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VOICE  作者: らんぷー
3/12

朝子 Side

「おはようございます!」


「おはようございまーす!」


「おはようございます」


「おはようございます!」


AM8時15分


就労支援所 風 のドアを職員が開ける。


外で待っていた利用者達が一気になだれ込んだ。


「森君!昨日片付けないで帰ったでしょ!」

朝子がすかさず声をかけたのは、利用者の 森 大地 28歳。


「えっ?そうだった?俺片付けたと思うけど」


「森君の私が片付けたんだよー!」

そう大きな声で叫んだのは、利用者仲間の早川 菜摘 35歳。

「まじで!?」

「森君、片付けはあなたの課題でしょ?まじめに取り組もうよ〜」

朝子は、大地の正面に立つ。


「はいはーい!」


大地は朝子を避けると、逃げるように階段を駆け上がって行ってしまった。


「もぉ〜……!」


作業所は朝から賑やかだ。




風 は

精神疾患を抱える人が、時給をもらい働きながら、就労に必要なコミュニケーションなどを学ぶ事業所だ。

生活のリズムを整え、メンタルを安定させ、一般就労を目指す。


四宮 朝子 26才


ソーシャルワーカー


半年前から、風の施設長をしている。

前任の青山は、去年開所した新しい作業所の管理者になり、そのタイミングで、朝子が施設長になった。


「おはようございます」


8時半ぎりぎりなのに、ゆっくり入ってきたのは、

去年からここで職業支援員として働いている、相原 智也。


「相原君、もう少し早く来てね。利用者さんにもそう言ってるのに、職員がぎりぎりに出勤じゃ、説得力ないでしょ」


「は〜い…気を付けます…」


智也は、めんどくさそうにそう言うと、ゆっくり階段を上っていく。


「急いで!朝礼始まっちゃう!」


「四宮さん、朝からうるさいっす」



抑揚のない喋り方。


感情のない淡々とした態度。



朝子は大きく ため息をついた



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