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VRMMOの錬金術師  作者: 湖上光広
第三章:希望を照らす想い
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第二十九話:妖精族の飛行(練習編)

今回はなんとか22時に間に合いました。キーボード相変わらず調子悪いからPSVitaも使ったからでしょうけどねw

アリアさんとアリサさんに連れられ、ある広場に到着した。その広場には木の棒がたくさん立っており、それぞれ長さが異なっていて横棒もいくつか付いている。


「ここは?」

「妖精族の子供が飛行を練習する広場のひとつです」


そう言うアリアさんが指す向こうには家族と思われる大人二人と子供が一人いる。その子供は中腰になって必死な表情をしている。すると、ほんの少しだが地面から浮上した。すぐ落ちてしまったが、それを見た両親は子供を大事に抱きかかえている。


「懐かしいね」

「そうね。浮くだけでも苦労したから」


懐かしい気分に浸っている二人には申し訳ないが、正直どういう原理で浮遊しているのか見てるだけでは全く分からない。というわけで、空気を壊すようだけど訊いてみるしかないか。


「ところで、自分は何をすればいいのですか?」

「「あ」」


二人して顔を赤くする。早く意識を取り戻したのはやはりアリアさんだった。


「えっとですね。まずアルケさんには自分の魔力を認識してもらう必要があります」

「自分の魔力?」


この場合の魔力っていうのはMPのことだよな。それを認識するってどういうことだ?


「わかりやすく言うと、私たちが飛べる力の源は魔力なの。魔力を背中の羽根に通して振動させているのよ」


アリサさんは背中を見せて振動している状態を見せてくれた。確かに羽根が振動しているな。でも振動させてもアリサさんが浮く様子は全く見えない。


「アルケさんが感じてる疑問だけど、まず振動させることができるようになってから飛行を覚えていくの」

「振動できるだけではダメなんですか?」

「振動させるだけならすぐにできるようになるけど、そこに飛行魔法を発動させないといけないから」


やっぱり必要なのか飛行魔法。せっかく増えたスキル枠だが、ここで使うことになりそうだ。


「ちなみに、飛行魔法って呼んでるけど実際はそんな魔法無いから」

「……ごめん、理解できない」

「実際は振動させる力を増幅させる力と方向を変化させる力をまとめて飛行魔法って呼んでいるのですよ」


それから説明してくれたことを要約すると、まず羽根を振動させる。その振動させる力とは別に増幅させるための力を発動させるためにさらに魔力が必要で、その魔力を応用させて進行方向を変化させる、ということだ。

……これ、プレイヤーが習得できるのだろうか?




特訓開始として、まずは全ての工程において必要な魔力、俺的にはMPを認識するところからだ。


「そのためにこれを使います」


アリアさんが近づいて叩いたのは広場に無数存在する棒の一本。近づいて分かったが、他が木の棒なのに対し、これは茶色の塗装がされている別の棒みたいだ。触った感じ鉄柱みたいで、他よりも明らかに短いし胴回りが太い。


「これは魔力を感知すると色が変化する材質を使ってます。魔法と違って手のひらを当てて直接魔力を流さなくてはならないので、自らの魔力を操作できないと永遠に変化しません」


つまりは杖のような魔法を発動しやすくする補助具が無いから、頼れるのは自分の魔力だけということだ。最初の段階で壁が高いな~。ただでさえ魔法を使わないから魔力がどういうものなのかわかっていないのに、大丈夫か本当に。


「とりあえず、手のひら当ててみて試してみようよ」


気楽なアリサさんの言うとおり手のひらを当てるも全く変化なし。


「やはり客人の方は魔力を放出できない体質なのでしょうか」

「私たちなら常に魔力が漏れてるからね~」


二人とも棒に近づくだけで少しづつ色が変化している。これは体内で作られる魔力が体内に収まりきらずに漏れているためであり、大人の妖精族なら普通の現象のようだ。

そして手を触れて少し力を入れるとすぐさま色が変化する。アリアさんは緑色、アリサさんは黄色だ。これはそれぞれの得意な属性の色を表しているようで、緑色は回復系、黄色は雷系を表している。


一度やり方を見せてもらったので同じように力を入れてみるも変化なし。そこで考え方を変えてみる。

目を閉じて視界を奪い、よりイメージを鮮明にできるようにする。イメージはタンクだ。自分の体をタンクにたとえ、手のひらを蛇口と想像する。そして力を込める様子を蛇口をひねることと同じことだと無理やり自分に言い聞かせ、その様子をイメージする。


「「おお!」」


二人が驚きの声を上げてくれたのでたぶん成功したのかな?

しかし、仮に成功でもこれだけではさすがに飛ぶには足りないだろう。最低でも自分の体重を浮かせられるくらいの魔力が必要なので、今度は想像中の蛇口から出ていく水の量を増やしていく。


「わぁ、まだ増えてますよ!」

「へぇ~、こんな早くできるなんて意外!」


それに比例されるようにちゃんと色が変わる範囲が増えているようだ。それを確認したくて目を開けると、そこには全く色が変化していない棒が視界に映る。


「あ、あれ?」

「さっきまで色変わってたのに」


二人とも目の前に起こった現象に驚いているようだ。

今度は目を開けたまま同じようにイメージしているが、やはり視界に棒が映っているからか棒に意識が向いてしまい、全く変化しない。もう一度目を閉じて挑戦すると二人からまたしても声が上がるからたぶん変化してる。


「ええ。確かに色変わってましたよ」


アリアさんが色が変化していることを証明してくれたので、一安心。ちなみに色は白で、この色は妖精族では出せない色らしい。なるほど、こういうところでもプレイヤーとNPCとの違いがあるんだな。


この後何度も試してみたが目を閉じている状態ならほぼ確実に変化するけど、目を開けると全く成功しない。これはもう無理かなと思ったが、試しに飛行魔法も試してみることに。

可能性としてここであまりうまくできなくても飛行魔法のほうがうまくいくこともあるそうらしい。目を閉じてる状態限定だが一応成功しているので試してみようってことになったのだ。


「次は羽根ですね」

「でも、これはすぐできるよね?」


アリサさんが予想した通り、羽根を振動させることだけはすぐにできた。当然目を閉じてる状態だけど。


「では次行きましょう」

「いまさらですが、本当に大丈夫なんですか?」

「アルケさん、こういうのは慣れだから」


こっちの世界にもあるのか『習うより慣れろ』の精神。


いよいよ飛行の第一歩、浮遊の訓練開始……の段階で二人がじゃんけんを始めた。なんで?


「勝っちゃった」

「おめでとう姉さん」


勝ったのはアリアさんのようだが、いまだにじゃんけんの意味が分からない。

アリサさんが少し離れ、逆にアリアさんが俺に近づいてくる。えっと、マジで何なの?


「では、私が空へお連れしますので、じっとしていてください」


するとアリアさんが俺の背中に両手を回してきた。え、これ抱きつかれてる!?


「あ、ありあさん!?」

「しゃべらないでください! ゆっくりしますが、最初はかなり驚く方が多いので」


いや、しゃべるよりもこの態勢が危ない! さっきから胸にやわらかい感触が! NPCとの接触ならハラスメント警告が出ないのか!? それともアリアさんから抱きしめられているからなのか!?


動揺している俺をよそにアリアさんは抱きつける腕の力を強くする。それによってアリアさんの胸がより密着されていく。ああ、きもちい……


「行きます!」


その瞬間、俺は空の世界へと旅立った。てか、思ったよりGが強い!?

さらに上下左右に移動するのでだんだん気分が悪く……でもおかげでいろんな感触が胸元から伝わってくる。ああ、これこそが、逝くってことか……




「こんな感じですが、感覚をつかめましたか?」

「はい……」

「大丈夫じゃないね、こりゃ」

「え?」


この後アリアさんと一緒に三回ほど空を舞いました。おかげで少しは空を飛ぶ感覚をつかめたけど、それ以上にアリアさんの一部を堪能してました。

アリアさんにはばれてないっぽいからいいけど、果たして本当に飛べるのだろうか?

前回にディスピア使ったので今回はヘブンイメージにしてみました。おいアルケ、そこ代われ!


次回ですが、キーボード調子悪いので一度修理に出すので投稿できないかもしれません。がんばれば、Vitaでなんとか投稿します。では。

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