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《陽だまり横丁猫かわら版》

しらゆきにっき!

作者: 藍蜜 紗成

 ボクは白雪(しらゆき)。雪みたく白い猫だよ。

前を歩くのはシマ兄ちゃん。シマシマな猫だ。

しっぽゆらゆら、とびつきたい。

そういえば……。


「ねぇシマ兄ちゃん。 《めでたい》ってなぁに?」


 にんげんが言ってた。


「あ? 幸せな事だな」


「幸せな事って?」


「あー、クロおじみたいなヤツだろ?」


「クロおじちゃん?」


 クロおじちゃんは黒い猫で、いつもお腹いっぱい食べてはお腹を上にして「幸せだぁ~」って言ってる。


 そっかぁ《めでたい》って《お腹いっぱい》って事なんだ。


白雪(しらゆき)、シマ」


「あ! ミケさん!」


 ミケさんはクロおじちゃんのツレアイなんだって。


「ミケさん! ボク《めでたい》わかったよ! クロおじちゃんなの!」


「お~、よくわかったな。 確かにアレはめでてぇな。 何せ頭までめでてぇからな~」


「頭も!」


 クロおじちゃん、頭まで食べ物でいっぱいなんだ……。


 クロおじちゃんを見たら何だかあの頭に魚がバシャッバシャッしてるような気がして、ブァッて毛が立った。 なんか、ヤダ!


 だって頭ないと、バカになっちゃう!

 そういえば、クロおじちゃんはミケさんによくバカって言われてる。


 クロおじちゃん、頭めでたいから……。

 どうしよう、幸せにはなりたいけど。

 お腹いっぱいにはなりたいけど、頭いっぱいはやだぁ。


「どうした?白雪(しらゆき)


「シマ兄ちゃん。 ボク、クロおじちゃんにはなれないみたい。 お腹めでたいのはいいけど、頭めでたいのはやだ」


 ショボンと耳をたらしたら、ミケさんが「なるな、なるな」って笑ってた。


「めでたいのはクロおじだけで十分だ。 めでたいのショーゴーはクロおじにあげとけよ」


「うん! わかった」


 ボクはえらい子猫だからね。 クロおじちゃん好きだからしょうがない。

 でも、たまにはボクのお腹もめでたいにしてもらおう。


 こうしてボクはめでたいをクロおじちゃんにあげたのだった。



 おしまい。




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― 新着の感想 ―
[良い点]  子猫の白雪の、子供らしくも真面目な想像、とても楽しく拝見しました。  お腹が一杯なら幸せ、これは真理だと思います。でも、お腹だけじゃない、それは困りますね(^^;  そんな想像をしてしま…
[良い点] トテモめでたい話でした! 幸せな空気が、漂ってくるようで ああ!このお話の世界にはいってみたい! [一言] 僕!ッてことは男の子だから 男らしい名前でも良かったかな? ミケさんが飲み屋さん…
2015/02/25 18:18 退会済み
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