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VRMMOの錬金術師  作者: 湖上光広
第一章:ダイブイン
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第三十九話:第三段階の障害

*8月19日誤字修正:始めて次のランクアップが⇒初めて次のランクアップが*

CWOにダイブし、アトリエに戻ってきた俺はフレイムボムの調合に専念することにした。


まず、ゴミとして分けた素材を使ってフレイムボムの強化を図る。しかし、ここで新たな問題が発生した。


「〝錬金ポーション″も必要だったな」


魔力石と火薬草はフェアリーガードの奮闘(+嫉妬?)のおかげで十分すぎるほどの量がアトリエには溜め込まれている。

全部収納できるのかと思った量だが、〝聖樹の樹籠″により籠が合計十個置かれただけだ。


〝調合水″でも調合可能だが、できればランクが高いモノを作りたい。だからこそまずは錬金ポーションを大量に作ることにした。


ミシェルにさらなる時間が必要だとコミュを送り、錬金ポーションを調合していく。薬草の採取も警備隊にお願いしようかと思ったがたまには俺も冒険しようと俺自身で採取することにした。

……けして新しい友達を探しに行くわけではない。


…………本当だからな!



って俺は誰に言い訳してるんだ?




もはや誰もいないスプライトを出てすぐのフィールドで採取を始める俺。しばらくしてアイテムポーチが許容量いっぱいになったので、ウィンドウを開き薬草を眺めているとスキル表示が金色に光っているのに気付いた。


「確かこれはランクアップできるスキルがあるってことだよな。まあ【鑑定】以外ありえないだろうけど」


スキルウィンドウを開くと思った通り【鑑定】がランクアップ可能だった。しかも二段階。


「まあ、あんだけやればなぁ」


実は『水仙』で【鑑定】した素材は魔力石と火薬草合わせて1000を超えていた。

おそらくすでにランクアップ出来たのだろうが、あの時は確認する余裕が無いほど忙しかったので、気づかなくてもしょうがないだろう。


さっそくランクアップするが一気に二段階は出来ないのでまずは次のランクにする。


『【識別】:見ただけで名前・種類・ランクが分かる。発動してから十秒ごとにMP‐5』


「なぜ、さっさとランクアップしなかったんだ……」


スキルの説明を見て四つん這いになる。まさしくorzだ。

これがあればもっと早く選別作業が終わっただろう。しかし、そうすると【遊郭『水仙』の主】が取れなかったかもしれないと考えると、何とか立ち直れた。いや、取れないほうがよかったか?


「さて、もう一段階できたよな」


気を取り直し、再びスキルウィンドウを表示し、ランクアップしたばかりの【識別】を選択する。

しかし表示されたのは『ポイントが不足しています』の文字。


「そういえば、ランクアップにポイントが必要なんだっけ」


第三段階のスキルにランクアップするには専用のポイントが必要となる。


ポイントはスキルがランクアップするごとに加算され、一定のポイントが溜まればそれを消費することで初めて次のランクアップが可能となる。

そのため、プレイヤーの中には多数のスキルを同時に活用するプレイヤーもいる。まあ、その分なかなかLvが溜まらないらしいが。


「溜まったポイント3でランクアップ時に消費するポイントは6。ということは必要なポイントは後3か」


スキルによってはレベルを上げにくいモノもあるため、ランクアップでもらえるポイントにはばらつきがある。


なお、CWOでは生産関係のほうが戦闘関連よりも得られるポイントが若干少ない。


これは『生産系は数を多くこなすのでポイントが楽に溜められる。それだと生産系でポイントを荒稼ぎしようとするプレイヤーが出て、生産職のプレイヤーがやる気を無くす可能性がある。それを防ぐため、彼らを保護する意味からポイントを少なくしている』と運営が公式ページで表記している。


このコメントからわかるようにこのCWOは生産職プレイヤーにずいぶん配慮している。でなければサービスクエストの報酬に個人工房を入れないだろう。

訊いた話だとそれ以上のモノを手に入れたプレイヤーもいるらしいし。


そんな運営の恩恵に感謝しながら俺はアトリエに戻る。




「……というわけでポイントを溜めるのに付き合ってもらえないか?」


誤解を招かぬよう説明するが、これを言ったのは俺ではない。目の前に座る努だ。


努も第三段階にランクアップしたいが、俺の【識別】とは違い戦闘関連のスキルは総じてランクアップに必要なポイントが高い。俺の【識別】に必要なのは6に対し、努の【長剣】は16も必要とする。

その分、ランクアップによる恩恵も優れているとβの経験から話す努。

そう言えばランク3になれば個人工房がもらえるんだよな。そう考えると確かにランクアップの恩恵はすごそうだ。


「俺もランクアップしたいから異存はないが、俺が参加してもいいのか?」

「それなら問題ない。 〝アレ″ではなく、今回は純粋に【錬金術】の力を借りたい」

「【錬金術】を?」


詳しく話を聞くとラインたち人族のフィールドには様々な仕掛け(例のイバラの壁のようなモノ)があることが判明し、そのうちの一つが廃屋となった館で『【錬金術】で作られたアイテムを一つ庭に投げ込む』がその館に入れる条件だそうだ。


「しかも発見したギルドメンバーの話だと、庭には宝箱もあって、色からしてレアに相当するらしい」

「まだエリア1の段階でレアか。それは確かに気になるな」


ダンジョンでは有名な宝箱だが、CWOは初心者でもわかりやすいように宝箱も色でランク付けされている。もちろん罠も混じっており、宝箱を開けた⇒トラップ発生=死亡なんて話も良く掲示板で盛り上がっている。


「話は分かった。 協力しよう」

「ホントか! 助かったぜ!」


そうと分かればさっそく行こうということになった。




「さて約束の時間まではまだ時間があるな」


約束の時間は20時。今現在が18時なので2時間時間がある。


その時間を使ってあるモノの調合に挑戦することにした。


保管しておいた魔力石を取り出し、研磨石で少し削る。削るといっても表面の凸凹を平らにする程度だが。


そして錬金釜に入れて混ぜていく。


しばらくして光出し、調合品が完成した。



〝調合石″・【錬金石】戦闘アイテム・UC

錬金釜無しで調合を行うことが可能

効力:D



「やっぱ錬金石と比べると性能低いな」


それでも無いよりはましだろうと〝空洞のストラップ″の空いてる部分に装着する。もしかしたら何かスキルが必要かと思ったが、押し込めるとガチャという音がして固定された。



〝調合石のストラップ″・アクセサリー・UC

【錬金術】で作られた〝調合石″が埋め込まれたストラップ



俺はそれがアクセサリー枠に装備されていることを確認し、人族のエリア『始まりの街』に転移した。




「さて、ラインはどこに……」

「お~い、ここだここ!」


探している相手から声をかけられたのは恥ずかしいが、まあすぐに会えたので良しとしよう。


「待たせたか?」

「いや、少し前に揃ったばかりだから気にするな」


そう言って後ろに立つプレイヤーたちを一瞥する。そこで気づいたのだが、全員人族というわけではなかった。


「会うのは初めてだよな? ここにいるのは俺が作ったギルド“ブレイズ”のメンバーたちだ」

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