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VRMMOの錬金術師  作者: 湖上光広
第三章:希望を照らす想い
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第三十五話:本格的な始まり

こんばんは。おはようございます。こんにちは。

約4か月ぶりですね。なんとか生きてました。

壊れやすいため必要以上の〝シャープクリスタル″を採取した。その際にもう一つ面白い物を見つけたのでそれも採取しておいた。



〝魔水晶″・素材アイテム・UC

魔力を秘めた水晶。込められた魔力によって内部で輝く色が変化する。



何のひねりもないネーミングだが、ここの魔水晶は黄色に光っている。つまり地属性だ。調合予定のアイテムが地属性だからこれほど相性がいいモノはないと思って採取した。

なお赤だと火、青だと水、緑だと風属性の魔力が込められているらしい。これらのことはケインさんが訓練の休憩中に教えてくれた。


「そろそろ十分なのですが、そっちはまだ続きそうですか?」

「お、そうか? ならこれくらいにしておくか」


ケインさんは構えていた剣を鞘に納める。その流れる様は間違いなく凄腕の証だ。

そしてミシェルはその隣でゼィゼィと激しく息をしている。俺としては副隊長なので結構強いイメージのミシェルだったのだが、上には上がいるんだな。





少しぶりに日の光を感じる。里に到着したのが朝方だったのでお昼ぐらいだ。


「しかしミシェル。少し腕が落ちてないか?」

「やはりそうか。最近訓練する相手が減ってな。そろそろ何とかしなければならないか」


ん? 何やら意味深な言葉が聞こえてきたぞ。


「ミシェル、訓練が減ったのってもしかしてフレイムボムのせいなのか?」

「……思ったより鋭いな。確かにフレイムボムの力に頼っている隊員が増えているのは事実だ。だが、それ以上に俺とまともに訓練できる相手が隊長たちくらいしかいないからな。それぞれ任務があるからそう簡単に相手を頼めないってことだ」


あ~、なるほど。やっぱりミシェルって強い部類だったんだな。しかし、訓練相手か……


「なあ、それって妖精族である必要あるか?」

「どういうことだ?」

「俺の知り合いの客人たちでもいいかって意味だ」


ラインとかエルジュとかなら問題ないだろう。最初の魔族襲来の時に会ってるし。それに強い相手がいるって知ればあの二人は断らないと思うし。


「ふむ、それは面白そうだな。こっちが知らない戦術を教わることもできるし、なにより若い隊員たちにはいい刺激になりそうだ。ぜひ、お願いできるか?」

「了解。後で訊いてみるよ」

「面白そうな話だが、私には無理だな。この里からは出られない」


さすが森を守護する一族。やはり里からは出られないのか。





しばらく歩いてドリアードの皆さんと話しているエイミさんを見つけ、夜近くまで話し込み、ようやく里から出ることにする。


「今後はもう少し定期的に帰ってきなよ」

「ああ、わかってるよ」


右はミシェルと年配の女性、もといミシェルの母親。わかってはいたが、教えてもらった年齢と見た目がまったく一致しない。


「今度は本当の彼氏と来なよ」

「は、はぃ……」


左はエイミさんと最初に会ったドリアードの女性。またその話というか、どの種族に関わらず女性って恋愛関係は好きだねー。


「また来いよ! 今度はゆっくり異世界の話を聞かせてくれ」

「俺も頼むぜ! せっかくだから向こうの食物の話が聞きたいな」

「それいいわね。たまには珍しい物も育ててみたいし」


そしてなぜかドリアードの皆さんに囲まれている俺。普段から里にばかりいるので外の世界、特に異世界には興味津々だ。

そのため俺の〝フェアリーサティファ″の表面には新たに紋章が描かれている。これはドリアードの紋章でこれによってあの大木の結界を抜けることができるようになった。

……週に一回行くはいいか。他にも有用な素材ありそうだし。






大木を抜けてスプライトに到着。ミシェルとエイミさんはフェアリーガード本部へ、俺はルーチェに戻る。

さっそく手に入れた素材で調合したいが、すでに時間が遅いので明日だな。今日は採取した素材の管理だけで終わりだ。


「ん? ラインから返事が来てるな」


ウィンドウを操作してラインからのメッセージを開く。スプライトに到着してすぐにラインとエルジュにはミシェルとの模擬戦のことをメールで送っておいた。


『話は聞いた。ただ、エリア3のほうが忙しくなったからまた今度頼む』


エリア3が忙しい? そういえばルーナ王女が近隣からも人を集めているって聞いたな。それが集まったからこれから反撃って感じなのかな?


「明日学校で詳しく聞いてみるか」


とりあえず明日はいろいろ忙しくなりそうだ。








翌日のお昼休み。いつもの中庭でいつものメンバー。

ある程度みんなが食べ終えたところで昨日の疑問を訊いてみる。


「ああそうだぜ。早ければ今日にでも王女様が演説すると言われてる」

「そういうことなら私に聞けばよかったのに」


努からは予想通りの回答を。そして空からはツッコミをもらった。うん、空の言う通りだな。


「そうなると本格的にエリアイベントの開始だな」

「ああ、だから余計に忙しくなるぞ」

「そうだね。演説始まったら大変だね」


うんうんと同意してくれる二人。いや後輩三人組も頷いているからここにいる全員共通の認識のようだ。


「……これ気づいてないよな?」

「だろうね。まあ、すぐ気づくからいいと思うよ」

「「「あははは……」」」


そのはずなのになぜか努と空がひそひそ話し始め、後輩三人組が乾いた笑い声を響かせる。

なぜだろう、フラグが立ったような気がする。





放課後になったのでCWOへダイブ。さっそく調合を試そうと思った時、運営から緊急インフォメーションが届いた。


『この度エリアイベント『ルーナ王女の演説』が行われました。ただいまよりエリアイベント〚魔族対戦・王城を奪還せよ!〛が防衛線から反撃戦へと移行します。


それに伴い<貢献度システム>が稼働いたします。これは文字通りエリアイベントにおいてどれだけ貢献したかを数値化したものになります。貢献には魔族の討伐・村や町の復興など様々なものがあり、すべてのプレイヤーが何らかの形で関われるようになっております。


エリア3最初の街フォレスワードの門番に話しかけることでエリアイベント専用アイテム〝戦歴の腕輪″が受け取れ、装備するとステータス画面で自分のポイントを確認できます。〝戦歴の腕輪″はエリアイベント終了後、自動的に回収されます。なお、このアイテムは装備枠ではなく特別枠に装備となっておりますので、ご安心ください。


さらにこのポイントですが、フォレスワードの復興や魔族討伐に関わったプレイヤーには特別ポイントとしてすでに加算されております。そのポイントは門番から〝戦歴の腕輪″を受け取った後、ルーナ王女もしくは側近の兵士に話しかければ受け取れますので、忘れずに受け取ってください。


今後もCWOの世界をお楽しみください』


ふむ、予想通り本格的にエリアイベントが動き出したな。俺も一応は事前にポイントもらえる側なのかな、ルーナ王女様や王様の救出に関わってるから。


そして昼休みにみんなが言ってたことがわかった。


「アルケさん! 急にお客さんが大量に!」

「すごい勢いでアイテムが売れてます!」

「在庫、間に合わなそう」


そりゃ、イベントが本格的に開始されたとなればみんなアイテム買いに来るよね~。あたりまえのことだよね~。


「さて、現実逃避は止めて俺も調合するか」


その後は主にグレンダイム、たまに他の錬金アイテムの調合を繰り返して終わった。閉店時間が迫っても人の波が消えなかったよ。明日もこの調子なのかなぁ……



結局それから三日間は調合⇒補充⇒即販売⇒調合の流れを繰り返した。おかげで素材が尽く寸前まで無くなった。また素材から集めなくてはいけないが、とりあえず新しい調合を試してからにするか。


そして同じく三日目、とうとうルーナ王女率いる解放軍が王城目指して動き始めた。

この後活動報告も書く予定ですが、今後はなんとか週に一度は出せるように執筆をがんばりたいと思います。


もしよろしければ、今後も読んでいただけると嬉しいです。


では、また。

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