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VRMMOの錬金術師  作者: 湖上光広
第三章:希望を照らす想い
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第二十二話:クエスト進行

最近タイトルを考えるのが一番難しいと感じてます。


感想コメントをいただき、最新話に合わせるために最後の運営アナウンスの分を変更しています。

可視状態で〝キュアクロス″を見せたみんなから音が消えた。表情はまるで埴輪のようになり、何を考えているのかまったくわからない。


そんな状態が数分続き、そろそろ何か口にしたほうがいいかなと思った矢先、エルジュがこっちにうつむきながら近づいてきた。よく見ればなぜか震えている?


「おい、どうし」


俺の言葉は伸びてきたエルジュの手によって遮られた。というかまたしても首掴まれて苦しい!


「なんてもの作ってるのーーー!?」


そして追撃の大声。あぁ、なんか視界の向こうにきれいな花畑と清らかな川が見える……


「ストップ! ストップ! エルジュちゃんアルケが死んじゃう!!」


その先へと歩み寄ろうとするタイミングで現実に戻された。何とか酸素を補充して目を開ければラインがエルジュを羽交い締めにしてる。おぉ、ここ最近いい仕事するなライン。


「あ、あの。大丈夫ですか?」

「まあ、気持ちはわかるけどね」

「シオリン、ここで言う言葉ではないですよ」


後輩三人組も俺に近づく。あ、スワン水をありがとう。






「さて、エルジュも落ち着いたところで、さっきのなんだ?」


後方でカリンさんと他のヴァルキリーギルドメンバーにエルジュが説教されているがそれはスルーしてラインの質問に答える。みんな同じような目をしてるからやっぱ気になるのか、コレ。


「さっきお前にプレゼントしたアイテムが浄化されたアイテムだ。毒を以て毒を治めるということだな」

「……え、さっきのそんなにヤバいの?」

「見てみたほうが早いぞ」


すぐさまラインは〝パーリィードラッグ♪″を確認する。慌てていたのか可視状態となってしまい、周りからも「うわぁ」とか「何あの毒薬」とか言ってるな。まあ、否定はしない。


「それで、クエスト進めるのか?」


俺はいまだに頭を下げているルーナ王女を指す。すぐさま答えたのはアステルさんだった。


「もちろん。でも、それは私がする。だからそれ私に渡して」

「それは構いませんが、なぜ?」

「あなたが受けてもこの先進めるのは難しい。だから私がクエストを受けてこの先を進める」


そういえばこの地下通路は『俺が受けたクエスト』だったからここまで人を集める必要があった。でも、アステルさんなら一人でもやろうと思えば突破できたのかもしれない。

そう考えればこの先俺がクエストを背負うリスクのほうが大きいか。


「では、お願いします」

「任された」


アステルさんに〝キュアクロス″を渡し、受け取ったアステルさんはYesを選択する。


「本当ですか!?」

「うん。これが薬」

「え!? もうあるのですか!? でも、これは魔族の力で……」

「だからこれが治療用のアイテム。早く使う」

「……本当に、ありがとうございます」


若干泣き声で〝キュアクロス″を受け取ると国王へと近づくルーナ王女様。あ、忘れてた。


「王女様、これも」

「これは、ポーションですか?」

「そのアイテムは使うとその者の疲労が溜まってしまうのでこれで緩和してください」

「もしかして、このアイテムは……」

「いいから、早く」


また面倒になりそうだったので有無を言わせずポーションを渡す。せっかくアステルさんが俺への負担を解消してくれたのに、わざわざ自ら背負ったらバカじゃないか。


ルーナ王女様は頷くと国王の胸元に〝キュアクロス″を置く。すぐさま白く淡い光が国王を包み込み、やがて光が収まると〝キュアクロス″はパリンと割れる。すると今まで寝たきりだった国王の口元がわずかに動き、うめき声のような声が聞こえてくる。

すぐさまルーナ王女様はポーションを国王の口元に運び、少しづつ飲ませていく。一応効力が高いやつしか持ってきていないから大丈夫だろう。


(あれ? そういえばここ最近ちゃんと効力の効果を確認してないな……)


内心冷や汗を流しながらも状態を見守っていくと国王の目が開いた。


「国王様!」

「……る…………な?」

「はい! ルーナです!」


こぼれる涙をぬぐうことなく国王の手を握り、その顔を見つめるルーナ王女様。うん、感動的な流れですね。後ろから数名泣き声が聞こえてくるし。








さすがにあれ以上あの場にいるのは失礼だと思い、一旦部屋の外に出てルーナ王女様を待つ。5分ほどして部屋から出てきたルーナ王女様は俺たちに頭を下げる。先ほどとは違って感謝として。


「本当にありがとうございます。国王の容体はまだよくありませんが、このままなら無事に回復するでしょう」

「それはよかった。それで、これからどうするんだ?」


ここからの交渉はラインを中心にアステルさんやカリンさん、アポロンさんなどギルドマスターやそれに近い人たちで進めることにしたのでラインが代表して今後のことを訊いている。


「国王の容体が回復次第、フォレスワードにて王城奪還を宣言します。すでにルミナ洞窟の奪還には成功したと密偵が伝えてくれていますから。そういえば、それも皆さんのお力でしたね。再度、皆様には感謝を」


再び頭を下げるルーナ王女様。というか、密偵なんていたのか。


「その感謝に対してお願いを一つ聞いてもらえないだろうか?」

「なんでしょうか? 今の情勢ですのでお応えできるかどうかわかりませんが」

「それに関しては問題ない。ルミナ洞窟で取れる魔武具を作れる鉱石を分けてもらえないだろうか? こちらにも武器・防具職人がいるから経験を積ませたい」

「その程度でしたら問題ありません。むしろ今は職人が足りていませんから、皆さんのほうで武器や防具を調達できるのならありがたいです」


ルーナ王女様の発言を聞いて各ギルドが連絡をしている。おそらく抱え職人の都合を聞いているのだろう。

まあ、俺には関係ないことだ。なんたって、【錬金術】で作ったインゴットならそのまま魔武具になるからな。そろそろ放出する時期を決めないとな。


「それじゃ、俺たちは一旦お暇するよ」

「はい。後日、またお会いしましょう」


俺が考え事している間に交渉は終わったのかこれでお別れとなった。俺がルーナ王女様と会うのもこれが最後「あ、あの」に……ん?


「改めて、あなたには感謝を。国王を……父を救ってくれてありがとうございます」

「いや、たまたま持っていただけですから」

「それでも、あなたがいなければ父は助からなかったかもしれません。ですので、これはそのお礼です」


そう言うとルーナ王女様は右耳に付けていたイヤリングを外して俺に差し出した。ここで断る理由もないので受け取る。



〝王家の耳飾り″・イベントアイテム・Ld

ルーナ王女が身に着けている耳飾り。貴重なモノだが、効果はない。




どうやらただのイヤリング……なわけないよな。王家って付いてるし、しかもイベントアイテムってことは今後何かしら意味を持つのだろう。

結局何かしらこの後も会うことになりそうだ。


その後行き同様ルーナ王女様に導かれて迷路を戻り、そしてなぜかラファエロまで同行して魔法陣のところまで戻る。今度はラファエロまで頭を下げられたが、頭を下げるルーナ王女様に別れを告げ、俺たちは地上に帰ってくる。


振り向けばまたしても木が魔法陣を隠しているが、どうやら一度魔法陣を使った者は木をすり抜けられることが確認された。何名か「ツリースライム狩れないのか!?」と残念がっていたけれど。

なお、そのフラストレーションはフォレスワード到着までに遭遇したモンスターが引き受けてくれました。さすがにモンスターたちに同情した。


そしてフォレスワードに到着した途端、それは起こった。





『エリアクエスト〚魔族対戦・王城を奪還せよ!〛の進行度が20%を突破しました。これにより、第1エリアはじまりの街にて『テイム牧場』が解放されます。『テイム牧場』では隠し要素テイムについて詳細を知ることができます。


それに伴い、緊急メンテナンスを明日10時~17時に行います。その期間はダイブインできなくなりますので、9時55分までにはダイブアウトをお願いします』

ようやくテイム詳細判明。というわけで、次回はテイム回です。


え? すでに持ってるじゃないか? 果たしてあれは普通のテイムなのでしょうかね?

では、また来週です。

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