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VRMMOの錬金術師  作者: 湖上光広
第一章:ダイブイン
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第十七話:再びの決意

杖に見惚れていた俺が正気に戻ったのはラインからのチャットだった。


≪コウ! 今いいか!?≫


かなり焦っているか俺の呼び名が現実のものとなっている。

そのおかげでなんとか冷静になれたからある意味感謝だ。


≪どうした? あとリアルネームは禁止じゃないのか?≫


すぐに謝罪の返信が届き、ようやく本題に入った。


≪今すぐ公式ページを確認しろ! 手順はわかるな?≫


≪ああ、問題ない≫


俺はウィンドウを開き、CWOのロゴマークに触れる。こうすることでCWOの公式ページが閲覧できるのだ。なお、ここから掲示板への書き込みも可能だ。

他のインターネットページには接続できないが。


そしてすぐにラインが焦っていた理由が分かった。


≪今確認した。この情報に間違いはない≫


そこに新たに書かれていた文字。

それは衝撃と共感で別れていただろう。


“本日ただいまをもって『配信記念サービスクエスト』の終了をお伝えします”


さらに『配信記念サービスクエスト』だけ文字の色が変わっており、試しに触れてみると専用ページにリンクした。

そこには多くのクエストと報酬が表示されており、中には俺が受けた〝フェアリーガード正式装備(旧式)″や〝アトリエ″もあった。

ちなみに、報酬はそれに触れると詳細な表示も出現した。


≪間違いないってことはあの魔武具屋もこれ関連か?≫

≪ああ。〝アトリエ″をもらったよ≫


「……あれ?」


なぜか急にチャットが止まった。


≪ずるいぞてめぇー!≫


訂正。急に荒れた。




詳しい話を聞くとラインはこのクエストの対象外だったらしい(公表と共に運営からメールが届いたそうだ)。

まあ、ラインのメンバーの中には恩恵を与えられた者もいたのでこれで攻略ができるらしいから、単なるやっかみだろう。

というかそういうのは同じメンバーにしろ。なぜ俺にした。


しかし、次の一言が俺の運命を決める一言となった。


≪でも大変だな。〝アトリエ″取得者お前だけだぜ?≫

≪は?≫

≪いや、報酬の所に数字が書いてあるだろ? 多分獲得者の数字だぜ?≫


もう一度例のページを見てみる。


……確かに〝アトリエ″の横の数字は1。

〝フェアリーガード正式装備(旧式)″は大勢いるのに(それでも少ないほうだが)。

ちなみに、報酬で1なのは俺の〝アトリエ″だけのようだ。


≪俺、孤立した?≫

≪まあ、ガンバレ≫


その言葉を最後にラインはチャットから消えた。


「……どうすればいいんだよーーーーー!」




その後、しばらくしてここに来る前に見ていた掲示板を開いてみた。

想像通りそこは荒れていた。


個人工房をGETしたプレイヤーの自慢やそれを妬む書き込み。どうやら工房によって少しずつ違いがあるようである工房には備え付けのアイテムがいくつかの工房では無いなんて話も書かれている。

そしてとうとう【錬金術】取得者の書き込みが現れた。


『【錬金術】持ってる者ですけど、〝アトリエ″獲得ならずです』

『あら残念』

『自分も同じく』

『自分も。ある意味当然だけど』


「当然?」


俺は疑問に思ったがなぜか同調する【錬金術】習得者たち。


『当然ってどういうこと?』

『そうそう。普通もっと悔しがらない?』

『だってな~?』

『ああ。【錬金術】を専門にするバカいないだろうし』


「………………バカ?」


気のせいか、頭の何かがきしむ音が聞こえた。


『激しく同意。【錬金術】は素材を産み出すスキルであってそれをどうするかが重要』

『【錬金術】で攻撃系のアイテム作れる可能性あるけど、CWOじゃそれを作るよりも戦闘系スキル育てるほうが効率いいし』

『β版ではろくに活躍しなかったらしいし』


「……」

プチ


『そういえば一人いるらしいな』

『どうせ解析組のだれかだろ?』

『それでたま~に空いた時間で調合してこっそり成果を発表すると』

『暇つぶしww』


プチプチ


『この話題もういいじゃん。意味無いし。他の情報交換しようぜ』

『だな。無意味な話題提供してすいませんでした』

『いいって。それじゃ次何にする?』


プチーン


俺は掲示板を消した。


「フフッ」


この瞬間決意した。


俺は錬金術で必ず成功してみせると。

これはβ時に個人工房を建てたプレイヤーへの救済処置や正規版から始めたプレイヤーの補助を担うクエストであり、戦闘職にも補助クエストが実行させています。(ラインとエルジュはすでに一般のβプレイヤーよりも能力が高いのでクエストが発生しませんので、おそらく描写することはありません)

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