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VRMMOの錬金術師  作者: 湖上光広
第一章:ダイブイン
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第五十一話:新たな本

誤字報告をしてくださる方々、いつもお手数をかけて申し訳ありません。一応、読み直してから投稿しているのですが、なかなか見つけられません。

どこかに【誤字発見】スキル習得できる場所ないかな~?

*8月15日誤字修正:①アルケの内心「何て漢らしいだリオン隊長」⇒何て漢らしいんだリオン隊長 ②書庫の内部は入り口からでは奥が見えないほど広い⇒あまり広いと書庫として活用できないので、第一書庫の書物はだいたい三百冊程度の本が収められる広さにしました*

ミシェルに教えてもらったのはフェアリーガードの本部、その中に存在する書庫だった。


「本来なら外部を入れてはいけないんだが、あなたには〝フレイムボム″と〝イグナボム″の件があるし、なによりミシェルが〝フェアリーサティファ″を渡している。だから特別に許可しよう」


そう言って、案内してくれたのは三番隊隊長リオンさん。ミシェルはまだ巡回があるため、本部までつきそい、そのままどこかに行った。


「ありがとうございます。 そういえばどうですか、ボムの使い心地は?」


何かあればミシェルを通して連絡が来るはずだが、今まで一度も届いてないので、この機会に聞いておこうと思った。


「問題ない。欲を言えばもう少しいただけると嬉しい」


時折現れては今まで苦労していたタンクゴブリンやメイジゴブリンを効率よく倒せるボムは評判が良く、今では切り札として厳重に保管してあるらしい。でないとすぐに使ってしまい、警備隊としての力が落ちてしまうことを問題視されたからだ。


「確かにそうですね。そこは自分の認識不足でした」

「いや、これは自分たちの問題だからな。 おっと、着いたぞ」


話しているうちに書庫に到着したようだ。


リオン隊長は書庫の扉に手をかざすとその手が薄く青く光り出す。

すると鍵が外れる音が聞こえ、扉が自動的に開く。


「一応、重要な書物もあるから、副隊長以上の魔力を流さないと開かない仕組みになってる」

「そんなところに自分を入れていいんですか?」

「かまわん。何か言われたら俺が保証する」


何て漢らしいんだリオン隊長。どこかの乙女ゲームなら間違になく攻略キャラに出ているだろう。

……頭の中でミシェル×リオンの構造が浮かび、必死で振り払う。くそう、空め! 余計な知識を植え付けやがって!


「それで、【錬金術】関連の本だったな」

「あ、はい。 どこにあるかご存じなのですか?」

「いや、これから調べる」

「調べるってここをですか?」


書庫の内部だが入り口から奥までの両端に本棚が置かれ、そこには隙間が無いほど本が収められており、全部で三百冊程度あるらしい。その中から探すのは一苦労だなと思っていると、リオン隊長は手を一回、続けて三回叩く。すると空中に煙が集まってくる。

やがてそれは一人の女性となった。


「ここの門番と管理をしているファムだ」

「正確にはフェアリーガード情報部門の最高責任者なのです」


エッヘンと胸を張るファムさん。これまで見た中でも最強の胸がより大きく見える。そのせいで「どうやって登場した?」という疑問がどこかに消えてしまった。


「こんなのだが、書庫の情報や探索に関しては右に出る者はいない。この書庫の本全てを覚えている唯一の妖精でもあるからな」


それは確かにすごい。ただのおっぱ……胸が自慢なお姉さんというだけではないようだ。


「今なんか変な感じがしたけど、まあいいや。 それで、何を探しているの?」


ジト目で見られていたがとりあえず本題の【錬金術】関連の本が無いか聞いてみる。


「それならここじゃなくて隣ね。付いてきて」


ファムさんに連れられて隣の部屋に向かう。なおこの書庫、出入り口となる扉は一つしかないが、中には全部で三つの部屋がある。


最初の部屋がいわゆる書庫。基本的に必要な情報はそこでそろう。

二番目の部屋が倉庫。普段必要としない本が収められている。

最後が禁書庫。何があるのかは秘密だそうだ。


「そこには入れるのは総合隊長と情報部責任者のみだ。俺たち隊長たちでも入ることは許されていない」

「となると、俺には全く縁のない場所だな」


フェアリーガードに属していない、さらにはプレイヤーの俺には全く関係ない場所だろうと思っているとなぜかくすくす笑うファムさん。


「どうしました?」

「別に~」


気になる態度だが、倉庫に入るとファムさんは部屋の中央まで進み、俺はリオン隊長に言われて扉の近くにいた。なんでも「巻き込まれるから離れていたほうがいい」とのこと。

その答えはすぐに分かった。


「なに、これ?」


ファムさんが何かを唱えると本たちが一斉に輝きだし、全ての本が空中を舞い始めた。

さらにファムさんの詠唱が続くと次第に空中を舞う本の数が減っていき、やがて数冊の本がファムさんの手に降りてきた。


「はい、これがお探しの本だよ」


渡されたのは全部で三冊。

表紙に金属が描かれた〝職人の心得″。

様々な色のポーションが描かれた〝中級錬金術教本″。

そして表紙に木が描かれているが、題名が読めない本。しかし【錬金術】関連で探してもらったのだから、これも【錬金術】に関係のある本であることは間違いない。


「あとその三つあげるから、返さないでいいよ」

「はい?」


フェアリーガードが保管していた本をもらえるとは思っていなかったが、ファムさんは懇願の目で続ける。


「ここにある本は今のフェアリーガードにおいては『必要無い』と判断された本だから使い道が無いの。だからこっちとしては有効活用してくれると助かるのよ」


そういうことならありがたくいただくとしよう。ぶっちゃけ、今のLvで全部作れるかわからないから、いつ返せるか不明だったし。


「わかりました。喜んで使わせていただきます」

「うん! 大事にしてあげてね」


満面の笑みで喜ぶファムさん。

こうして、俺は新たな本を入手した。

ファムさんが唱えたのは当然魔法ですが、NPC専用設定なので特に情報は書きません。一応補足しておくと、探し物を見つける魔法ですが、あくまで本限定。名付けて【司書魔法】。

なお、作者はBL好きではありませんので、誤解のないように。

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