 村長らしき人と、女性が出迎えた。耳が出てた。

 ケインや僕とローナは面識が無いのでお互いに軽く挨拶。女性はシロと言うらしい。

 ひとしきり顛末を話したあと、シロが聞く。

「兄は、兄は無事なんですか?」

 ケインが代表で答える。

「あいつは今サン・テーレに居る」

 村長が尋ねる。

「捕まったのか、薬物の運搬で」

「兄は…兄は帰っては来れないのでしょうか」

 だがケインは言う。

「あ~待て待て、そうじゃないんだ」

 シロは「え?」と問いかける。

「あいつは今回の事を正直に話して、自分が人狼だと告げた。それでだな、俺は提案したんだ。今回の件で、これから国境や王都の検問で犬を採用する。輸入の禁止されてる物や関税の高い物の密輸を防ぐ為だ。そんで犬の訓練には犬の気持ちが分かる奴が良い」

「じゃあ兄は」

「試験採用だ。サン・テーレも今回の野盗には手を焼いていたらしい。アジトの壊滅に協力もしてくれたからな。この村とも友好的な関係を築きたいとさ。これが書簡だ」

 言いながら手紙を村長へ。

「むう」

「一応人間と敵対してはいないんだろ? 王国としては魔族との繋がりを持つ事については一悶着あったみたいだが関係悪化をして無用な衝突をするよりはな」

「休戦協定のようなものか」

「とりあえず干渉しないような協定程度だ。軍や冒険者に敵ではないと通達される。必要があれば出来る分だけの物資のやりとりぐらいはしてもいいとさ」

「良かった、お爺ちゃん、この人たちの提案を受けましょう?」

「お前さんの兄さんはめでたく手に職持ちだ。それも国の配属だぜ。薬も十分買える」

 セリアが付け足す。

「あと、シロちゃん、私の見立てだと貴方の病気はあまり気にする必要はないわ。成長と共に緩解する類のものでお薬飲んでれば良くなるわよ」

「まあ、ありがとうございます!」

 村長は言う。

「ここまでされたら答えるのが義理か。いいだろう、提案を飲もう」

 笑顔になるシロ。

 こうして僕らは事件解決と共にサン・テーレと人狼との橋渡しの役も果たせたのだった。


 サン・テーレに行く前に。

 人狼たちに稽古をつけてもらう僕とローナ。

 村長が言う。

「シロ、そちらの二人のチームに入れ。我ら人狼チームとの闘いの指揮を執り、戦い方の基本を教えるのだ」

 そんな風に言われる。


 林の中を駆ける僕ら。

 僕は掛け声と共に、木剣を振るう。

「やあ!」

 でもその剣はなんなく人狼の牙で防がれ、はじかれてしまう。

 すかさず、シロが蹴りを入れる。

 ガードするも、たまらず後ろへ下がる相手の人狼の人。

 呪文詠唱を終え、ファイアボールを叩きつけるローナ。

 それからシロが言う。

「距離を取るわよ!」

 逃げる僕らにシロは言う。

「そっちは駄目! こっち!」

 指示通りに動くと片方が岩山、片方が川の道へ出る。

「いい? オオカミは群れで戦う生き物。魔族との戦いでも、そういう相手には囲まれないようにする戦法が必要なの。ここなら片方は岩山だし、オオカミは川の中では俊敏さが落ちる。後衛のローナちゃんを庇いながら、相手を個別に対処できるように戦える場所を選びながら応戦するのよ」

 アドバイスを受ける。

 その後、地形を活かした戦い方や剣や魔法の効果的な使い方を言われる。

 オオカミさんとの闘いは僕たちに柔軟な発想の戦法と集団同士の戦術の勉強をさせてもらえたのだった。

 オオカミたちに特訓してもらった僕とローナはまた少しレベルが上がったのだった。


 シロは言う。

「おつかれさま」

 ローナは「具合の方は大丈夫なの?」と気遣う。

「少しぐらいは動かした方が体にいいってセリアさんが」

 僕とローナは笑顔でお礼を言う。

 人狼たちにも挨拶をする。

 村長は言う。

「また何かあれば顔を出すといい」

 そんな挨拶を受けた僕らは人狼たちの住み家をあとにする。

 見送りに手を振り、旅は一路、サン・テーレへ。

 勇者が居るというその王国に、僕は胸が踊る。

 人狼との懸け橋を渡す事ができた僕らは足取りも軽やかにサン・テーレを目指すのだった。


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