水源へ
王都の町へ戻るとちょうど隊長とローナと合流できた。
ケインが隊長とやりとりする。
「そっちはどうでした?」
「何も出なかった。偶然の遭遇の範囲内と捉える要素しかなかった」
その言葉に僕は言う。
「あんまり魔族が出るような場所じゃないみたいだね」
僕の意見を黙って聞く隊長にケインが言う。
「釣り人の遭遇の方ははぐれたスライムですかね、念の為、水は採取しました」
「あとで研究所へ持って行け、もう少し調べてからだ」
隊長の指示に頷きながら、ケインは続ける。
「釣り人の件は問題なさそうですが帰りに寄ったギルドで追加の情報がありました」
ケインは隊長とローナの注目を集めながら言う。
「スライムに対する新たな目撃情報です。2種類のスライムが目撃されて片方は毒持ち、片方は癒しというか体力回復の能力持ちの証言が出たそうです」
「癒しの能力?突然変異か?ここらでは聞かない種類だ」
ローナも言う。
「毒の方はともかく、癒しの方はここらどころか、魔界でも聞かない気がするわ」
「気になるな」
隊長がそう言うのでケインが言う。
「ギルドも騒がしくなってました。スライムが進化して襲ってくる準備ではないかと」
それを聞きながら隊長は尋ねる。
「新種の方の目撃者は?」
「まだ情報を整理中でギルドでも確認が取れていません」
「聞き取りをしたい所だが今は無理か」
そう言いながら隊長は少しだけ思案した後に言う。
「町の外へ出るぞ」
その言葉にローナが聞く。
「何か別の所も調べるの?」
「上流の水源やスライムの住み家を探して確認しておく。スライムたちにはボスのようなまとめ役が居る筈だ」
ケインはやれやれ、と言った感じで「スライムたちが何か企んでるならそこですね」とボヤいた。




