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ZAZA記  作者: 埴輪庭
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賞金首


ザザは左手と右手、両手に剣を握り構えた。

2刀流だ。

アリクス王国周辺では二刀流を修めるものは少ない。

警戒する眼前の剣士は、次の瞬間度肝を抜かれる。

なんとザザが片方の剣を分投げたのだ。

剣士の怯みを見逃さず、ザザは低く走りこみ素早くスネ付近を切りつける。

そして痛みでかがみ込んだ剣士の背へ深々と剣を突き刺した。


これぞ外道剣・影斬。

およそ金等級冒険者、【百剣】の2つ名を戴いているものが振るう剣ではない。だがザザは負ければ死ぬような戦いではどんな剣だって振るう。


ザザはゆっくりと背後を振り向いた。

そこには2人組みの賞金首の片割れ、女強盗殺人冒険者がいた。


女はザザの絶対零度の視線を受けるなり、おもむろに上着を脱ぎだした。

要するに体で許せということだ。

ザザは深く頷く。

女は安堵し、更に下に手をつけたところで血を吐く。

ザザの放った剣が女の心の臓を貫いたのだ。


ただ剣を放り投げただけではない。

剣はドリルの如く回転し、女の胸に大きな穴をあけていた。

剣に魔力を伝わらせ回転させる妙技…

これを秘剣・螺旋孔という。


別に必要以上に痛めつけようとしたわけではなく、たださしただけでは心臓を外して余計に苦しませる恐れがあったからだ。

ザザはサディストではない。


ちなみにザザに色仕掛けは通じない。

娼婦のリリスにドはまりしている為だ。



「ようザザ!ん?賞金首か?時化た連中を狙ってるなぁ、もっと大物を狙ったらどうだ?いくつか心当たりが「ランサック。俺は忙しい」…左様け」


ランサックはしょんぼりとしてさっていった。

ランサックは幾人かのお気に入りの冒険者というものがいて、彼らにやたら絡んでいる。

ザザもその1人だ。

だがザザはランサックが別に嫌いではないが、好きでもなかった。

それに忙しいというのも本当だ。

ザザはこれから賞金首のアレを換金し、娼館へいかねばならないのだ。

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