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VRMMOの錬金術師  作者: 湖上光広
第三章:希望を照らす想い
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第三十二話:鳥人族エリアの戦闘

誠にお久しぶりです。本当にお待たせして申し訳ありません!

相変わらず嵐の中を進んでいくと右側の嵐の勢いが弱くなっていく。


「気がついたと思いますが、勢いが弱くなるとそこには別のフィールドがあるってことなんです」

「別のフィールドってことは鳥人族の街のように雲の上なのか?」

「そうそう! さすがにずっと飛んでる状態で戦うのは厳しいよ」


栞ちゃん、いやCWOではシオリンか。確かにその通りだ。さすがに飛行を習得して間もない初心者にはハードルが高すぎる。


そういえば要塞華撃団の時はみんな飛びながら戦ってたな。目標はあのレベル……せっかくだから嵐の空へしばらく通って訓練しておこうかな。採取も今回だけで足りるとは思えないし。





さらに先を進んでいくと右側に空洞が現れた。アレがフィールドに続いてるってことか。


「方向転換もできますか?」

「ああ。それはご心配なく」


言葉を証明するように先に進んで曲がると「「「あ!」」」と声が重なる。

どうしたのかな?と思った瞬間、目の前には鳥型のモンスターたち。


「!?」


とっさにアイテムボックスから〝フレイムボム″を三つ取り出して投げる。もはや条件反射的に動けるようになったな~、なんて感動しながら〝フレイムボム″がモンスターに当たるのを見つめる。


そして鳥型のモンスターは翼をはばたかせ、軽やかに〝フレイムボム″をよける。


(しまったー!? 空中なら自由に動けるのかー!?)


「「「〔スピアアロー〕!」」」


驚いて動けない俺の横を三本の光、いや矢が飛んでいき、鳥型のモンスターたちを貫く。


「アルケさんは下がってて!」

「私がアルケさんを守るよ!」

「お願い!」


地面では当然地面を走ったりステップしたりしながら移動して戦闘を行う。

しかし、ここは空中。上下左右あらゆる方向に移動できる。それをうまく活用し、あらゆる方向へと飛びながら隙を見つけて矢を射る。なるほど、鳥人族のプレイヤーが弓をメイン武器にするのはこういう要素もあるからなんだな。


そんなことを考えながら三人の戦闘を見つめる。どうやらそれぞれ役割と言うか自分のポジションのようなものをしっかり把握しているようだ。


まず、スワンが司令塔として二人に指示を出している。それでいて自分も攻撃しているのだからすごいとしか言いようがない。

俺を守ると言っていたシオリンはその言葉通りほぼ動いていない。近づいてきたモンスターに向けて矢を放っている。それもただ矢を放っているだけでなく、その矢は先ほど放った貫通力のある〔スピアアロー〕で、その後ろにいるモンスターにも攻撃が届く。

それによって生み出された隙をリボンが短刀で切り裂いていく。背中に妖精族の羽根が生えていることから【妖精短剣術】だと思うが、そのスピードが速すぎてどう攻撃しているのか全く見えない。もしかしたらリボンなら精霊飛行もマスターできるんじゃないのか?


そうして三人の見事な連携によってノーダメージで鳥型のモンスターは駆逐された。


「みんなすごいな」

「このモンスターは待ち伏せにさえ注意すればそこまで強くないですから」

「そうそう! でもちょっと弱くない?」

「それはそうだよ。私たちも強くなったんだから」


三人は先ほどの戦闘について少しだけ反省会のようなものをしているが、こっちとしては問題点が浮き彫りになってかなり動揺している。


(これまでは動くと言ってもそこまで素早くなかった。しかし、今後のことも考えてさらなる錬金アイテムが必要だな)


これまで作ってきた錬金アイテムはどれも『当たってから発動する』ものだった。外れても地面があるから爆風や吹雪などの範囲攻撃で何とかなってきた。

それが空中では全く意味をなさない。外れたら風に巻き込まれて全く別の方向へと飛ばされてしまう。


(雲の上でも同じようなことが起こる可能性がある。着いたら試しておかないと)




その後はモンスターと遭遇することなく、雲の上に着陸した俺はさっそく試してみた。結果、雲の上でも一応発動したが、このフィールド特有の性質がかなり邪魔となっている。

それが常に風が吹いている点。これにより〝フレイムボム″の爆風が吹き飛ばされてしまうのだ。同様のことは〝レインティア″と〝スノープリズム″でも確認。

〝ライジンディスク″も試してみたが、雲に吸収されて効果を発揮できない。


「これはかなりやっかいだな」

「でも動きに慣れれば当てられますから大丈夫ですよ」


スワンが言うにはエルジュがよくここで最初のころ渡していた〝フレイムボム″を使っていたらしい。曰く「相手の動きを知り、自分の体の使い方もわかるから一石二鳥!」だったらしいが、その時知っていたなら教えてくれよ……






落ち込んでいてもしょうがないので先を進む。モンスターも出現するが、時間短縮のため〝リィムダガー″を装備して〝フレイムボム″を投げつける。先ほど「やっかいだな」と思ったが、当たってしまえばどうとでもなる。


「アルケさんって容赦しないんですね」

「えげつないって言うんじゃないの?」

「シオリン……」


先導してくれている三人からの目線が気になるがスルーして目的の草が生えているエリアを目指す。その場所は小高い丘の上に生えているということだが、飛行能力があるからそこまで時間はかからないらしい。


そしてその丘に到着したわけだが、上空には明らかに大勢のモンスターが優雅に旋回している。


「ナニアレ?」

「あらら、運が悪いですね」

「よりにもよってお祭りの時間帯かー」

「お祭り?」

「普段はあんなにいないんです。それがたくさん集まってるからお祭りのようだって誰かが言いだして広まったんですよ」


へぇ~と思いながら上空を見上げればさっきよりも増えてる気がする。

三人はこれから始まる戦闘に向けて矢を確認している……とあることを思い出す。


(たしかそのまま入れていたはず)


アイテムボックスを確認してアイテムを取り出し、〝リィムダガー″を握って【投擲】を発動させる。


「〔ツイストスロー〕!」


〔ツイストスロー〕は腰をひねりその遠心力も加えて投げる【投擲】スキルの一つ。飛距離はあるが攻撃力は低く、あまり活用されないスキルだが、俺にとっては遠くに投げれるだけで十分に武器になる。

上空へと飛んでいくソレは当然それだけではモンスターに届かないが、注意を向けることくらいはできる。そして予想通りソレに気づいてこっちに向かって突撃してくるモンスターたち。


突然聞こえてきた咆哮に後輩三人は驚いて上を見上げ「「「えぇー!?」」」と悲鳴を上げているが俺は構わず落ちてくるソレをキャッチして再び〔ツイストスロー〕で投げる。

モンスターが落ちてきたこともあり今度は当たるだろう。先頭のモンスターも大きさが手のひらサイズのモノでは自分は倒されないと思ったのか気にすることなくそのまま突撃してきてソレとぶつかる。

瞬間、発動する吹雪。範囲は狭いが後続も同じように突撃してきているので急に止まれずに吹雪の餌食となる。


そのまま氷漬けにされて落下し……てくる前にポリゴン片へと姿を変えた。


「おぉ~、実戦で初めて使ってみたけど、やっぱりすごいなコレ」


すでに手元に出しておいた二つ目の〝フリーズディスピア″をお手玉のように右手でポンポンする。仲間が一方的に倒されているのを見て怯えたのか集まっていたモンスターたちは一目散に散っていった。


「さて、これで安心して上がれるな」

「「「先に一言言ってからやってください(してよ)!!!」」」


ア、ハイ。スミマセンデシタ。

今後ですが、ネタ探しも兼ねて部屋の大掃除をしていたらいくつか懐かしいモノを見つけ、おかげでどう展開するか悩んでいた場面がいくつか解決したので、今回のようにお待たせすることなく、一週間に一話投稿できると思います。

なるべくがんばって前のように水曜日22時に毎週投稿できるよう、努力します。


では、また。

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