僕の彼女を紹介します。
こんにちは。久し振り。
こんな所で会うなんて、奇遇だね。
丁度良かった。
君に会わせたい人が居るんだ。
紹介するよ。
僕の、彼女だ。
ふふ、可愛いだろう?
円らな瞳は澄んだ空の様な青。
綺麗に巻かれた髪は艶やかなブロンド。
小さな唇はいつも極上の笑みを浮かべてくれる。
張りの有る頬は薄らと赤い。
触れば温まった僕の手を優しく冷やしてくれる。
久しぶりのデートだからね。嬉しいんだよ。
ほら、恥ずかしがらなくてもいいんだ。
顔をあげて、笑ってごらん?
そう、ああ、最高に可愛いよ。
…何を驚いているんだい?
ああ、彼女の魅力に君も魅せられてしまったのかな?
駄目だよ。君がいくら懇願しても彼女は渡せない。
怪訝な顔をしてるね。
僕の彼女への愛情が理解できない?
そうか、君はまだ本当の恋をしていないんだね。
可哀想に。
君も彼女のような可憐な存在を探してみればいい。
彼女は最高だよ。
いつも笑顔で。
文句は言わない。
僕が選んだ服も喜んで着てくれるし。
一緒にお風呂にだって入る。
淋しい夜だって傍にいてくれる。
こんな完璧な彼女は他には居ないよ。
そうだろう?
くすくす。
じゃあね、僕はそろそろ行かないと。
今日は彼女と遊園地へ行く予定なんだ。
観覧車から街の夜景を眺めるんだ。
中々にロマンチックだと思わないかい?
今度会えたら教えてあげるよ。
ばいばい。
不朽の姿で男を魅せる少女人形。