三つの分担 その3
サン・テーレについたケインは城門を抜け、町へ。王宮への取次ぎを頼み、兵士の詰め所へ。
兵長が出迎える。
「アルテアの調停官殿か。何か御用で?」
「ケインだ。ちょっとした揉め事の調査をしているんだが、聞きたい事があるんだ」
「なんなりと」
「国境からこの辺りで揉め事を起こすような奴に心当たりはあるか? 牧場で人が切りつけられて、荷馬車が奪われたようなんだ」
「う~ん、左様な質問ですか。魔族との衝突は北方方面が主で、国境との街道沿いではあまり聞きませんな。あるとすれば、少し前までは野党が出ていましたが」
「その辺りは牧場の宿の女将から聞いてる」
「しかし、野党も最近仕事を変えたようで」
「仕事を変えた?」
兵長が気になる事を言い出したのでケインは突っ込んで聞く。兵長は答える。
「ええ、奴らも手を変えてきたって事ですよ」
「まっとうになった訳じゃないのか」
「旨味の多い仕事ですよ。強盗や追い剥ぎは反撃のリスクもある。時には野党にも死人が出る。だから、リスクの少ない仕事に手を出し始めたんですよ」
「それはどんな」
「国で売りさばくんですよ、禁止された品物をね」
ケインは話の続きを聞く。
どうやら事件の手掛かりになりそうだと思いながら、ケインは情報をまとめるのだった。




