表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/24

唯一無二の存在

2018年9月


 まだまだ残暑が厳しい9月のとある日。

私は再び尾道駅に降り立っていた。

小さな旅行鞄を肩に掛け、2ヶ月前と同じ道のりで祖母の家を目指した。


 今回は荷物をかなり減らし宅急便を利用した。にも関わらず、祖母の家に着く頃には、やはりシャツの色は濃い色に変わっていた。

玄関の呼び鈴を鳴らすと祖母が、笑顔で出てきてくれた。

「いらっしゃい、晴陽ちゃん。ほうじゃぁ『おかえりなさい』じゃったね。」

「おばあちゃん、ただいま。」はにかんだ笑顔で答えた。


 着替えて、天神さんへ急いだ。夏の忘れ物みたいに、蝉が少し鳴いている。

旅路で疲れたはずなのに、何処にこんな力が残っているのかと思うくらい全力で走った。

駆け上がった先には、久しぶりに見る賢太の笑顔があった。

たった数週間なのに、夢でしか逢えなかった恋しい人を目の前にすると胸が熱くなった。

「おかえり、晴陽。」

「ただいま」

もっと近くに感じたくて、もっと現実だと感じたくて、お互いを強く抱きしめた。

賢太の匂いと熱が伝わって、私はずっと心に空いていた穴が埋まっていくのを感じた。私達はきっと唯一無二の存在になれるだろう。さぁ、共に時を重ねよう。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ