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三つの分担 その2
僕とローナは怪我人の面倒を見ていた。
と言っても、特にやる事はない。
僕は言う。
「体とか拭いた方がいいのかな」
「どうかしら。汗とか掻いてる?」
「うん、少し」
手ぬぐいを水に浸し、搾る。
そして額かた頬など、優しく拭く。
すると、男性はやや苦しそうな顔をしながら呻く。
「う、うう…」
「だい、大丈夫ですか?」
ローナは言う。
「うなされてるみたいね」
「まあ、襲われたんだからね、怖かったのかな」
「傷は大丈夫ってセリアが言ってから、気持ちの問題よね」
そんな風に自分を落ち着かせるように会話するけど、男性は苦しそうに呻く。
「う、く、くそ…これは」
僕はローナと顔を見合わせて言う。
「何か喋ってる」
耳をそばだてると男は小さい声を漏らす。
「あま…い、甘い…ぞ」
ローナは言う。
「甘い? 甘いって言ってるの?」
「どういう意味なのかな、何かあって、見通しが甘い、とか甘い考え、とかかな」
「襲われた相手や揉め事に関係あるのかしら」
心配そうにしながら、僕らは男性の看病を続けるのだった。




