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ちっちゃい妖精さんになりました! 暇なので近くにいた少年についていきます  作者: SHIRA
第3章 回る妖精とよわよわ鍛冶師

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124.出発の日、笑顔を返す

冒険者ギルドの帰り道を、わたしとディルは一緒に鼻歌を歌いながら進む。両親の情報が手に入って上機嫌なディルは、いつもよりちょっぴり子供っぽい。


「ふふーんふふふーん」

「ふーんふふーん」


お互いが違うメロディを奏でているせいで滅茶苦茶だ。


「あっ!」


ディルが突然立ち止まった。振り返って「どうしたの?」と聞くと、ディルはポンッと手を叩いて口を開いた。


「明日ここを発とう!」

「えっと・・・急だね?」

「いやぁ、もうここでやることも無くなったし、長居する必要もないだろ?」


 まぁ~・・・戦争も終わったし、ディルの両親の情報も得られたしね。


「今何時?」

「えーっと・・・15時半・・・だよな?」

「そうだね。偉い偉い!」


よしよしと頭を撫でる・・・暫く撫でてから「子供扱いするな!」と払われた。そのセリフが子供っぽい。


「じゃあ今日は観光がてらにこの国で会った人達にお別れの挨拶をしに行こうか!」

「だな! まずはお城からだ!」


 挨拶は大事だからね。黙って去るなんてありえないもん。


わたし達は後ろ向け後ろして、お城の方へと進行方向を変えた。



コンコンコン・・・


お城の四階にある窓を外から叩く。窓の奥で執務をしていたドルガルド王がわたしに気が付いて、窓を開けてくれた。


ガチャリ


「ソニア様!? どうして窓の外に・・・」

「おじゃましまーす。ディルー! 王様この部屋にいたよ~!」

「今いくー・・・よっと!」


ディルがピョンと四階の部屋の窓までジャンプして入ってきた。


「おじゃましますー・・・あ、初めまして、ソニアの親友のディルです」

「あ、はい。私はオードム王国国王のドルガルドです」


2人がペコリとお辞儀し合う。


「それで、なんの御用でしょうか?」

「いや、特に用はないんだけど、明日ここを発つ予定だから最後に一応挨拶だけでも~・・・って思って!」

「え!? もういなくなっちゃうんですか!?」

「わぉ!?」


王様の後ろからひょっこりと姿を現したのは、メイド長のエリザだった。以前に会った時よりも顔色が良い気がする。


「ぜんぜんお話できませんでした・・・」


エリザの表情は変わらないけど、落ち込んでいるのがハッキリと分かる。


「3日しかお城にいなかったし、エリザも忙しそうだったからね」

「そうですけど・・・」


 うーん。何か元気付けられる方法ないかな~・・・。


「あっ、そうだ。暇な時にでも土の海に行ったらいいよ! 土の妖精にエリザとお話出来るように掛け合うから!」

「本当ですか!嬉しいです! 暇な時に行きますね!・・・いつになるか分かりませんけど」

「忙しいの?」

「それは・・・もう・・・」


エリザがチラッと王様を見る。


「仕方ないだろう、人手が足りないんだ。これから方々に掛け合って応募を出すつもりだが、人材が育つのは当分先だ」

「はい・・・分かっています。ですが、依然と違ってちゃんとお休みを頂けるので、へっちゃらです」


 そっか、それで顔色が良くなったんだね。少しホワイトになったみたいで良かったよ。


「忙しいのは変わらないがな。せめてオードム王国の騎士団長がいれば違ったのだが・・・あいつは雑務が得意だった」

「騎士団長? どっか行ってるの?」

「はい。恐らく闇市場経由でどこかに売られたのだと思います」

「え!? 大変じゃん!」


 吞気にお仕事してる場合じゃないよ!


「あ、いえ、大丈夫なんです。彼に心配なんてするのは無駄ですから・・・それだけタフな奴なんです」

「そうなの?」

「はい。そのうちふらっと戻ってくると思います」


 どんな人なのさ・・・。


コンコン


「すみません。行方不明者と戦死者の一覧を持ってまいりました」


扉の外から男性の真面目な声が聞こえた。


 ・・・そろそろお暇した方がいいかな?


「それじゃあ、わたし達はこれで・・・仕事中にごめんね! また会う機会があれば!」

「はい。この度は戦争を終わらせていただき、本当にありがとうございました」

「また会う機会があれば。ネリィさん達にはもう挨拶しましたが、お元気で、とお伝えしてください」

「うん! じゃあね!」


来た時と同じように窓から外に出て、お城から出る。それから屋台で買い食いをしたり、2人で街をぶらぶらと歩いたり、ちょっとおしゃれなカフェでお茶したりして、宿の近くにあるユータの鍛冶工房に向かった。


「あ、コルト! ここに居たんだ~! 朝から見かけなかったからどこにいるんだろうって思ってたんだよ!」


鍛冶工房でユータと何やら話し込んでいたコルトに、「よっ」と手を挙げて話しかける。


「ソニアさん・・・ユータに色々と鍛冶のことを教えてたんです。もしかしたら、もう会えないかも知れないから」

「え、なんで? いくらコルトの家と距離があるからって別に会えない距離じゃないでしょ?」


 実際にコルトの家があるオードム王国からここまで歩いて来たわけだし。


「違うんだよ。コルト師匠はウィックさん達についていくんだって」


ユータが寂しそうな表情でそう言った。


「え!? コルト海賊になるの!?」

「おお!いいな!」


 ディルは何故か羨ましそうだけど、わたしは反対だよ! あんな脳筋野郎共と一緒にいたら命がいくつあっても足りないよ!


「違う! ソニアさん達がいた村に行こうと思ってるんです! ほら、ジェイクさんの腕を治す為に村に向かうじゃないですか。それに同行させてもらうんです!」

「なんだ~・・・って、くるみ村に移住するってこと!?」

「ソニアさんの村ってくるみ村っていう名前なんですね。はい、移住しようと思ってます」


 おお~・・・なんだろう、なんか嬉しいな。


「ちなみに、どうして移住しようと思ったの?」

「それは・・・その・・・」


コルトが恥ずかしそうにもじもじする。


 告白でもされるんだろうか。・・・んなわけないか。


「ははーん。俺は分かったぞ」

「え、なに? ディル」

「ちょっ・・・ディル!」


ディルがニマニマと皮肉めいた笑顔でコルトを見る。


「このままここに居たら、もうソニアとは会えないかもしれないもんな!」

「なるほど! コルトが村に来てくれたら、確実にまた会えるもんね! それは嬉しいよ!」


 わたしもディルも、旅の目的を達成したらくるみ村に帰るからね。正確にはわたしは緑の森だけど。


「そ、そうです。本当はソニアさんとディルについて行きたかったんですけど、さすがに足手まといだと思いますし、ソニアさん達がいた村には興味もあるので・・・」


 そっかそっか! 今は美味しいパンとクルミの木しかない村だけど、コルトが居てくれたらもっと発展するかもしれないね! 今後が楽しみだよ。


「俺もコルトとまた会えるのは嬉しいよ。でもジイダムさんから許可は貰ったのか? 1人しかいない家族なんだろ?」


 コルトのお兄さんだったよね。そういえば戦場で会えたのかな?


「あ、うん。戦場で会った時にそうしたいって気持ちを伝えたら・・・「俺のことは気にすんな、会いたくなったらこっちから会いに行くさ」って言われた」

「ジイダムさんカッコイイな。俺も今度誰かに言ってみよ」

「わたしがいる前で言わないでね。笑っちゃうから」

「じゃあソニアがいる前で言うか」


 意味が分からないよ・・・。


「あれ? ディル、変わった腕輪付けてるね」


コルトがディルの左腕を凝視する。


「ああ、これか。腕時計って言って時間を知る為の道具なんだってよ」

「へ~・・・ちょっと見せて貰ってもいい?」

「いいぞー」


コルトが腕時計をバラして何やらブツブツと独り言を呟いたり、ユータと難しい話をしたりしてるのを、わたしとディルは腕時計が壊れるんじゃないかとヒヤヒしながら見守ること一時間弱・・・。


「よかった、ちゃんと元通りに戻ってる」

「当たり前だよ。壊すわけないじゃん」


 いきなり分解し始めた時はわたしもヒヤッとしたよ・・・。


「師匠! 短い間だったけど、お世話になりました! いつか師匠にも負けないくらい人の助けになれる鍛冶師になります!」

「ハハハッ、低い目標だね。目指すならもっと上を目指した方がいいよ」

「これ以上は無いですよ」


ユータとお別れして、わたしとディルとコルトは宿に戻った。帰り道で、ディルが「あの村、くるみ村って名前なのか?」とわたしに小さな声で訪ねてきた。


そして翌日・・・。


「もう! 急よ! 出発が急よ! もっとソニアちゃんといたかったわ!」

「わがまま言うなよ! 俺はもう今日出発するって決めたんだ!」


宿の受付の前で騒ぐディルとネリィ。それを暖かい目で見守る海賊三人とコルトとわたし、それからリアンとカーネ。


「それにしても、ネリィ達もくるみ村に行くなんて思わなかったよ!」

「そうね。あたしも迷ったんだけど、お父さんの為に怪我をしたジェイクさんを放って置けないじゃない?」


 ・・・とは言ってるけど、それとは別に下心があるのはお見通しだ。きっと怪我が大した事なくてもついて行ったに違いない。


 ・・・一応、お父さんの意見も聞いてみよう。


「カーネはどう思う?」

「ジェイクさんは誰かのために命を張れる立派な男性だ。俺はいいと思うぞ。さすが娘だ。見る目がある」

「ちょっとお父さん! 変なこと言わないでよ!」


 まさか、家族総出でくるみ村にお引越しとはね。


「ジェイクさんが僕のお兄ちゃんになるのかなぁ」

「こらこら、リアン君もあんまりお姉ちゃんをからかうんじゃないよ。ネリィちゃんも、さすがにこんなに歳が離れたオジサンとなんて嫌でしょう」


ジェイクがそう言いながら優しい笑みでリアンの頭を撫でる。


 ああ、ジェイク・・・ああ! ジェイク!! ネリィの顔見てみ? もう恥ずかしいやら悲しいやらで可哀想なことになってるよ!?


「ジェイクは鈍感だね!」


ペチッ


何故かディルに額を弾かれた。解せない。


「あの、ソニアさん達・・・」


ずっとわたし達を受付越しで見ていたカレンが申し訳なさそうな顔で声を掛けて来た。


「あ! ごめんねカレン。こんなところで騒いじゃって!」


 そりゃ宿の入り口で大人数で騒いでたらいい迷惑だよね。さっさと退けよう。


「カレン。訳アリなわたし達を泊めさせてくれたり、厨房を貸してくれたり、色々とありがとね!」

「いえいえ! とんでもないです! 私こそ妖精様とこうしてお話できてとっても嬉しいです! 一生の思い出にしますね!・・・それから、コルトさんにはたくさんお世話になりました。近隣住民を代表して、ありがとうございました!」


ペコリとお辞儀するカレン。すると、どこに隠れていたのか、近隣住民さん達が二階や外から現れた。


「コルトさんありがとな~!」「お世話になりました~!」「達者でな~」


急に大勢から感謝されたコルトは、アタフタとしているけど、とっても嬉しそうに笑っている。そんなコルトを微笑まし気に見ているカレンが「フフッ」と笑って口を開く。


「実は、昨日ユータからコルトさんがここを離れるって聞いて、皆に声をかけていたんです!」

「そ、それはずるいよぉ・・・」


たくさんのお見送りを後ろに、わたし達は宿を出て、土の海に向かう。土の妖精にお願いして土の海の向こうまでわたしとディルを運んでもらう為だ。他の皆はわたしとディルのお見送りでここまでついてきてくれている。


「昨日ぶりだよ。雷の妖精」

「うん、昨日ぶりだね土の妖精。それから鉄の妖精も」

「最後に挨拶くらいしないとって思ったんだよ。俺はまたお留守番だから」


土の妖精と鉄の妖精が手を繋いで海岸で待ってくれていた。


「あっ、そうだ、土の妖精。ここにエリザっていうメイドさんがたまに来ると思うんだけど、なんか妖精とお話したいみたいだから。来たら付き合ってあげてくれない?」

「メイド? 全然いいよ。どうせ暇だからね」


 よかった。めんどくさいとか言われたらどうしようかと思ったよ。土の妖精は人間が好きじゃないみたいだから。


「それで、私はてっきり運ぶのは雷の妖精とそこの黒髪の少年の二人だけだと思ってたんだけど・・・」


土の妖精がわたしとディルに後ろにいるコルト達を指差す。


「ああ、違うの! 他の皆はお見送りだから気にしないで!」

「そうなんだ。よかったよ。せっかくいい感じの船を考えてきたのに、台無しになるところだったよ」


そう言って土の妖精は、岩で出来た小さな船を出現させた。それが船だと分かるのは、土の海に浮いているからだ。何故か先頭にゴーレムのマヌケな顔がついていて、左右と後ろに手足が付いてる。


 なんていうか・・・カッコイイわけでも可愛いわけでもなく、かと言って気持悪いとかでもない・・・微妙だ。


「どう? 可愛いよ」


ドヤ顔でわたしを見る土の妖精。後ろの鉄の妖精から空気を読めと言わんばかりの圧を感じる。でもわたしは・・・。


「可愛いくは・・・ない!」

「えええええ!?」


わたしは白目を剝いて動かなくなった土の妖精の背中を押して、可愛くない船に一緒に乗り込む。


「ほら、ディルも早く乗って!」

「お、おう・・・」


後ろを振り返ると、鉄の妖精、マイク、ウィック、ジェイク、ネリィ、リアン、カーネ、コルトの顔が見えた。


「また会おうね。雷の妖精」


鉄の妖精が気軽に言った。


「そだね。妖精は長生きなんだもん。そのうちね」


わたしも気軽に返す。


「姉御、ディル、俺達はくるみ村に行ったあとも航海を続けるつもりだ。まぁ若干一名怪しい奴もいるが、運が良ければまた会えるだろうよ!」


マイクが元気に言った。


「うん! 会えたらいいね! それと、ちゃんと計画を建てて航海するんだよ!」

「俺達も旅を続けるからな。どっかで会おう!」


わたしとディルも元気に返す。



「長いようで短かったっすね~、船長も言ってたみたいに、また会える時を楽しみにしてるっすよ。姉御、ディルをよろしくっす。ディルはきっとこれからもっと強くなるだろうっすけど、俺も負けないっすよ!」


ウィックが親指を立てて言った。


「了解です!ウィックも皆をよろしくね!」

「ウィックのお陰でさらに強くなれたんだ。これからも師匠に恥じないように強くなるよ」


わたしとディルも親指を立てて返す。


「姉御、治癒の魔石を使える人を紹介してくれてありがとうございます。それと、ディルの兄貴はあんまりウィックの悪い所を真似しないように」


ジェイクがビシッと人差し指を立てて言った。


「くるみ村のマリちゃんだからね! とっても可愛い女の子だけど、強い女の子でもあるから・・・って何言ってるんだろうわたし・・・とにかく! マリちゃんによろしくね! しっかりと休むんだよ!」

「ああ、とりあえず、寝相の悪さは真似しないようにするよ。ジェイクもウィックの寝相には気をつけてな」


わたしとディルもビシッと人差し指を立てて返す。


「ソニアちゃん・・・ソニアちゃん達が居てくれたお陰であたしはまたこうして家族と一緒にいられるし、新しい家族も・・・ううん! なんでもない! ソニアちゃん! ありがとう! ディルも、言葉にしないと伝わらないことだってあるんだからね! それを忘れないで!」


ネリィが腰に手を当てて言った。


「わたしもネリィのお陰で楽しかったよ! ジェイクのことよろしくね!・・・それと、ディルはちゃんと言葉にして何でも伝えてくれてるよ!」

「俺は俺のペースでいくから気にするな! そっちこそ、くるみ村には可愛いパン屋さんがいるんだからな! 取られても知らないぞ!」


わたしとディルも腰に手を当てて返す。


「ソニアさん、兄貴、今まで楽しかったよ! 次会ったらもっといっぱい遊ぼうね! またね!」


リアンが元気に手を振って言った。


「うん! いっぱい食べていっぱい寝てすくすく育つんだよ! またね!」

「くるみ村にはデンガっていう滅茶苦茶強い人がいるから、鍛えてもらうといいぞ! またな!」


わたしとディルも元気に手を振って返す。


「娘と息子からソニアさんとディル君のことはたくさん聞きました。お世話になったようで・・・心中まがいのことをしようとしていた娘たちを救ってくださり、ありがとうございました。あまりお礼を出来なかったので、今度会った際は何かお礼をさせてください」


カーネが頭を下げながら言った。

 

「あ、いえいえ。こちらこそ娘さんと息子さんを危険な目に合わせてしまい申し訳ないです・・・」

「お礼は別になんでもいいから、出来るだけたくさんネリィとリアンと過ごしてやってくれ」


わたしとディルも頭を下げて返す。


「ソニアさんのお陰で僕は少し強くなれた気がします。くるみ村に行ったらこの経験を活かしてたくさん皆の役に立って成長して、ソニアさんが帰ってくる頃には弱虫は卒業して、強虫になってます! だからソニアさん、絶対に帰って来てくださいね!」


コルトが笑顔で言った。


「コルトはもう弱虫じゃないよ! でも、そうだね。わたしが村に帰る頃にはもっと強くなったコルトが見れるのを楽しみにしてるよ!」

「・・・俺にはなんもないのかよ!」


ディルがビシッとツッコミを入れる。


「ハハハッ、そんなわけないでしょ。ディルのお陰で、僕は大切なことに気が付いたんだ。感謝してるし、友達だと思ってるよ。また会おうね。・・・それと、ソニアさんにあんまり迷惑かけないようにね。ディル」

「結局それかよ!・・・ハァ、まぁ、俺もコルトの事は友達だと思ってるよ。でも、負けないぞ!」

「そうだね。僕も・・・負けない! ディルが村に帰って来た時、僕は強い男になってるから」


ディルとコルトが拳を突合せる。


 なんだかよく分からないけど、男の友情って感じで素敵だね!


「雷の妖精、そろそろ行くよ?」


いつの間にか意識を取り戻していた土の妖精がわたしの肩を叩く。


「じゃあ、皆! またね!」

「またな!」


わたしとディルは笑顔で手を振る。皆も笑顔で手を振って返してくれた。


「雷の妖精、少年、しっかりと掴まっててよ~」

「え?」

「へ?」


ドカーン!!


「ひゃあああああ!」

「うわあああああ!」


わたしとディルと土の妖精を乗せたマヌケなゴーレムの小船は、激しく縦に揺れながら凄い速さで進んでいく。


・・・そして、あっという間に皆の姿は見えなくなった。

読んでくださりありがとうございます。次話は別視点のお話です。

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