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エピローグ
203X年7月
「おばあちゃん、どう?似合うとる?」
『よう似合うとるよ』そう言われた気がした。
「行ってきます。」
おじいちゃんの横に並んだおばあちゃんの写真に言った。
「晴人、お財布持った?」
「うん。」甚兵衛を着た晴人が答えた。
ここ1ヶ月お手伝いをして貯めたお金が入った財布を大事そうにし首からさげていた。
「よし、パパに声かけて行こうか。」
居間に座って待っていた彼に声を掛けた。
「賢ちゃん、お待たせ。支度できたよ。」
振り向いた賢太は眩しそうに私を見て「綺麗だな晴陽、よう似合うとる。」
私は母の紺色の紫陽花の浴衣を着ていた。
「早う、パパ、ママ。天神祭り始まっとるよ。」
「は~い」