14.これが作者として最低限のケジメだ!…最終回…!
普通に書いていたら数十万文字になってしまうのと、その長さを掲載するにはリターンの少ない成績の悪さから打ち切りを決定。しかしエタるのは嫌なので最終回までの大まかな流れをダイジェスト化しました。(たぶん普通に書いてたら、もう緩急あって納得度の高い展開になってかもしれませんが、走り書きレベルのプロットで最終回までの流れを書きます)改造戦士サンダルガーに憧れてたちびっこ読者のみんな!最後の戦いを見逃すな!
≪悪の組織アンジャスダイ編ダイジェスト≫
悪の組織アンジャスダイの快進撃はとまらなかった。
アンジャス総帥の指示で、悪の天才科学者カヤヤンは四獣の遺伝子サンプルからとてつもないモンスターを創造。
世界にはびこる二十の独裁国家を蹴散らし、アンジャス帝国を建国した。
死者は約二百万人におよんだが、絶対神ガーゴリンの息子である神谷シンによって罪なき人々は生き返らされた。
独裁者からの抑圧から解放された国民たちはアンジャス総統を支持。
地底人五千万人もアンジャス帝国へ移住。
帝国の名からは想像もつかない平和な国家がそこにはあった。
しかし、
ヒーローを擁し、悪の組織を壊滅させてきた日本政府のメンツは丸つぶれとなった。
今期のヒーロー、レスキュー戦闘隊イレブンナインズはアンジャス帝国を壊滅させようと進撃するが、ことごとく返り討ちになった。
改造戦士サンダルガーは日本政府からの依頼をうけ、アンジャス帝国に赴き、アンジャス総統、将軍マイジー、悪の天才科学者カヤヤン、推理爆弾のシャーロック家入とワトソン、絶対神ガーゴリンの息子である神谷シンと対峙。
改造戦士サンダルガーは、建物中のスプリンクラーを誤作動させ、水浸しになったところを電気ショックパンチ。
悪の組織アンジャスダイの面々は感電した。
「私は独裁国家をつぶし、二十の国家に平和を齎した。国民は幸福を感じている。私には彼らを守り他国と対等に繋がる術を知っている。すべては世界平和のためだ。それでもこのアンジャス帝国をつぶすのか、サンダルガー」
「僕はバベルタワー中野の住人を連れ戻しにきただけだ」
そういい改造戦士サンダルガーは姿を消した。
翌日、バベルタワー中野には、二階堂舞二、火箸カヤ、シャーロック家入、ワトソン、神谷シンらが自室で目を覚ました。
彼らは感電でここ最近の記憶を失っていたが「アンジャス帝国が全世界を幸福に」とのニュースに、知らず涙を流すものもいた。
◆
≪大魔王メフィパレ編ダイジェスト≫
渦によって東京へとばされてしまった魔王メフィパレ二世を取り戻すべく、大魔王メフィパレ一世はバベルタワー中野ごと魔界へ召還。
それは「渦」とは別の原理の方法で異世界同士を結ぶ方法だった。
バベルタワー中野の面々は、はからずして魔界にてメフィパレ一世と対峙。
勇者イサムや魔法少女らが大魔王を恨む理由を知った絶対神ガーゴリンの息子神谷シンは彼らに同情し「能力」をつかい、彼らの家族および魔族に殺害された罪なき人々を蘇生させる。
だが大魔王の世界征服の野望はとどまることを知らない。これでは生き返らせた命も再び奪われてしまう。
クリーチャーハンターのミデヲン・エマンダロウと改造戦士サンダルガー、勇者イサム、魔法少女、宇宙少女ゆりね、超能力少女安東ナツらが率先し、大魔王を封印一歩手前においつめる。
そのとき魔王メフィパレ二世は記憶を取り戻すが、魔族の残虐行為を客観視し、勇者および魔法少女に謝罪。
ともに父である魔王を封印し、魔界は統治していたエシア大陸の領土を解放。
この異世界において、魔界と人間界、両者の新しい関係がスタートした。
◆
≪宇宙海賊メクソリンダス編ダイジェスト≫
バベルタワー中野の面々がもとの世界に戻るとそこは火の海だった。
世界は、宇宙海賊メクソリンダスによって破壊しつくされていたのだ。
改造戦士サンダルガーらが魔界にいる間、アンジャス帝国と日本の退役ヒーローらが率先して地球を防衛したが、宇宙の攻撃システムを前になす術がなかった。
先の魔界で記憶を取り戻した魔王は、新宿の街を破壊していたメクソリンダスとその一味にすさまじい魔法攻撃。
改造戦士サンダルガーらも魔王に加勢。
膨らみ続ける赤と黄色の爆炎。そこかしこで血煙が立ち昇る。
へし折れた高層ビル。獣に齧り取られたような建物の残骸。ブランドショップが立ち並ぶ靖国通りにはたくさんの車が乗り捨てられ、おどけた表情のアイドル――浮名リホが宣伝する「コプシカ・コーラ」の看板が、列をはみ出した軽自動車の天井へと斜めに突き刺さっていた。アスファルトはそこかしこで亀裂を走らせ、波打ち、破裂した地下排水管の水が噴き出す。
爆音。自衛隊のヘリが墜落し、どこぞで火柱があがった。貪欲な焔はみるみるうちに街を喰らい尽くす。
壊滅状態の新宿。ノートルダム大聖堂を模して建てられた都庁第一本庁舎は、辛うじて踏みとどまっているものの、左右のバランスがおかしく、あちらこちらの窓から黒煙を巻き上げ、逃げ遅れた職員たちが酸素を求め落下してゆく。改造戦士サンダルガーは空中を飛び彼らを救出した。
地獄絵図――そう表現するのに過不足ない光景。
騒々しい地上から離れた虚空に、二つの影があった。大柄なマント姿に二本の鉤角を持つ男と、スーツ姿の青年。
互いに大剣を構え、微動だにしない。双方共に背中を合わせる形で宇宙海賊メクソリンダスの一味に刃を向けている。
「これが記憶を取り戻した我輩の真の力だ。勇者よ」
漆黒のマントをはためかせながらマント姿の男が嗤う。
「おれだって、こんなものじゃないさ」
スーツ姿の青年イサムも笑った。
「お主が望むならば、あの日の決着をつけてもよい」
「寝言をほざくな、魔王」
二人は大剣を水平に構え、間合いを詰める。二人はすでに魔界で和解しイサムの両親も生き返っている。
破壊された新宿は宇宙海賊メクソリンダスによる仕業だった。なんとか持ちこたえていた都庁第一本庁舎が瓦解する爆発音。
「さて、どうする?何を優先する勇者」
魔王と呼ばれた男は剣先を揺らし、勇者に訊ねた。
「もちろん、メクソリンダスを斃すのを優先だ」
両者は宇宙海賊船に突入。
そう。あの日(第四話で)安東ナツが予知夢で見たのはこのシーンだったのだ。勇者と魔王は共闘していた。
宇宙海賊メクソリンダスはアツッガ星人であり、月見里ゆりねを迎えにきたのだが彼女が魔界で戦っている間、暇つぶしに地球人を殺したという。
バベルタワー中野の面々は、全力でメクソリンダスらと戦う。
神谷シンは絶対神ガーゴリンの能力をつかう前に気絶させられた。
ゆりねも葛藤しつつもメクソリンダスと戦った。
メクソリンダスは強かった。
そのとき、メクソリンダスおよび、彼の部下が全員、死亡。
死因は…
二階堂舞二に「ストレスを与えたため」だった。
そう、彼のチート能力「嘘八百」がやっと発動したのだ。
あっけにとられるバベルタワー中野の面々。
そして意識を取り戻した絶対神ガーゴリンの息子、神谷シンは「能力」を発動させ、地球を元に戻そうとするが…
能力が発動しない。
空高く現れたのは「絶対神ガーゴリン」だった。
絶対神に与えられた能力は、絶対神がそれを許さない限り発動しないのだ。
◆
≪絶対神ガーゴリン編≫
絶対神ガーゴリンはいった。
世界は百八つの平行世界からなる。
そして、それらの進化をうながすためにあらゆる災厄を降り注いできたのだ、と。
戦争は発明の母であり、
破滅は進化をもたらす。
絶対神ガーゴリンが、気まぐれで地球人に「能力」を与えたり、日本に悪の組織を勃興させたのも、そのためであったが日本政府はヒーローを配置しことごとく世界は平和に保たれてしまった。
破滅は遠のいてしまった。
そして次は異世界の「渦」
絶対神ガーゴリンは、世界を破滅させるべく異世界同士をつなぐ渦を発生させたが、日本政府は、やはりこれもうまく対応し破滅には至らなかった。
そして今回の宇宙海賊メクソリンダスによる襲撃。
「破滅を迎えた今こそ世界が進化するときだ」
絶対神ガーゴリンはいう。
改造戦士サンダルガーは神に戦いを挑んだ。
叶うはずのない相手に。
満身創痍の改造戦士サンダルガー。
バベルタワー中野の住民も奮戦するが、ことごとく蹴散らされた。
そして改造戦士サンダルガーは、絶対神ガーゴリンを中野区に誘導し、國分にドロドロゼリー砲を発射させた。
物理攻撃は利かなかったが、大魔王さえも封印してしまうダークコフィンを前に神は足止めをくらった。
そして改造戦士サンダルガーは、壊滅状態の中とはいえまだ残されていた世界中の電気を集め、渾身の「電光石火エネルギー弾」を放った。
「これが僕らのつくりだしたエネルギーのすべてだ!!!!全世界の電気ショックだ!!!!」
ビリビリビリビリビリ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ロバート・ボイル、スティーヴン・グレイ、ピーテル・ファン・ミュッセンブルーク、平賀源内、ベンジャミン・フランクリン、ヘンリー・キャヴェンディッシュ、シャルル・ド・クーロン、アレッサンドロ・ボルタ、ハンス・クリスティアン・エルステッド、アンドレ=マリ・アンペール、ニコラ・テスラ、トーマス・エジソン……
偉大な先人たちの積み重ねで人類はすさまじい電力を生み出してきた。その人類の英知の結晶が神の身体を貫いている。
ビリビリビリビリビリ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「なんという威力!!!私が作り出す雷よりも凄まじい!!!これぞ進化だ!!!!
絶対神ガーゴリンは全世界の電気をその身体に喰らい、身を焦がしながら笑った。
「この世界の未来をもう少し遠くから見てみよう…」
絶対神ガーゴリンはその威力に満足し姿を消した。
やがて、神谷シンの能力によって破壊された世界は元に戻った。
だが人々は忘れない。
改造戦士サンダルガーの存在を。バベルタワー中野に住んでいた英雄たちの存在を。
そして一年後。
再び「渦」が現れた。当初の話どおり、異世界人たちとの別れのときがやってきたのだ。
バベルタワー中野に住んでいた異世界人のほとんどが元の世界に戻っていったが、戻らなかったものや、またこの世界に足を運びたいと願う異世界人のためにと二階堂舞二は、最後の「嘘八百」を発動する。
その内容とは――。
「すべての異世界に、自由に行き来できる扉を設置する」
こうして百八つの世界は、互いに交流し発展、繁栄していった。
「こういう進化の方法もあるんですよ、絶対神ガーゴリン。ぼくらは争わずとも友情を深めることで進化していけるんです」
改造戦士サンダルガーこと、霆雷丸の言葉に「そうだな」と空から誰かが答えたような気がした。
ちなみに改造戦士サンダルガーと安東ナツ。勇者イサムと魔法少女エミ。二階堂舞二と火箸カヤはカップル成立したという。
≪完≫
ご愛読ありがとうございました!!実時彰良先生の次回作にご期待ください!!!




